goo blog サービス終了のお知らせ 

メランコリア

メランコリアの国にようこそ。
ここにあるのはわたしの心象スケッチです。

ドラマ『ママとパパが生きる理由。』

2014-12-26 10:58:54 | ドラマ
ドラマ『ママとパパが生きる理由。』(2014年11月20日~12月18日 全5回)
原作:(原案)芽生『私、乳がん。夫、肺がん。39歳、夫婦で余命宣告。』
脚本:龍居由佳里
出演:吹石一恵、青木崇高、渡邉このみ、五十嵐陽向、朝加真由美、田中哲司、風吹ジュン、国広富之、ダンカン ほか

つい先日観たドラマ10「さよなら私」と同じく乳がんで亡くなる話。
「ステージ4」だって言われても、生きている人はいるはず。今度はそういう話が聞きたい。

このドラマのいいところは、がんになったら、実際どんな状態になって、どんな手順があって、
どんなサービスが受けられて、家族や周囲はどう対処したらいいかが具体的に分かるところ。
出てくる人全員が天使みたいにいい人ばかりで、実際こうはいかないことが多いとはと思うけど

哲さんは、会社社長・野村和樹役。通称「カズさん」。なぜかバツイチw
賢一・柊子夫婦を学生時代から知ってる先輩。会社の雰囲気もとっても風通しがイイ(なっかなかないよねえ
こういうフツーのいい人役が一番好き。髪の毛がピッてはねてるのが可愛い



これもxmasの季節の話だった(ビミョーに過ぎちゃったけど

ドラマ内でいつも歌われる♪歩こう~歩こう~わたしは元気~ って『となりのトトロ』の♪さんぽ は魔法の歌だね
このドラマを観ると「子どもは何も知らないほうがいい」っていうのは間違いだってことがよく分かる。
これだけ気を使って、頑張って不安をガマンしてるって本当に切なくなる/涙
いくら小さくても、病気だけじゃなくて、大切なことは、分かり易く噛み砕いて、なんでも対等に話したほうがいいんだ。


【内容抜粋メモ】(ネタバレ注意

●第1話 夫婦で余命宣告。実話をもとに描いた家族の愛の物語
吉岡柊子(35)は、夫・賢一、長女・亜衣、長男・由宇と幸せに暮らす主婦。
夢はホノルルマラソンに出場すること。だから毎朝のジョギングは欠かさない。
だが、ある日、胸のしこりに気づき、クリニックでの検査結果は「疑陽性」
腫瘍にも良性と悪性があるから精密検査を受けるよう言われ、中央病院で「病理検査」を受ける。
(このMRIってガッタンガッタンて轟音がしない、円筒から頭が出せるやつだ

 

結果は「乳がん。肝臓に転移あり」。切除手術の段階ではなく、「抗がん剤治療」しか選択肢がない状態。「ステージ4 全身化学治療」
(なぜ、ここまで気づけないものかな。私は幸い良性だったけど、がんの場合は痛みもあると聞くし・・・

ポイント1
ここで、まず話を冷静に聞いて、「大変だったね」と共感の言葉をかけてくれた旦那はエライ 「絶対に治るから!」

xmasはトウコの誕生日でもある。子どもたちからプレゼントをもらって、ビーズのネックレスなどが闘病中のお守りになる。

ケンは社長に話す。
「今まで以上に手を抜かずにやるので、出勤日数が少なくなるのを許してください」と頭を下げると、
「しっかり側にいて支えてやれ。そんな当たり前のことで頭なんか下げんな!」

 

ポイント2
会社にちゃんと事情を話す。会社も長期休暇などでフォローする。

トウコは、新聞記者の母・槙子に話す。2人の間には、幼い頃からの確執があった(まさに「母が重たい」の世界
電話したら、頭ごなしに怒られる。「なぜもっと早く気づかなかったのよ!?」(一番ショックだよね/泣

ケンの健康診断の結果も出て、「精密検査要」と書かれてある。結果は「肺がん」で転移もある(肺がんは咳が出るのか
医師から「早く家族に知らせて治療に入りましょう」と言われるが、妻の事情を話して「今はダメです」と断る(これはイカン・・・


