メランコリア

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ここにあるのはわたしの心象スケッチです。

「しあわせのカタチ~脚本家・木皿泉 創作の“世界”~」

2014-10-06 10:54:42 | ドラマ
ハイビジョン特集「しあわせのカタチ~脚本家・木皿泉 創作の“世界”~」(2011年11月12日放送)
出演:和泉務、妻鹿年季子、薬師丸ひろ子、田中哲司 ほか

「脚本家・木皿泉。実は、和泉務と妻鹿年季子という夫婦。
 夫婦の日常とともに、2人の姿を投影した書き下ろしドラマを交え、人気脚本家の創作の秘密に迫る。」

哲さんはナレーションだけなのかな?と最初思ったけど、フシギな構成の番組だった。
脚本家の夫婦のドキュメンタリーその2人が書く全4話の夫婦のドラマその制作過程まで撮った番組。

木皿泉

 

いきなりまっぱで登場したのは“トムちゃん”(和泉務さん)。脳内出血で倒れてから車イス生活。
妻の“トキちゃん”(妻鹿年季子さん)が自宅介護をしつつ、2人で執筆活動をしている。
『すいか』、『野ブタ。をプロデュース』、『セクシーボイスアンドロボ』、『Q10』など素晴らしい作品ばかりだが、
筆が遅いため、今はDVDの印税が頼りで、エアコンもない暮らし。でも、それが気に入っている様子。

務さんの日課は、神棚に祀られた大黒さまに、お金や夫婦仲をお祈りすることから始まるw
部屋には本棚が取り囲み、あらゆるジャンルの本がびっしり詰め込まれている


ドラマ執筆スタート
互いに本を読むことから脚本作りが始まる。無数の本の中からセリフ、ストーリー、あらゆるアイデアを模索する(レイ・ブラッドベリもあった
夫婦の自由な対話も大切。

2人が出会ったのは二十数年前。
トキちゃんは染物の学科を卒業後、商社勤務を経て、シナリオライターとなり、話題となる。
いわゆる「いい子」タイプで、このまま就職、結婚して円満退社、出産・・・でいいのか?と強い疑問を感じる毎日だった。

トムちゃんは、2歳でポリオを発症。左足が不自由になった。放送作家となり、やすしきよしさんの漫才のネタ映像も残っている。
(漫才のネタって、他人が書くこともあるんだ/驚


トムちゃんから声をかけて2人で執筆を始める。トキちゃんは、夫が倒れてから入籍を決めた。
その後、「介護うつ」にもなった。

トムちゃん「(妻が)治るには、オレが死ぬしかないでしょう」
「それは違う、夫が生きていてさえいてくれたら、自分も生きて、書き続けていられる」というトキちゃん。



それでもケンカになることもある。
トムちゃん「締め切りが迫って荒れた時の方法を考えておこう」と提案するも、「なんとかなる」で中断。

憂歌団の君といつまでも がエンディングに流れるようなドラマがいいという流れになる


脚本家の自宅でロケというのは初めての経験。
夫婦同士の呼び方、職業、テーマなどのあらましを、何気ない対話の中から練っていく。
その後は、互いに“生みの苦しみ”の中、トキちゃんは、いつもの喫茶店でストーリーを考え、
トムちゃんは、アイデアノートに自由に書き出していく。



そして、発注してから100日目、トキちゃんはようやくワープロに第1話を書いた。


story(ネタバレ注意


テレビの街頭インタビューをされた酔っ払ったダンちゃん(旦那)。

「オレ、時々思うのね。オレ、本当に生きてんのかなあって」

 
2人の出会い。
飲み屋でツマちゃん(妻)が見知らぬおじさんとケンカになりそうなところを仲裁に入ったダンちゃん。
ツマちゃんの腕のホクロが北斗七星になっていることに気づく。

ツマ「私たち、あの時からずぅっと、ままごとを続けてるんじゃないかって。これからも」
ダン「ままごとねぇ・・・ままごととやらを命懸けでやってみせてやろうじゃねえの!」



豪華な結婚式に行ってきたツマちゃんと、久々ステーキで贅沢な食事をしているダンちゃんの会話がスレ違う。



「ダンちゃんの顔って、よく見ると地味だよねぇ」w
「そんなこと、今さら言うなよお」
「私たち、式もしてないし、指輪もないし」
「それは、ツマちゃんが要らないって言ったからだろ。じゃ買ってやるよ!」
「いいわよ。欲しかったギター買えば?」
「いいの?」


