メランコリア

メランコリアの国にようこそ。
ここにあるのはわたしの心象スケッチです。

カセットコンロスワンマン@西麻布 新世界

2014-12-23 23:55:57 | 音楽&ライブ
カセットコンロスワンマン@西麻布 新世界
カセットコンロス:ワダマコト(vo,gt)、アンドウケンジロウ(cl,ts)、辻コースケ(ds,ps)、田名網ダイスケ(b)
DJ:ヤス(パノラマ)、イトウダイスケ
【開場】19:00 【開演】20:00

新世界と言えば、コンロスって感じがする。
カセットコンロスワンマン@新世界 2014.4.29
CaSSETTE CON-LOS×中山うり@西麻布 新世界


今回はツインギターで、シンイチロウさん?が参加。
ワダ「メンバーに昇格したら、扱いが雑になります」w

とりあえず「メリークリスマス!を連呼してxmas感を無理やり出してたw


[1st stage]
♪インスト
♪あのこが誘ってる~(これは聴いたことある
♪ストップ、朝まで踊ろうよ~
♪これも聴いたことある。もらったCDからかなあ? ギターの難しいメロディを弾くのに苦労してた

こないだ下絵を描いていたTシャツがもう出来上がっていてビックリ/驚

ピカント訪問

2色くらいあったかな? 照明が暗いから、しきりに奥さんが照らして説明してたw

「ゆうべ、泣きながら刷りました。ロバが虐待にあってる。大急ぎで作ったので、used感が漂っています。
 ただ、カセットコンロスのロゴが入ってない。けっこう難しいんですよTシャツ刷るのって。
 アルバムより先にTシャツを作ってしまいました」
(1500円は安い! けど、ぜひ、2000円出してもコンロスのロゴ入りが欲しいです。XL以外で

♪キャロライン

先日、新世界での「吾妻光良トリオ+2 withワダマコト&アンディ(アンドウケンジロウ)」での話。

カリプソばかりを演って、カリプソのバンド名は変なのが多いという話になり、
「グローリング・タイガー」?とか「ロード・インベーダー」?とか。

吾妻「ロード・キチナーも、台所君主か?」
ワダ「それじゃ、鍋奉行と変わらないじゃないですか」

吾妻「ワダくんも“鍋奉行とカセットコンロス”って名前でやればいいんじゃない? 冬も仕事が来て」
ワダ「カセットコンロスは夏が過ぎると、パッタリ仕事が減りますからね」(そーなの?!

「バンプタケダ?というカリプソおじさんが、“キチナーは軍人の名前だよ”と教えてくれて、
 “昔、それが書いてある本をあげたのに、読んでないだろ?”と言われて、
 ついでに怒られるってゆう、一番イヤなスタイル! 吾妻さんのせいにしたら、丸く収まって。
 でも、まことしやかなかなウソもロマンがあって大好きだから、鍋奉行でもいいんじゃないか」(ワダ)
(吾妻さんとのこの2マンも見るべきだったなあ!

♪ジュリアナ
「カリプソの曲はなぜか女性の名前が多い」て話をしてたら、ギターの方が座っていて、
ワダ「喋りすぎると後でほんとに反省するんです」爆

いつも思うけど、アンドウさんの音はなんであんなに高いんだろう? カリプソの特徴のひとつなんだろうか?

♪Shame and scandal in the family
これは、震災後のバンバン主催のイベントで初めて聴いた曲。改めてコンロスのライヴを観に行きたいって思ったことを覚えてる。
ワダさんにとっても、特別な想い入れのある曲なんだ。

勝手にEXNE2@渋谷クアトロ
LIVE REPORT:DOWNBEAT DELUXE@CLUB CITTA' 2005.4.10
ちなみにカセットコンロスを初めて観たのはここ。