●第2話 守りたい! 家族の約束と夫婦の絆

カズ「お前ひっでえ顔してるぞ。 お前の相談にはいっくらでものるから、トコちゃんの前では、な」

アイは来年、小学校入学を控えていて、ママと幼稚園のイベント「お別れ遠足」を楽しみにしている。
第1回目の「抗がん剤治療」はその前にある。

 

マキコが突然やって来て、高圧的に命令する。医師は一流を選んだか、セカンドオピニオンには聞いたか、などなど。
「分かる!?」て言い方がもうアウト×

「抗がん剤治療」って点滴なのか。1回目は入院。次回からは通院。
「がん保険、高いほうに入っててよかった」





この酷い吐き気の副作用の時点でもう完全にダメです←嘔吐恐怖症。吐くくらいなら死んだほうがマシ
こんなの全然「治療」じゃないじゃん! 別の大病みたいなもんだよ・・・
「何が分かるって言うのよ!」とケンにあたるトウコ。
「病気なんだから当たり前って、病気なのが当たり前って言われてるみたいでヤダな」

ポイント3
夫婦同士の本音で密なコミュニケーションが大事。

トウコはアイと遠足に行く。「こういうの1つ1つ大切にしたい」(ヒトの元気ってココロからきてるんだ
でも、グッズ売り場で倒れる。

「(アイに)ママちょっとウソついてた。ママの病気はすぐには治らないの。でも怖がらないで。
 弱ってる時は、イジワルな病気と闘ってる時なの。この病気に絶対勝つから、応援よろしくね」

ポイント4
子どもには、分かる範囲で、正確な情報、正直な気持ちをきちんと話すことが大事。

ケンは「ステージ3B」。「このままだと1年もたない」と言われる。
ケンの母・由美子は、ケンのがんを知る。「なんで、こんな大事なことを黙ってんのよ!」(まず怒りなんだね
ケンはトウコにようやく話す。「オレさ、がんが見つかった」

見ててツライドラマだなぁ・・・胃が痛い
でも、これは死と闘って、一生懸命生きるっていうストーリーなんだ。


●第3話 夫婦でガン友という絆! 娘との約束と家族の新たな一歩
パニックになるトウコらを見ても、ちゃんと弟の面倒をみるお姉ちゃんのアイって・・・涙

ユミコ「ケンのことは私がやるから。でもトウコさんのお母さまにも手伝ってもらわないと、私一人じゃ限界があるから」

ケンはカズに話す。
「1カ月半くらいの入院になります。その間、休ませてください」
「なんなんだ、それ・・・大丈夫。お前たちは絶対治る! 仕事なんてどーだっていいよ」
「でも家族養っていかないといけないですから、クビだけはカンベンして・・・」
「誰がクビにするなんて言うんだよ! お前が辞めたいってゆったって辞めさせない。
 お前は体のことだけ考えて元気になって帰ってくりゃいいんだよ」

 

両家で話し合う席に、マキコは急な仕事が入って来れないことをしきりにわびる父・伸彦(この夫婦、意外に関係はいいみたいね
「みんなやれる人はやれる事をやるってことに・・・」

 

携帯番号の交換にアタフタする様子に笑うトウコ。

「こうゆうなんてことない日常のために頑張れると思った」
「1つ1つ感じて喜び合って、大事にしてこう」
「いい事いっぱい見つけてこ。がん友同士!」

トウコは最初ためらっていたが、2人の闘病日記をブログにも書くことにする。

 
家のローン返済は、がん宣告を受けた時点でチャラになるんだね! 知らなかった。
だからって、このドラマの合間にがん保険のCM入れるのは、なんだかねぇ・・・

ケンの治療は、採血→「放射線治療」→「抗がん剤治療」。点滴は3時間かかる。
がんによって検査法、治療法、入院日数などが微妙に違うんだね。



トウコとユミコがまたケンカになる。

「最初にがんだって言った時、平気で私を責めたのに、そんな人にどうして甘えられるの?」
「あなたを傷つけたことはごめんなさい。でも、あなたが点滴して不安だった時、誰がそばにいてくれたの?」
「ケンのそばにいなさい」ってそのいちいち「~しなさい」って命令口調がまたアウトなんだよね