「コレ、オレの15万ってこと? じゃあ、なんにも得してないじゃん。じゃ、明日、何食えばいいんだ?」w

ダンちゃんがリストラの対象者になってしまい、上司の立場からどう言えばいいか分からないツマちゃん。


******************

この企画を立てた若いアシスタントディレクターが突然辞めたことに驚く木皿泉夫妻。

トキちゃんいわく
「今のコって、ムダなことをスパっと切ってしまうんだよね。自身をいちばん信じてない。
 辛抱と希望はワンセットだから、一緒になくなっちゃうんじゃない?」

新聞の連載エッセイに、OL時代の自分が彷徨っていたことを書くトキちゃん。
彼女は、坂の上にある月2万円のアパートに部屋を借りている。
何に使うわけでもないのだが、唯一、海のある眺めが気に入っている


******************


ダンちゃんの双子の弟は、まっとうなサラリーマンで、ツマちゃんにうっすらと想いを抱いているようだ
お客様に渡す予定の8000万円を手渡すと、ツマちゃんは「こんなもの!」と投げてしまう。

「リストラされたら、私の中のダンちゃんの価値も下がっちゃうのかな?」

義弟は、見せたいものがあるといって、例の海の見える場所に連れていく。

 
「奇跡だよね。自分に帰る家があるなんて。こんなにたくさん家がある中で!」

帰ると、ダンちゃんは、「昼寝用枕を注文したのに、間違えて蚊帳が送られてきたんだ」と蚊帳の中にいる。

 
「なんか宇宙の果てにいるような感じがするね」
「この中なら、なんでも言えそうな気がしてくるよね?」
「ダンちゃん、、、会社辞めてくれるかな?」
「なんだ、そんなことか。。。え゛え゛っ

End of The World/Skeeter Davis


******************

4ヶ月かけて書き上がった全4話。
震災についても質問が及び、「つねに隣り合わせていること」とトキちゃん。




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ダンちゃんは、プライドが傷ついて、家を出て行った先は、さっきのトキちゃんのアパート。

義弟「こんな住み心地のいいところ、オレだったら絶対出たりしないよ」
ツマ「じゃあ、ここに住む?」
義弟「・・・え? いいの? 本気にしちゃうよ・・・」

 
義弟「あー、結婚してえー! 生え際がここんとこを越えるまでには、絶対結婚しよ!」w


♪君といつまでも/憂歌団 



このシンプルさが木皿泉脚本の味なんだね。
最近は、映画もドラマもマンガ原作が多い中、いろいろ試行錯誤しながら作られてゆくドラマの制作過程が見れるのは貴重だった。


 

今回は双子役だから、どっちも哲さんで嬉しい(またピンクのネクタイしてる
何度も言うけど、哲さんのカッコ良さって、こういうフツー過ぎて、記憶に残るか残らないかギリのところだと思うんだ。
もちろん、いい意味で

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ドラマ『サイコドクター』第1話「高所恐怖症」

2014-10-06 10:37:00 | ドラマ
ドラマ『サイコドクター』第1話
原作:亜樹直、作画:的場健の漫画作品のドラマ化。

●第1話 精神科医が心の傷を癒す!トラウマが生む高所恐怖症
出演:竹野内豊、市川実日子、羽田美智子、西村雅彦、秋山菜津子、柴咲コウ、内藤剛志、斉藤洋介、根岸季衣、西田健、丸岡奨詞、山本ふじこ、河野洋一郎 ほか

story(ネタバレ注意
冠野あずさは、就職試験に落ちてショックを受ける。
同じ会社を受けて、面接に受かったトモコとともに電車で痴漢に遭い、事情聴取で「リストラされて、つい・・・」と言う男に、
「ブランドものの靴を履いているのはおかしい。大企業の幹部で、痴漢常習犯だが、ストレスを減らせば治る」と分析したのは、精神科医の楷恭介。

トモコは、面接時、エレベーターで20Fにあがって、突然パニックとなって気絶する。
楷を訪ねると、「高所恐怖症」だと診断される。アズサはここでバイトをしながら精神について学んでいる。