DJもFats Domino(出掛けに聴いてた)や、ロックステディ、カリプソももちろん、いろいろイイ曲が満載だった

今回も2nd stageの前に、辻さんの熱いソロあり


[2nd stage]
♪インスト(タイトルいつも分からずスミマセン

♪フォー・ミルス・ブラザース(♪I Ain't Got NobodyっていうMills Brothersの曲があるんだね

Tシャツが早くも完売! XLが1枚残るのみとなって、
ワダ「ジャイアンはいませんか?」
アンディ「オレが買えばいい?」
ワダ「社割にしてやる」
アンディ「社員じゃないけど」
ワダ「今日、会場の中で一番似合うと思う」w

ワダ「『カリプソ・ア・ゴーゴー』も残り少ないです。あと5枚ぐらい。
   でも、なぜか中身だけはウチから大量に発掘されたから、来年、海賊版を出します。
   環境にやさしい再生紙でジャケットだけ作って、エコロジーってタイトルで」w

「CDもいろいろ売っています。緑色は自分が演奏してて、オレンジ色は昔のオリジナルの人が演奏してる。
 分かりづらいでしょ。オレの生き方は分かりづらいんです」

WADA MAMBO


DJのイトウさんは、仕事を終えた解放感からか、ビール片手に大声を出して声援を送り、
ワダさんから「ウルサイ!」とツッコまれても全く気にせず、ステージ下で1人で応援。
(そうだった、新世界って奈落みたいな場所があるんだった/驚

ワダ「(イトウさんは)深く付き合わなければイイ奴です。愛してるよ」てw

ワダさんは、自分で創ったギターのボリュームつまみ部分を使ったピンバッヂをTシャツに着けていて、
「うるさい人がいたら、これを着けてボリュームを下げるといい。
 聞き取りにくい、声質が悪い人には“トーン”っていうのもあるので、、、」

piquant

♪マンボ・カリプソ!ってみんなで歌って楽しい曲

「昔、“レディース~”て珍しいタイトルのレコードを買って、女性ボーカルが歌っているのかと思ったら、
 全部、女性の名前のタイトル曲を全員オッサンが歌ってるっていう期待ハズレだった」て話から突然、
「大丈夫? 飽きてきた?」て言った途端、客席の照明が明るくなって笑ったw

♪メロディ
アンディとワダさんの口笛のかすれたハーモニーがよかった

♪おれたち長距離ドライバー
ババラン、ババラン?てみんなで歌って楽しい曲

♪Ah-ha
これもみんなで歌って盛り上がる



[ancore.]

♪South Africa?
ティンホイッスルの音が小さいため、「イエーイ」と言ったら、すぐフェイドアウトしなきゃならないw
ワダ「私が会った中で一番のティンホイッスラー。これまで1人しか見たことないですけど」

ひこうき
ワダさんvoc.も何度聴いてもじぃーんとする

SWEET DREAMS for fishmans

今年はこの名曲で、私のライヴ納め。来年もたくさん楽しませてくださいね~♪♪♪





追。
DJ中にツイッタを何気なく見たら、ジョー・コッカーが22日に肺がんで亡くなったことを知って、だいぶショック・・・/寂×∞


英シンガー、ジョー・コッカーさん(70)死去
いつも別れは突然やってくる...

You Are So Beautiful/Joe Cocker

コメント

フィギュアスケート全日本選手権2014 開幕SP

2014-12-23 23:55:56 | フィギュアスケート
 

全日本選手権2014 開幕SP
 

・常に世代交代のあった大会
 

 

 

 




・ジャンプは国や地域ごとに異なる~腕の使い方
 


・これからの新星たち

【女子】

・村上佳菜子
 
「今まではベテラン選手がいたけど、これからは自覚を持たなきゃいけない」


・宮原知子
 
「練習が休みの日は何をしてるんですか?」という質問に。今一番したいことは「練習」。


・本郷理華
 

長久保「今まで鈴木明子がどういう練習をしていたか思い出して、それ以上のことをやらないと
    彼女に追いつけないという気持ちになりかけていますね」


・大庭雅(19)
 


・今井遥
 
新潟で一人暮らしをはじめた


超新星現る!~樋口新葉
 
高難度の3ルッツ×3トゥーループが跳べる。これはキム・ヨナの得意なジャンプ。

 