ケン「お互いに病気のことで謝るの、今ので最後にしよう」「図々しいがん友になろ!」

ケンはムリに「外出許可」を出してもらって、アイの入学式には家族全員で出席する。
「(医師に)行けてよかったです。改めて生きてやろうって思いました」

トウコは医師から「肝臓でがんが大きくなってる。クスリが効かなかった場合は、余命半年。効いても来年の桜を見られるかどうか・・・」と「余命宣告」をされる。


●第4話 私は命を諦めない! 母と娘の約束

「緩和ケア」のパンフレットを事務的に渡される

「先生、私の命を勝手に諦めないでください。私は諦めていないのに。
 私の命がこれからも強く続いていく様を思い描いてください。
 それがムリなら、せめて、私の命が終わりに近づくのを思い描きながら接するのは止めてください!」

ポイント5
患者も医師に本音をぶつけてもいい。患者と医師の間にはどうしても距離があるんだよね。
医師は慣れちゃってるし、どうしても事務的になってしまうから、
患者のほうから受け身じゃなくどんどん本音を言って、分からない事はハッキリ聞く態度が大事。

看護婦「いろいろ気づかされました。ありがとうございました」

「偉いな、撫でてやる」と抱きしめるケン。「オレの前ではガマンするなよ」

ポイント6
言葉だけじゃなく、触れあいのコミュニケーションも大事。背中トントンだけでも不安がやわらぐってデータもちゃんとあるらしい

退院祝いでは、母と義母の対立 父と義父は飲み仲間にw 「内孫」とかって、まだまだ古いなぁ・・・
伸彦「代われるものなら代わってあげたい! 治るって信じてあげることしかできないのは辛いです」

トウコはブログに「走るのはムリでも歩いていこう。生かされるのではなく、生きていこう」

ポイント7
日記に書いて吐き出す作業もセラピーになる。状況や気持ちのモヤモヤを冷静に客観視できるし。



マキコは、乳がんと闘う女性たちの特集記事を書き始め、トウコのブログを知り、余命宣告されたことを知る。
「患者コミュニティー」っていうのもあるのね。

トウコ「もうすぐ死ぬんだって思われたくない」
マキコ「あなたが自分の命を諦められないように、親が子の命を諦められるわけないでしょう! 守ってあげなきゃって思うのが親でしょ?」
    新聞社を辞めたわ。働く親としてだけじゃなく、親として娘と向き合いたいって思ったの」
(新聞記者だけあって、正義感、倫理観をしっかり持ってるんだな

ポイント8
こういうのが病を得た理由の1つだと思う。病にもそれぞれ理由があるんだ。
本人の性格やら、人間関係のクセやらを乗り越えるため、ヒトとして成長するための。

カズ「お前、もう会社来なくていい。家でだって仕事はできる。
   まずは体のこと考えろって何回ゆったら分かってくれるんだよ。少しは肩の力抜けって」
(ヒトによっては、仕事が生きるよすがになってる場合もあるんだな

同僚「ケンさん、少しはボクも頼ってくださいよ」「たまには私たちにも助けさせてください」
カズ「焦らずちょっとずついこう」

 

トウコは小学校の担任からアイが学校で笑わず、友だちに誘われても断ってばかりいると聞いて驚く。
担任「おウチにいないといけないって・・・」

ポイント9
学校にも本当は事情を話すほうがいいのかもね。。。

トウコ「私ダメな母親だ。なんにも分かってあげられなかった」「オレも同じだよ」
トウコ「私は小さい頃から、お母さんは忙しいから余計なこと言っちゃいけないって思ってた。
    でも、話さなきゃなんにも伝わらないんだよね。アイには私と同じになって欲しくない」