「ココロの病気の原因は3つある。脳の病気、神経伝達物質のバランスが崩れる、ココロの葛藤・ストレス・不安神経症等、君は3つ目にあたる」

「治すのはあなた自身。ボクはサポートするだけです」

エレベーターに乗るのは大丈夫だったこと、失神した際ゾンビ(=死の恐怖)を見たことを話すトモコ。

同級生で医師のミナコはカイに「1日30人は診ないと生活できないでしょ?」(そうゆう考え方なんだ・・・

 

面接での失敗にも関わらず、常務のイセのおかげで内定をもらったトモコは、
イセに20Fのオフィスに連れていかれて、また発作を起こす。

カウンセリングでは、なぜか幼稚園の頃だけ思い出せず、「お父さん」と「パパ」という単語が出てくる。
イセからカイ以外の医師にカウンセリングを受けるよう言われ、キャンセルしてきたトモコ。

カイは何者かに階段から突き落とされる。
2人の刑事がコウダユタカというイセの部下がベランダから転落死した事件について、カイを訪ねてくる。

カイはトモコの実家を訪ねる。父母は実の親子ではなく、亡くなった兄の娘だった。
トモコが5歳の時、父は20Fからの投身自殺? 母も早くに亡くなっている。

「退行催眠」(出た!)により、思い出せなかった幼稚園の頃の記憶がよみがえる。
カイ「高所恐怖症は、原因が分かったからといって劇的に治るものじゃない」


カイ自身も「強迫性障害(洗浄強迫)」だし、「全般性不安障害」の通院患者として、秋山菜津子さんが出てるv


「腕を組むのは拒絶のサイン」

「人間には乗り越えられない過去なんてない」

フロイトさんいわく「普通の人とは、神経症の人間のことである」(いいこと言うね


 

ビシッとしたスーツを着こなす内藤さんカッコいい
常々、内藤さんと西村さんて、俳優としての立ち位置が似てるなって思ってたから、今回の共演は興味津々w



今回の症状って、パニ障とも似てるけど、高所だけに限られるから、違うんだね。

「退行催眠」っていうのが、私が最初から持っていた精神科医のイメージだったんだけど、
実際は、ほとんどの人は「心療内科」に通ってるんだよね。

「退行催眠」などをする専門医のいる病院は、治療費がバカ高いし、それだけのスキルが必要だから数が少ない
自分が忘れている記憶を意識化するって、怖いと思うと同時に、一度やってみたい気がする。

2002年に、もうこんなメンタルクリニックのドラマがあったなんて意外/驚
その他の回も気になった。こちらも時間のあるときに全話観てみたい。

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ドラマ『おやじの背中』第8話「駄菓子」

2014-10-06 10:19:47 | ドラマ
ドラマ『おやじの背中』第8話「駄菓子」
出演:大泉洋、高橋克実、田中哲司、塚本高史、田中奏生 ほか

story(ネタバレ注意
春部真は、製薬会社の営業部契約社員だが、自分が苦心の末作り出した駄菓子「サターン5」を売り出そうとしてモメて辞める。
前職も同じ理由で辞めていて、妻とも別居中。一人息子の湊は父の夢を叶えたくて、家事全般をこなしている。

製薬会社の創業者である父は、最盛期の頃、仕事ばかりで、母は苦労の末に亡くなった。
真は、いつもデキのいい兄と比べられ、近所の駄菓子に通うのだけが楽しみだった。

真は、これまで集めた駄菓子の中で一番美味しいと思うハシバ製菓へ「サターン5」を売り込もうと湊を連れて行く。
2代目の羽柴浩太郎は、「オヤジの味を守っているので」と試食も断る。その妻も「ウチもギリギリでやっているので」。

心臓を患っていた父が急死し、2代目を継いだ兄・利一から一緒に会社を立て直して欲しいと頼まれる。


「駄菓子屋にハマるのも父への面当てだろ? 許してやれよ。オレも謝るよ。
 とにかく側にいて欲しい。一番、信用できるのはお前なんだ」

真「もう限界だな。正直疲れたよ。父の製薬会社でゼリーつくるのもいいかもしれない」




哲さんは、大泉洋の兄役。刑事役もイイけど、こうゆうフツーのヒト役?がやっぱり似合うなあ!
他の回も魅力的な出演者ばかり。いつか全話観てみたい。

 

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