 
「(性格は)負けず嫌いです。ぜんぶ勝ちたい!」

 
今年3月の世界選手権のエキシビションの途中で曲が止まるハプニングがあった。


・鈴木明子の分析

「(バネは)みどりさんのよう。誰にも似ていないところが逆に面白い」

[ポイント]
・トップスピードに持っていくスケーティング技術がワールドクラス
・後半でもスピードが落ちない強靭な下半身
・後半のジャンプの質が高い。無駄のない力の抜けた動き。
・ジャンプにクセがない。
・課題はエッジワークにもっと体の動きを加えること。


【男子】

・村上大介

羽生「また新たなライバルとして嬉しいなと思う。頑張れるカンフル剤になる」


・宇野昌磨
 
山田コーチの秘蔵っ子(秘蔵っ子がいっぱいいる人だねw


・山本草太(14)



・田中刑事




・その他にも期待の選手が続々

・木原万莉子
 

3万人に1人の難病「大腿骨頭すべり症」と診断され2度の手術を受けた。
「“歩けなくなるよ”と言われた時は本当に怖くなりました。2年間の闘病生活の間、家族もスケートの話題を完全に避けていた」
脚の長さが変わってしまい、ジャンプ等に支障が残ったが、2013年、全日本選手権で初出場8位、新人賞獲得。

 


・石川翔子(21)
 
都内の洋菓子店でバイトをしながら練習を続けている

荒川静香が初めて振りつけを担当した♪ミス・サイゴン プレッシャーのあまり実力が出せず後悔が残った。
2013年、現役引退を決意したが、5月に左足首骨折。「もう一度滑りたい!」という思いが強くなった。


・鈴木潤(20)
 
4年ぶりの全日本選手権へ。「全日本は応援が他の大会よりも多い特別な大会」



・羽生結弦くん
 

 


・今後の世界大会


コメント

『輝ける鼻のどんぐ』(河出書房新社)

2014-12-23 23:55:55 | 
『輝ける鼻のどんぐ The Dong with a Luminous Nose』(河出書房新社)
エドワード・リア/文 エドワード ゴーリー/絵 柴田元幸/訳

「その昔、ドングは陽気で幸せだった。
 それがある日、この地を訪れたジャンブリーの娘に恋をした。」

エドワード ゴーリーが他の人の文にイラストを描いた、『ジャンブリーズ』の姉妹作とも言える1冊。
「リメリック詩(五行脚韻詩)」で書かれた文を、柴田さんが周囲の協力を得て、格調高く訳した苦労も吐露されている

『ジャンブリーズ』エドワード・ゴーリー/絵

『ジャンブリーズ』は、リアさんの愛猫フォスに捧げられていたが、本書は、ゴーリーの愛猫3匹に捧げられている。



[あとがき抜粋]
リアは、自分を醜男と思っていた。生涯独身を通したのも、それが大きな原因と思われる。
とくに鼻が大きいことを気に病んでいた。
リアのナンセンス詩には、鼻の大きい人物が繰り返し現れる。

EDWARD LEAR

この写真や肖像画を見るかぎり、普通に見えるけれども・・・
柴田さんが説明する前に、海の波の描写には、明らかに北斎の影響が分かる/驚



[あらすじ]
あるとき、海からジャンブリーズらが現れ、ドングはジャンブリー・ガールに恋をしてしまう。


頭は緑色、手は青色のジャンブリー・ガール。
踊り明かした翌朝、ジャンブリーズらは、海のかなたに去ってしまった。



その日から、ドングはもう一度、彼女に会えないものかと、毎日、毎晩彷徨った挙句、
樹の皮を集めて大きな付け鼻を作り、頭にくくりつけ、中にランプを入れて辺りを照らし、
ジャンブリー・ガールを呼び寄せようとさ迷い歩いた。

 

人々は口々にこう叫んだ。

「ドングだ! ドング!
 さまよえるドングが森をゆく!
 ドングだ! ドング!
 輝ける鼻のドング!」




エドワード・ゴーリーカテゴリーにも追加しました。

コメント

星野道夫『Gombe』(メディアファクトリー)