アイは、マキコに「お友だちはどうやってつくるの?」と聞く。
マキコ「それはママに聞いたほうがいいわ。ママは友だちを作るのが得意だったから」

ケンが家に戻ると、マキコらと遊んで笑ってるアイがいた。それをメールですぐ伝える。
「アイは守られてる。守ってくれる人たちがたくさんいてくれる。だから頑張ろうな」

夏。ケンも余命宣告される。


●第5話 あなたたちは宝物。私の夢。家族と一緒に生きていこう
義父・泰一「医者の言うのは単なる確率でしかないんだよ。奇跡を信じてやろうよ」

髪が抜けて帽子をかぶっている2人を見て、小学校のクラスメイトから
「お前のお父さんとお母さんてがんなの? ウチのお母さんがそうゆってた」
「がんって死ぬんだよ。ボクのおじいちゃん、死んじゃったもん」と言われ、
アイは学校に行こうとすると腹痛をおこして、登校拒否になってしまう(ココロとカラダはつながってるんだよね

トウコ「私、今すごいバカなこと考えた。もし私の命が来月までなら、それまでアイとピッタリくっついていられたら、それはそれでイイのかなって」
ケン「“私は私の命を諦めない”って言葉は、オレの支えにもなってんだよ。勝手に覆すな、ばかやろう!」

 

カズ「オレだってなあ、恋ぐらいするよ!」
「誰と?」
「誰かとだよ。誰かと恋をして、それでもオレはここに来て、アイとユウと遊んで、
 あいつらが望むなら、悩みなんかも聞いてやってさ。ずっと見守っていくんだ。お前たちと一緒にだ」
(哲さんから、そんなキラキラした目で言われたら、泣くよ/涙

運動会が迫っても、登校拒否がつづくアイ。

「ママとパパはがんで死んじゃうの?!」
「世の中には、がんで死んじゃう人はいる。でも治って元気になる人もいるんだよ。だから大丈夫」
「本当に、アイが学校に行ってる時にいなくなったりしない?」

それを聞いたマキコは、「天気がいいから、3人で外行ってきなさい」とうながし、3人は海で楽しい時を過ごす。

ユウ「ユウは泣かないんだ。だってママとパパが困るでしょ?」(こんな小さい子まで!
マキコ「子どもはいっぱい泣いていいんだからね」

トウコ「こんなおせっかい焼く人だとは思わなかった」
ケン「分かんないのかもな、親の気持ちって、近すぎて」

トウコは正直にアイと話す。

「いつか天国に行くことになっても、生まれてきて良かったなあって思う。アイやユウに会えたから。
 だからアイにもいっぱいお友だち作ってほしい。
 学校にはウチにない嬉しいこと一杯あるんだよ。アイの大事な宝物になるんだよ」

ケン「でも悲しい時は今日みないに思いっきり泣いてもいいんだ。
   そしたらまたいぱい話して、一緒に考えよう」

医師「胸水がたまっているから抜かないと。抗がん剤が効かなくなってきたのかもしれません。変えてみましょう」
トウコ「まだ手はあるってことですか?」
医師「約束しましたからね。諦めないって」

トウコ「コレってなんかの罰ゲームかな? ホントはね、怖い! お母さん、怖いよ!」と母に抱きつく。

運動会。
アイはクラスメイトに「パパとママはね、がんを治すためにすごくすごく頑張ってるんだから!」

 

 

「私には夢があります。1つはホノルルマラソン。
 2つ目は夫婦2人でがんを克服して、闘病中の人たちに知ってもらうこと。
 私はこの夢を絶対叶えたいのです」

春。

 

家族が亡くなっても、仏壇とかじゃなくて、こうして写真のデコレーションや、本人の好きなモノを飾るのもステキなアイデアだね。
子どもがまだ小さいからっていうのもあるけど、別に宗教の形式とか必要ないのかも、これからは。

コメント

『キレイ 神様と待ち合わせした女』(白水社)

2014-12-26 10:33:55 | 
『キレイ 神様と待ち合わせした女』(白水社)
松尾スズキ/著

『キレイ』は、大人計画の芝居の観た中で一番好き。この間、再々演を観て、やっぱり感動した。
なのでセリフの1つ1つ、ストーリーをもっと味わいたくて借りてみた。

戯曲をわざわざ借りて読むのは初めてかも。
うしろに2000年公演の配役が書いてあって、2度目、3度目と同じ役者も多いから、舞台を思い浮かべながら読んだ。
まったくなんのイメージもなく戯曲を読むのは難しいのでは?

