メランコリア

メランコリアの国にようこそ。
ここにあるのはわたしの心象スケッチです。

Merry Christmas.

2014-12-25 13:04:56 | 日記
世界中に暮らす、生きとし生けるものすべてに祝福がおとずれますように。



Happy Xmas (War Is Over)

「僕はずっと永遠の生命を持つクリスマス・ソングを作りたいと思っていた。「ホワイト・クリスマス」のようにね。
 いつだって戦争はあるし、いつだって誰かが銃殺されたり拷問されている。
 そういう意味で、あの歌詞はどんな時にも通用するんだ」(ジョン・レノン)


War is over! If you want it.





想像しよう。

世界は、とっても美しいものだと。


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『アラスカ 星のような物語 写真家・星野道夫 大地との対話』

2014-12-25 12:02:37 | 映画
『アラスカ 星のような物語 写真家・星野道夫 大地との対話』
朗読:オダギリジョー 出演:田中哲司 ほか

 

肌寒くなってくると、星野さんの温かみのある文章と写真が恋しくなる。

そんな大好きな写真家・星野道夫さんと、哲さんが、こんな形でつながってたと知った時は本当に驚いた
これもレンタル屋のリクエストで取り寄せた1本。このDVDは欲しくなった。

これまでずぅっと本で読んで想像してきた星野さんの文章をそのまま映像化したような、1年間かけて撮影されたという素晴らしい作品。
なにより、当時、星野さんが書いた文章の自然がまだ残っていることが嬉しかった。


「時々、遠くを見ること。」

 

哲さんは、星野さんを演じているのかと思ったらそうじゃなくて、
星野さんの本を読んだ、どこにでもいそうなサラリーマン男性役。
営業の途中で東京タワーに登ってみたり、営業をサボって海岸に行ってみたりして、
読んだ本でひっかかった言葉「時々、遠くを見ること。」を体験してみる、というドラマが所々に挟まれている。


story(ネタバレ注意



[カリブー]~ツンドラを埋め尽くすカリブーの群れ。
 

 

星野さんが見た黒い点々のようなカリブーの姿は、こんな感じだったのかなあ?
今でも彼らは大移動をしているだろうか?


[グリズリー]
 

アメリカの開拓史はそのままグリズリーの虐殺史であった。
“グリズリーは恐ろしい動物だ”というレッテルを貼り、殺し続けてきたのである。
アラスカは、グリズリーに残された最後の大地なのだ。
彼らを守ることは、私たち人間自身が生き延びてゆくかどうかの象徴にさえ思えてくる。


(星野道夫で画像検索すると、グリズリーがテントを破って襲いかかっているCG画像がたくさん出てくるのがいつも耐えられない
 最初に検索した時、あまりのリアルさに、私もこれが彼の最後の写真かと信じてしまったほどだ。
 ツイッターの“面白い動物・可愛い動物”画像の中にも時々出てくる。
 家族や知人もこの画像を見るたび、どういう思いがするかと想像すると悲しくなる。


 
哲「仕事以外になにか生き甲斐があれば、もっと楽しい日常が待っているような気がする」




[氷河]
 
無数のクレバスは、つい最近まで地球が氷河期だったことをまざまざと見せつけてくれるのである。


[豊かな海]
表層プランクトンを含むスープのようなアラスカの海。
“エデンの世界”ふと、そんな言葉が頭に浮かんだ。


[クジラの歌]
 
フシギなザトウクジラの歌。耳をすましながら、叫び出したい気分だった。
彼らにとって、大切な採食の海。


[2つの自然]
 

1つは、日々の暮らしの自然。2つ目は、日々の暮らしと関わらない、はるか遠くにある自然。
それは生きてゆく力となる。

きっと自然は、それ自身なんの意味も持たないのかもしれない。
そして、そこに何か意味を持たせようとするのが私たち人間なのだろうか?