2014-12-23 14:20:12 | 
『Gombe』(メディアファクトリー)
星野道夫/著・写真

図書館の写真本のコーナーで見つけて、その写真と文章に一瞬で魅入られてから、
1冊1冊噛み締めるように読んでいって、図書館にあるものは、ほとんど読んでしまった。

あとに残ったのは、遺作となった『ノーザンライツ』や、死後にまとめられた本ばかりで、どうしても、手にとる気がしなかった。
私の中では、星野さんはまだ生きていて、アラスカで暮らしている。
先日観た映像の中でも、その家はキチンと保存・管理されていて、いつ家族が戻っても暮らせるようだった。

星野さんの文章は、いつでもアラスカの季節、自分の周りが今どんな景色かを伝える文章で始まって、終わるのが好きだ。
まるで、私信でも届いて読んでいるようで、いつまでも同じ世界、同じ時間が流れているのが感じられる。

今作は、厳寒のアラスカとは真逆の、蒸し暑いアフリカで、ジェーンという自然学者とゴリラ、ヒヒとの交流を写真に撮り、文章に綴っている。
環境の差を超えて、それぞれの自然環境に馴染んで暮らしている現地の人々。
環境保護と、日々家族を支えるために生命を奪い、自然破壊せざるを得ない人たちとの矛盾。

ここにも、星野さんは、すっかり馴染みながらも、俯瞰した目を持ち、
地球上には、さまざまな価値観、暮らしがあることを伝えてくれている。

借りたのは1997/9/30発行の初版で、1冊5700円の大型本。
2ページにわたる写真などは、その場所に実際立っているような感覚になる。
なかなか買うには勇気がいる、このような本を図書館で借りて読めることは本当に有り難い/感謝×5000


【内容抜粋メモ】
 

p12.
そこは遠い大陸だった。その遠さは、できるだけ大切にしたい感覚でもあり、旅慣れなんてしたくはなかった。
世界とか、地球とかいう言葉に、無限の広がりを感じていたいのである。

さまざまな土地を訪れ、速く動けば動くほど、かつて無限の広がりを持っていた世界が有限なものになってゆく。
誰かと出合い、その人間を好きになった時、風景は初めて広がりと深さを持つのかもしれない。

子どもの頃に読んだトム・ソーヤーとハックルベリーの冒険は、アフリカの位置を初めてぼくの頭の中に刻み込んだような気がする。


p13.
私たちが知っている海の音は、本当の海の声ではないという。
浜辺に波が打ち寄せる音、船が波を切ってゆく音・・・。
気球で海原を越えながら、シーンとした静けさの中で聞いたものは、
海そのものが持つ、壮大なうねるような音だったらしい。
ぼくはその本当の海の声を、いつの日か聞いてみたいものだと思った。


p16.
チューリッヒの空港では、友人のミヒャエルと、『心の窓~チンパンジーとの三〇年』の著者ジェーン・グドールが待っているのだ。

  


p18.
日本ではあまり知られていないけれど、ヨーロッパでは、ジェーンを知らない人はいないくらい有名なのだ。



クマの巣穴から顔を出したジョン

ぼくは、アラスカの友人、ジョン・ヘクテルのことを思い出した。
ジョンはアラスカ野生生物局の研究者で、クマのフィールド調査にかけては右に出る者はいない。
ぼくは、ジョンの中のある種のアマチュアリズムが好きだった。

ジョンが欲しい古くなったぼくのカメラの機材と、ぼくが欲しいジョンのコレクションを、これまで何度交換したか分からない。
「おい、ミチオ。300ミリのレンズを探しているんだが、使っていないのあるか?」
「ああ、あるよ・・・そうだな、オオカミの頭骨ひとつでどうだ」
冗談で(だと思うのだが)、先に死んだほうが頭蓋骨をあげることにもなっている(『ツィゴイネルワイゼン』みたい


p19.
ジョンは20代の頃、ピースコアでアフリカに行っているが、オートバイの事故で九死に一生を得、
その時の大手術で脾臓を失い、もう二度とアフリカに戻ることができない。
アフリカの伝染病に対する抵抗力がないのだろう。