そいえばオペラにハマってた時、CDを聴きながら読んだライナーも戯曲と言えるのか???
小説みたく姿、性格描写もない人物がたくさん出てきて、いきなり喋られても戸惑ってしまうだろうけど、
今作はハッキリと思い浮かべることができる。

ハリコナとダイズ丸は阿部ちゃん、ジュッテンはクドカン、カスミさんはもちろん秋山菜津子さん
この芝居の中で一番好きなキャラクターは、カスミさん。
自分の「偽善」を隠すことなく、ストレートに、無邪気に、イキイキとしている。

部長がどうしてここまで女性の心情を深く描けるんだろう!?驚×∞
本でもやっぱり最後は泣いてしまう。

セリフの中には、意味が深すぎて、真意が読みとれない部分もたくさんある。
部長は、アナーキーで、パンクなイメージがあるから、その辺からきているものもあれば、
意外や意外な人間愛からきている部分もあるかもしれない。

「ダイズ兵」なんてアイデアからして、もう相当ブッ飛んでる。

全然関係ないけど、『労働者M』もWOWOWで再放送してくれないかなあ!
哲さん、キョンキョンまで出たのに、OAした当時、私のウチはまだビデオの時代で、
友だちがせっかく録画してくれたテープを、なにかのキッカケで捨ててしまったらしい。悔しすぎ

芝居も、ライヴも一過性の芸術だとは思うけど、何度も味わってみたいのもファン心理。
一度観ただけじゃ分からなかった部分、通り過ぎている部分もたくさんある。
小説や映画みたく、10年経って観直したら、ようやく分かることもあるだろう。

それで「再演」があるんだろうけど、これがいつ再演されるかは運次第だし。
たとえ同じキャスティングでも、その時代でしか醸し出せないものをもう一度観たい。
(まあ、DVDは出ているけれども


部長の書いたミュージカルってことで、歌詞もこうしてじっくり読むと、何気に韻を踏んでいることも分かった。
再演、再々演を重ねるうちに、その時代ごとの新しいギャグを入れたり(壁ドンとかw)、微妙に変えている部分もある。
それでも、この女の子の物語りは普遍的だ。

ヒロインだけじゃなく脇役それぞれも普遍的で、魅力的。
これからも、大人計画が創り出すフシギな世界をもっと体験しつづけたい。


『キレイ~神様と待ち合わせした女~2014』@Bunkamuraシアターコクーン(ネタバレ注意

DVD

【上演記録】
「キレイ ~神様と待ち合わせした女」@Bunkamura シアターコクーン(2000/6/13-30)
作・演出:松尾スズキ

【出演】
奥菜恵  :ケガレ
南果歩  :ミサ(成人したケガレ)

片桐はいり:カネコキネコ(ダイズ兵回収業者)
松尾スズキ:カネコジョージ(キネコの夫)
宮藤官九郎:ジュッテン(キネコの長男)
阿部サダヲ:ハリコナ(少年時代、キネコの次男)
古田新太 :ハリコナ(青年時代)

秋山菜津子:ダイダイ カスミ(ダイダイ健康食品の社長令嬢)
村杉蝉之介:マキシ(カスミの婚約者、マキシ兵器工場の息子)、ダイモク(弔い屋)

荒川良々 :月五郎(月五郎一家の親分)、カミ2
篠井英介 :ダイズ丸(繁殖能力を唯一持つ大豆でできた兵士)、万一(月五郎一家の手下)
田村たがめ:アイダ(ミサとダイズ丸の息子)

伊藤ヨタロウ:カミ
山本密  :マジシャン(サルタ軍傭兵)
猫背椿  :マタドール(サルタ軍傭兵)
皆川猿時 :カウボーイ(サルタ軍傭兵)

池津祥子 :コスゲ(ダイズ兵リサイクル反対運動主婦)、のぞみ(バンド・ヘビーメンスシスターズ)
宍戸美和公:テルヤ(ダイズ兵リサイクル反対運動主婦)、かなえ(バンド・ヘビーメンスシスターズ)
伊勢志摩 :谷川(バンド・ヘビーメンスシスターズ)