[森の一生]
 

 

氷河のあとに生えるコケ類植物は森のステージの最初。
倒木は腐食して養木となる。「ナース・トゥリー」
その上に落ちた種子が、1本の大木になるまでの役割を果してくれる。
(私は星野さんの文章を読んで、森にも一生があるって知った


[アラスカとの出逢い]
 

19歳の時、信州の農家で新聞に載っているアラスカの地図を見て、北方への漠然とした憧れがアラスカというはっきりした形をとる。
神田古書店街の洋書専門店でナショナルジオグラフィックソサエティ出版の『ALASKA』に載っていた
ベーリング海と北極海がぶつかる海域に浮かぶ小さな島「シシュマレフ」というエスキモーの村の空撮写真に魅せられた。

 

20歳。シシュマレフ宛に5通の手紙を出すが、半分以上が宛先不明で返送された中、半年後、村から返信が来た。

 



[アラスカに住む]
 



 

アラスカでは「シロトウヒ」「アスペン」「シラカバ」の3種類の木が揃った土地は良いとされている。

「私たちが生きてゆくということは、誰かを犠牲にして、自分自身が生き延びるのか、という終わりのない選択である。
 近代社会の中では見えにくい、その約束」

 

「アラスカにも巨大な資源開発の波が少しずつ押し寄せている」




[秋のアラスカ]
秋のアラスカは、音のない色のオーケストラを見ているような気がした。
オオカミの遠吠えは、周りのすべてと調和して、神秘的なハーモニーになっていた。
私は、たった一人で、銃も持たずにいたが、怖くはなかった。


[ムース]
 
ムースは繁殖期を向かえ、ヤナギの潅木で戦いの武器を研ぐかのように、角の感触をたしかめていた。


彼らは、冬が近づくと南の森へ移動する。そこには、説明のつかない自然との約束がある。


[ジャコウウシ]

オオカミが来ると、ジャコウウシは子どもを真ん中にして、円陣を組んで守る


[冬から、ふたたび春へ]
冬は夏を生き抜いた生き物たちに容赦なく一線を引き、弱った者を脱落させてゆく。

 

アラスカは来る者を拒まない。
でも、冬の厳しさは、人を篩いにかける。
そこを立ち去る者と、この地に根を張る者。

 

春の歓びの大きさは、それぞれが越した冬にかかっている。
冬をしっかり感じないかぎり、春をしっかり感じることは出来ないからだ。

 


「あらゆる生命が、ゆっくりと生まれ変わりながら、終わりのない旅をしている」

 

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『アメリカ・インディアンはうたう』(福音館書店)

2014-12-25 11:39:35 | 
たくさんのふしぎ傑作集『アメリカ・インディアンはうたう』(福音館書店)
金関寿夫/文・訳詩 堀内誠一/絵

『魔法のことば エスキモーに伝わる詩』(福音館書店)

「魔法のことば」

金関寿夫さんが気になって、図書館で検索して借りてみた。
ハイダ族、ナヴァホ族など、星野道夫さんの著書に出てくる部族の名前もあってリンクした

「たくさんのふしぎ傑作集」シリーズは、これまでも何冊か読んだことがある。
『屋上のとんがり帽子』(福音館書店)



【内容抜粋メモ】

「アメリカ・インディアン」
現在「アメリカ・インディアン」と呼ばれる人たちは、ヨーロッパ人がくる何万年も前からアメリカ大陸に住んでいた人たちのこと。
コロンブスがアメリカ大陸をインドと思い込み、「インディオ」(英語でインディアン=インド人)と呼んだが、
「ネイティヴ・アメリカン」(もとから住んでいたアメリカ人)と呼んで欲しいという人も多い。


思想
ヒトだけでなく、動植物、大地、風などあらゆるものにもがあると信じている。
世の中で起こる良いことも悪いことも、ヒトの目にはみえない精霊の力だという。
豊作を祈ったり、戦に勝つことを願ったり、病気を治したい時には、歌い、踊り、儀式をして精霊にお願いする。