タンガニーカ湖をゆくバナナボート


p20-22.
この旅が実現したいきさつは、オーストリアで小さな絵本の出版社を経営しているミヒャエル・ノイゲバウアーが、
ジェーンのチンパンジーの絵本を作ったことがきっかけで、ジェーンはミヒャエルを弟のように大切にしてきた。

同様に、ぼくとミヒャエルも、同じシリーズでクマの絵本を作った時から始まっている。
それよりずっと以前から、共通の友人が日本にいることもあり、初めて会った時から親しくなっていた。

ジェーンは、1年の大半を、研究資金を集めるために世界中を飛び回っている。
ミヒャエルからの電話で
「ミチオ、絶対時間を作れ! 3人の都合がうまく合う時なんてなかなかないんだから。きっと、素晴らしい旅になるぞ!」

誰にも、思い出を作らなければならない「人生のとき」があるような気がする。
わずか10日ばかりにすぎない旅だが、1日1日が珠玉のような大切な時間なのだ。


p23.


飛行機で旅をする時、ぼくは夜行便が好きだった。
眼下を見下ろしていると、凍てついた山々や氷河の陰影がくっきりと浮かび上がっている。
そんな中に、時折り、ポツンとかすかな灯を見ることがあった。
誰かが原野で暮らしているのだ。そう思うと何だかひどく切ない気持ちになって、いつまでもその光から目が離せない。

原野に浮かぶ光にも、大都会を埋め尽くす夜景にも、ぼくは同じような愛しさを感じていた。
それは人間の営みが抽象化され、私たちの存在がひどくはかないものに見えるからかもしれない。


p26.
20代から三十数年の歳月をアフリカで生きたジェーン。

  

風景とは、人の思い出の歴史のような気もする。
風景を眺めているようで、私たちは自分も含めた誰かを思い出しているのではないか。
それぞれの人間にとって、同じ風景がどれほど違って映るものなのだろうか。

チューリッヒの空港で、どこか場違いだったジェーンの姿も、アフリカの風景の中に溶け込んでいる。
私たちは、誰しもいつの間にか風景さえ背負い込んで生きているのだろう。


p28.
タンザニア人でごった返す風景を眺めながら、この大陸が抱える悲劇性をふと思った。
が、アウトサイダーが決めつける客観的な悲劇性と、そこで日々を生きる人々の想いは必ずしも重ならない。
「過酷な自然の中で生きるエスキモー」と私たちが思う時、「過酷な自然」と感じながら生きているエスキモーは、おそらくひとりもいない。
きっと、なんと豊かな世界に生きている、と思っているだろう。

見知らぬ異国にやって来て考えることは、そこで暮らす人々と自分の埋めようのない距離感と、
同じ時代を生きる人間としての幸福の多様性である。

どれだけ違う世界で生まれ育とうと、私たちはある共通する一点で同じ土俵に立っている。
それは、たった一度の一生をより良く生きたいという願いなのだ。

とてもひと言でくくることのできない現実の多層性というものである。


p29.
現在のマイナスの状況さえも、次の新しい時代を獲得するための通らなければならない道かもしれないのだ。

カリブとは、スワヒリ語で「ようこそ」という意味。

人の暮らしも、風が運ぶ匂いも、幸福のあり方も、また違って見えた。
旅とは、今自分がいる場所を確認しにゆく作業なのかもしれない。


p32.


殺風景な部屋にかけられた1枚の写真には、タンザニア政府の要人たちの中に立っているひとりの白人がいた。
ジェーンの2番目の夫、デレック・ブライソンに違いない。

デレックは、第二次大戦中、英国空軍のパイロットで、数ヶ月勤務しただけで、中東で撃墜されてしまう。その時わずか19歳。
脊椎に損傷を受けたが、ハンディを克服した。

デレックはアフリカ民族主義運動に加わり、新生タンザニアに力を尽くし、農業大臣となり、ジェーンと出合った。
ジェーンは、タンザニアでは「ママ・ブライソン」と呼ばれている。
泥棒の多いこの町では、すべての大きな家に見張りとして門番が雇われているが、
ジェーンの家だけは泥棒さえも敬意を払っているという。