宮崎吐夢 :マイタケ(クマズ野戦病院院長)、黒眼鏡(ハリコナの影の手下)、ナチス
井口昇  :先輩(カネコ一家の人)

近藤和義 :ヤマギシ(カスミの侍従)
平岩加奈 :白人
森央遙  :看護婦
花井京乃助:兵士
石村美果 :いろんなところに出てる人
康本雅子 :村の人
豊川栄順 :レオナ
浅川尚志  :「隊長!」とかいう人

【スタッフ】
音楽:伊藤ヨタロウ
美術:逆柱いみり 振付:八反田リコ 照明:中山安孝 衣装:田中亜紀、戸田京子 音響:山岸和郎
舞台監督:青木義博 技術監督:眞野純 ヘアメイク:四方田公子
演出助手:坂本聖子、大堀光威 映像:奥秀太郎 ほか
楽隊:メトロファルス(田村玄一、光永巌、石坪信也、ライオン・メリィ、HONZI)

*********************************************

【内容抜粋メモ】

舞台奥の風見鶏が右を向けば未来、左を向けば過去を指しているって全然気づかなかった/驚

一番好きな歌は、カスミとマキシのデュエット(ギャッ! 検索してたら、カラオケにあった

ここにいないあなたが好き/秋山菜津子・村杉蝉之介

ゆうちゅうぶにも発見

ここにいないあなたが死ぬほど好き
私も死ぬほどここにいないから


「あなたの卑しさが羨ましいわ。柏手を打ちたいわ。
 その曇りのない卑しさ。普通に卑しい人はね、怒るの。百円あげようかって言われたら。投げてるし。
 五百円くらいあげようって言われて、やっとウッてなるものよ。じゃ、一万円あげるね」
「ありがとう」
「変わらないもの。百円と一万円の卑しさが変わらないもの。
 本当の卑しさってね、モノに順位があるってことなの。勝ち負けがあるってことなの

ここで歌われる♪海老に咬まれた 歌も笑えるw


そんなカスミの代わりにケガレが撃たれてしまい、

「ケガレに親切にしないで! 私の代わりに撃たれたのよ! 私が運ぶわ! この親切は私のものなの! 私の親切の邪魔しないで!」
「あの時、私は“損した”って言ったけど、本当は嘘。得をしたの。
 だってカスミはあの時、泣きながら、私のストレッチャーを押してくれたんだもの。まっさらのいい所だけになって。
 とにかく・・・私は、儲けたわ


キネコの選挙カーを見たハリコナ。
政治って見たことある? 誰も政治なんて見たことある奴はいねえんだ。
 俺は目の前にあるものしか信じない。例えば、今ここに猫はいないでしょ。だったら、猫は想像上の生きものにすぎない。
 ここにいない猫イコール河童だ。政治も河童だ! キューキュー! キューリくれ!」

ハリコナは、しきりに宇宙の果ての話をする。

宇宙は見えるところまでしかない/篠井英介(これもカラオケに

ゆうちゅうぶにもある

ご苦労さま 悪いけれど 宇宙は見えるところまでしかない


ケガレ「ねえ。それって、得? あんたと結婚することは、私にとって、どう得なの?」
ハリコナ「おまえは・・・もう、なんだ? 損得、損得って。世の中そればかりじゃないだろう


ケガレが歌う曲。

♪カミサマを振り切ってソトに出た
 あなたの言うとおり あっさり穢れた
 どうにもいけない 理由があって
 だから 自分をケガレと呼んで

 そのとき あたしは胸を張ろうか
 あのとき あたしは謙遜したよ
 こどものくせに 謙遜したよ
 ケガレと名乗って 謙遜したよ


ミサが歌う曲。

♪いろいろ夢見て 寝言でつむいだ
 自分の意志で 忘れたあれこれ
 まがまがしくも あの地下室で
 私は人に順位をつけて
 私は・・・食べた
 事実は事実

 そして私は 外気に触れて
 はかなく穢れた もれなく穢れた
 ソトに出なけりゃ 人は平和ね
 私の不幸は 散歩の不幸
 それでも私はソトに出て
 なぜだかそぞろに歩いて歩いて
 歩いて初めてヒトになる