ナヴァホ族の砂絵の儀式
シャーマンが9日間かけて、病人の家の中で魔法の歌を唱え、絵を描く。
絵はその日の式が終わると消され、翌日、また新しく描かれる。


無数の部族がいる
数え切れない部族と言葉があり、それぞれに昔から口伝された歌や物語りがある。

例:
ある時、偉い人の娘が病気になり、老人に相談すると、木の根元に寝かせなさいといわれた。
すると、その穴から下に落ち、湖に落ちた。2羽の白鳥が助けて、湖の王様・オオガメのところに連れて行くと、
「オレの背中に土をのせて陸地をつくり、その上でこの娘が暮らせるようにしなさい」と動物に命令した。
それが今の世界の始まりだという。



彼らは、言葉には、自分が願っていることを実際に起こす力があると信じている(うん、私もそう思う


狩猟
狩りでは、重さ1トン近くもあるバイソン、エルク、トナカイなどを狩る。
西部の平原地方の部族は、バイソンの肉が主食。
何百頭ものバイソンが、群れで夏には北、冬には南に移動する時を狙って、
弓矢、鉄砲を使ったり、崖から落としたりして、1~2時間で100頭以上とったそう/驚


農耕
農耕の歴史は古く、7~8千年前にさかのぼる。トウモロコシ、カボチャ、マメなど。
トウモロコシは、日本人のお米のようにもっとも大事な作物。
トウモロコシとタバコは、コロンブスが種を初めてスペインに持ち帰って世界中に広まった。


食生活
地域によって違う。北太平洋岸の部族はサケ、クジラなどを食べる。
湖水地方の部族が食べる「ワイルド・ライス」は、日本の「コモ」の仲間(コモってなんだろう???
北東部ではメイプル・シロップ、メイプル・シュガーを作る。


保存用のトウモロコシのクレープ「ピキ」


住まい

バイソンの皮20枚ほどでつくる「ティーピー」というテント式の家

「ウィグァム」若木を組む丸屋根の家。
「アドビ」干しレンガを積み上げたアパート式の家。
「ホーガン」丸太を重ねたナヴァホ族の家。


農耕部族は、木とその皮でつくった長屋敷に10家族ほど一緒に住む。


衣服
「インディアンは自然の子ども」と言われるくらい強い体のため、多くの部族は普段カンタンなものを身につけている。
アメリカ大陸の最北部に住むエスキモーは、トナカイの毛皮でつくった「アノラック」を着る。防寒服として最高。


「モカシン」はシカ皮などでつくった柔らかい靴。軽くて、風通しがよく、暖かいため野外生活には最適


素晴らしい工芸品がたくさんある

人形可愛い その他、陶器、織物、衣服、武具など実用的なものが多い


子育て
彼らは子どもを叩いたりしない。
子どもが亡くなると「親の悲しみを慰めることは誰にも出来ない」と言う。
そして、親は死んだ子によく似た子をもらって育てることもあった。
その理由の1つは、子どもの中に先祖の霊がよみがえっていると信じているから。

 
揺りかごではなく、「揺り板」を使う。いつも暖かく、背中や手足をまっすぐに正しく発育できるから


子どもの遊び
ままごと、コマ回し、鬼ごっこ、弓で矢を射る競技もある。
遊びは、子どもたちが大人になるために必要な訓練でもある。
エスキモーの子どもは、あやとりが得意だそう/驚


トリックスター
神さま、ニンゲン、動物をすべて一緒にしたような力を持つ。
コヨーテ、ウサギ、カラス、クモなどの姿で現れ、人をからかったり、時にはひどい目に遭わされたりする話もある。
 



悲しい歴史
日本人はアメリカ人によくインディアンに間違われる。
それは、大昔、アジアからアメリカ大陸に渡った人々の子孫で、顔や体つきが似ているから/驚
白人が来て、武力で土地を騙し取られ、今ではほとんどの部族が、アメリカやカナダ政府が定めた居留地に住み、伝統的な儀式、風習をなくしている。

南西部のプエブロ族は、居留地近辺で、観光客に織物や飾りを売って暮らし、自分たちの言葉や文化を残そうとしている。


シンボルの例


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