p34.
デレックは結婚してわずか5年後に癌で亡くなった。


p35.
「アラスカの蚊は、ただ痒いだけ。何の病気もないんだよ。ヘビや毒虫もまったくいないんだ」


p42.
裸足で遊び回る子どもたち・・・アラスカであれ、アフリカであれ、それぞれの運命の中で生きる人間の風景は、いつもぼくを励ましてくれる。


p44.
生きるために森を切り開かなければならなかった人々にとって、
なぜチンパンジーのために森を守らなければならないのかを理解することは難しかったに違いない。
アフリカにおける人間と自然との関わりは、他の世界に比べ、より切実な気がする。

以前、密猟のフィルムを見たことがあった。
絶滅の危機に瀕するシロサイをオーストラリアへ運び、いつかアフリカが安定するまで、種の遺伝子を守ろうとするプロジェクトだった。
計画は失敗するのだが、アフリカ人の密猟者の獄中でのインタビューで、
1頭のシロサイの角を白人に売れば、家族を何年間も養えるというのだ。
なぜ生命を賭けてまでも密猟をするのか、そのわけが少し分かったような気がした。


p51.

問題児フロド

「フロドは、ゴンベの森でこれまで最大のチンパンジーだ。立ち上がると、ほとんど人間と同じ大きさだ。
 ということは我々の5~8倍の力を持っているということだからね」

もしフロドを動物園に送ったならば、ゴンベの森の未来へつながっても、
それはジェーンが目指してきた自然と人間の関わりに相反することである。


p61.
ジェーンが最後にゴンベの森を訪れてからもう半年以上が経っていた。
資金集めや講演のため、彼女の生活は旅の連続だ。
「この9年間で1ヵ所に留まったのは、長くて3週間なの」と言う。

今回の短い旅でジェーンがどうしても会いたかったのがフィフィだった。
フィフィは、ジェーンが35年前にゴンベで研究を始めた時に出合ったチンパンジーの中でただひとりの生き残りである(フロドの母親




p68.
夕方、キャンプに戻ると、私たちは素っ裸になって、タンガニーカ湖に飛び込んだ。
世界で2番目に深いこの湖が私たちの水浴びをする場所だった。
今はもうワニの心配はないが、危険なのはウォーターゴブラ。命を救える血清がない。

タンガニーカ湖は、世界でもいちばん大きな、汚染されていない湖水だと言われている。


p71.
ジェーンがチンパンジーの調査のためゴンベの森へやって来た時、
彼女は生物学のバックグラウンンドを何も持っていなかった。
その後ケンブリッジ大学で博士号は取ったが、彼女をずっと支えてきたものは、
卵を産むメンドリをじっと見つめていた5歳の頃の自然への想いではないだろうか。


ザイールのハンターが捕らえた孤児のゾロとミチオ


p74.
ぼくが子どもの頃に頭を悩ませていたのは、北海道のクマの存在である。
自分が日々、町の中で暮らしている同じ瞬間に北海道でクマが生きている。

その不思議さは、自分の存在が消えてしまうとさらに不思議なのだ。
つまり、クマと出合うのではなく、その風景を天空から見ている自分を考えることで、
人間のいない世界に流れる自然の気配を想像する不思議さである。

それはすべてのものに平等に同じ時が流れている不思議さだった。


p75.
今振り返ると、子どもの頃に抱いた何でもない想いが、どこかで自分をアラスカへと運んで行ったような気がする。
子どもの頃に少し引っかかったこと、漠然とした想いが、その人間の人生を決めてしまうことがあるのだ。


P78.
 