 それからいろいろいろいろあって
 一人のベッドで私は目覚め
 三度目に生まれて大地を踏んだ
 やっぱり私は どうにも一人で
 足しても引いても せつなく一人で
 いろいろ負けて 記憶をたどる
 私はあそこで 誰かといたの
 思い出せない 誰かといたの


マジシャン&カミ
「グローバルに考えたまえ。おまえが一人減ることによって新しい命が生き延びるんだ。
 それはおまえが生きることとなんら変わりはない。いいか、これは種の淘汰の物語なんだ」


カスミとジュッテンの再会のシーンも好き。
カスミ「親の決めた仲でね。それくらいが丁度よかったの。わたしごときがおこがましい。
    どうせ拾った恋だとか、どうせ親が決めた恋、そうなの、どうせな恋がちょうど私サイズなの


マタドール「あんた、自分が誰から生まれたか知ってる?」
ケガレ「腐った饅頭から涌いて出たってカウボーイが言ってた。カルカン饅頭だったって」

ミサ「生きていたのよ。私の中で消してしまったはずの過去の記憶を持った私が」
マタドール「時間がズレたまま成長していたんだ」
マジシャン「途方もない罪悪感と一緒にね」

マタドール「それがわかったのは、あんたにね、初潮が来たときだよ」
ミサ「私はきっと受け入れられなかったんだ。それを」
ケガレ「・・・それを、あの子が」


少女「もう止めないわ。ソトに出たら、キレイなものをいっぱい見てね。私のことは、全力で忘れて。
   でも、この先、あなたが困ったりしたら、忘れられた時間の中で、あなたを抱きしめてあげる。
   私はいつでもあなたをよしよしってしてあげるから。
   ・・・生きてもいいよ、ケガレ。私を犠牲にして、生きなさい


少女のミサと、成人したミサの再会シーンは、何度観ても泣ける。

ミサ「もう、カミサマのふりはやめて、ミサ」

少女ミサ「私はお母さんを探していたわ。でも、光が眩しくて、なかなか見つけられなくて、もどかしかった。
     いつも私はいろんなことを見つけられない。期待と不安の中でそういうことをボンヤリ思った。それが最初の記憶」

少女ミサ「教えて。時間はたっぷりあるわ。宝物の見せ合いっこをしましょう。
     うまくいかなかったら、初めから繰り返そう。何度も一から繰り返そう。
     どうしてもダメだったら、私たちは、死のう。この地下室で潔く滅びよう。
     でも、もしかしてうまくいったら、ここからまた出て、うろうろしよう。ね。ソトでうろうろしよう」


そしてラストの曲。

♪そして名乗るよ 私はキレイ
 耐えてこもって生まれて一人
 夢見て歌うお仕着せ邪魔だよ
 誰かの努力は私の古着
 あなたの気力が私を殺す

 私は生きるよ ・・・の不在を
 選んで自由で 裸の世界
 夢見ずだまって
 静かに息して
 狂って踊ろう

 どうよ 何も変わらない
 ケガレてもまたケガレても
 百万回のキレイごとに飾られて
 私は逃げて清く切なく
 なあなあにこなす

 馴れ合うよ 自信があるよ
 あいまいに涙流して
 あいまいに明日を花で飾ろう

 だから私はとってもキレイ
 はばからないわ私はキレイ
 裸で間抜けで私はキレイ
 ケガレてケガレて私はキレイ



[部長のあとがき抜粋メモ]

「バカってなあ、空気の読めない奴のことを言うんだ」
うまいことを言う人がいましたね。
キレイごとすら言えないバカが先頭にいる国。

長さの都合上カットせざるをえなかった、ハリコナの歌。

♪だから宇宙よ見栄はるな すぐばれる
 俺と一緒に踊ろよベイベ
 あんたと俺は対等なんだから
 あんたは見える所までしかない
 そうさ あんたは見える所までしかない

コメント