タンガニーカ湖にはダガーというイワシ類が生息していて、漁民は夜間に船を漕ぎ出し、ランプの明かりで群れを集めて、網ですくいとる。

ぼくは網をつくろう若者に「ジャンボ!」と声をかけ、彼もまた「ジャンボ!」と笑みを返してくる。
どんな人生を送ってきたのか、どんな夢を抱いているのかも知らぬ人間同士が、ふと、お互いの人生の一点で交錯する。
その一瞬は考えてみると、かぎりない不思議さをも秘めている。


p84.
ジェーンのスケジュールは信じ難い。時には1日に4、5件も講演や会議をこなすという。
それなのに、1993年には研究所が破産寸前の状態にあったというのだ。


p87.
ゴンベ周辺に暮らす人々は、ハ族、ルンディ族、ベンベ族に分かれ、農耕、漁業で暮らしを立てている。
けれども、大きな漁船がタンガニーカ湖に入るようになってからは、魚がずいぶん少なくなってきたとも聞いている。

エスキモーやアサバスカンインディアンなど、アラスカ先住民の暮らしは急速に変わっていても、
彼らを包み込む自然は太古の昔と何も変わってはいない。
彼らはピラミッドも神殿も建てはしなかったが、自然を変えなかった。
狩猟民が持つ自然観は、私たちが失ってきたひとつの力である。


p96.
ゴンベの森は、わずか50平方kmというタンザニアで最小の国立公園。
チンパンジーの保護区は、三方が村や畑で囲まれ、もう一方の境界は1000人を超える漁師が野営する湖岸なのだ。

1960年、ジェーンがゴンベにやって来なければ、チンパンジーは生息地を失っていたことは間違いない。
当時、住民の間で森を開墾できるように保護区の指定を解除してほしいという動きが持ち上がっていたのである。


p100.
ジェーンから「今何をテーマに撮っているか」を聞かれて、なるべく丁寧に答えようとした。

「バッファローとともに生きていたアメリカインディアンの世界が、もう遠い昔に消え去り伝説となってしまった。
 この100~200年で、かつて人間が持っていた、そこに立ち尽くしてしまうような畏怖や神秘を感じる自然を、
 ものすごいスピードで失ってきたような気ががするんです。
 もっと早く生まれてくれば、という想いがいつもどこかにありました・・・」


p101.
ツンドラの彼方に1頭残らず消えてゆくカリブーの大群を見ていると、この自然がいつまでも変わらないようにと祈りながら、
同時にひとつの時代を見送っているような悲しさもありました。
北極圏の油田開発がこの土地を脅かしつつあるのです。
でも、とにかく、自分は間に合ったと思いました。
新しい時代を迎える中で、カリブーや極北の狩猟民はどうなってゆくのか、人間はどんな選択をしてゆくのか、とても興味があるのです。


p104.
昔、タンガニーカのオルドバイ峡谷で、ルイス・リーキー博士の発掘作業に加わったことがあったの。
彼は人類学者で、古生物学者で、セレンゲティにいた先史時代の生物についてずっと調査し、あの有名な猿人の頭骨を発見したの。


p105.
私はまだ若く、アフリカにやって来たばかりで、何か動物に関わる仕事を探していた。
リーキーとの出合いは私の一生を変えていった。あの日々は忘れられない。

仕事後、散策していたら、背後に1頭の若いオスライオンが十数メートルの近くで私たちをじっと見つめていた。
友だちは草むらに隠れるようにと言ったけど、私はこのままゆっくり進むべきだと思った。
ライオンは100メートルほど後をついてきて、わたしたちが谷を下りて平原を上っていくのをじっと眺めていたわ。
あの時のことは、今でも思い出す。

ひとりの人間の一生の記憶の中で、光を放ち続ける風景とは、一体何なのだろう。
忘れ難い思い出がうそのように遠く去り、なんでもない一瞬がいつまでも記憶の中で生き続けることが、きっとある。


p107.
ルイスは、タンガニーカ湖のほとりに住む野生チンパンジーの暮らしを知ることが私たち人間自身を知るきっかけになるだろうと説く。

人と人が出合うということは、限りない不思議さを秘めている。
あの時、あの人に出合わなかったら、と人生をさかのぼってゆけば、
合わせ鏡に映った自分の姿を見るように、限りなく無数の偶然が続いてゆくだけである。
が、その偶然を一笑に付するか、何か意味を見出すかで、世界は大きく違って見えてくる。

彼女はまさか自分の生涯をここで費やしてしまうとは想像しなかったに違いない。
ぼくは、それぞれの人間がたどり着く、たった一度の人生の不思議さを思わずにはいられなかった。


p111.
「フロドはいい子だよ。ただジェーンと遊びたがっているだけなのさ」

「昔はもっとずっと森が続いていて、天気も違ったな。今よりずっと雲があって、霧があった・・・」

私たちはある風景に魅かれ、特別な想いを持ち、時にはその一生すら賭けてしまう。
風景とは、ひとつの山であったり、美しい川の流れであったり、
その土地を吹きぬけてゆく風の感触かもしれない。
人間がどれだけ想いを寄せようと、相手はただ無表情にそこに存在するだけなのだが・・・。
私たちの前で季節がめぐり、時が過ぎてゆくだけなのだが・・・。


p116.

いったん怯えて姿を消していたフィフィにジェーンは、最後の日に再会する。


p117.
ジェーンは、デレックの死後、しばらくの間、ゴンベの森に引きこもって、
データもとらず、ただチンパンジーと一緒にいるだけの時を過ごした。
そうして精神が次第に回復するにつれ、チンパンジーとこれまで以上に直感的に感じ合えるようになり、
自然界の波長に自分自身の波長を合わせて感じとれるようになったのだという。




p124.
ナイロビの町は、まるでヨーロッパのようだった。ホテルはセレンゲティへサファリツアーに行く観光客でごった返していた。
ナイロビでのジェーンの仕事は、新しくできたチンパンジーの孤児のための保護施設を見に行くことだった。

ジェーン・グドール研究所は、野生のチンパンジーだけでなく、動物園や研究施設に飼われているチンパンジーの待遇改善にも取り組んでいた。
そして今、母親や仲間のチンパンジーから引き離されて行き場を失った子どもたちのためのサンクチュアリを作る計画も進められている。

孤児の多くはザイール東部で生まれ、母親が撃ち殺された後、ブルンジに密輸入された哀れな子どもたちで、
その後、孤児は施設で引き取られ、2つのグループに分けてスウィートウォーターズに輸送された。

最後の夜、友人宅に夕食に招かれて、ジェーンは少し「ルーツ・アンド・シューツ(根っこと新芽)」の話をした。
それは、子どもたちと若い世代のための、自然の理解、未来の人間と自然との共生への正しい道の模索を呼びかける活動で、現在、世界30カ国以上で展開されている。
私たち一人ひとりが一生において果たす、それぞれ大切な役割を持っていて、
もしそうしたいと思って努力をすれば、この世界をほんの少しずつ良い方向へと変えることができるという願いだった。

 


[ジェーン・グドールの著書]
・『野生チンパンジーの世界』(ミネルヴァ書房)
・『森の隣人~チンパンジーと私』(朝日選書)
・『心の窓~チンパンジーとの三〇年』(どうぶつ社)
・『チンパンジーの森へ』(地人書館)


本書の原稿は、星野氏がカムチャツカ撮影行に旅立つ前日、1996年7月21日に脱稿した。
※本文中のザイールは、1997年コンゴに変わった。


[ジェーンあとがき~ミチオがそこにいるだけで]


過酷なハイキングの仲間は他に4人いたが、ミチオは決して誰にも、重い荷物を運ぶ手伝いをさせなかった。

ゴンベには、3つの群れをなす合計約150のチンパンジーしかいない。
浜辺に住む人間の急速な増加と、農地の拡大により、他のチンパンジーからかなり隔離された状態にある。
そのために遺伝的変異が充分にないので、ゴンベのチンパンジーの長期的存続は危ういと思われる。
しかし、公園内の不法伐採はなく、密猟もほとんどない。



アフリカの他のチンパンジー生息地では事情は異なり、チンパンジーが次々に姿を消している。
理由は、人間の領域の激増、製材業者による大規模な伐採、食料またはペット市場に出す目的で行われる子どもの捕獲などだ。

著名な野生生物写真家のミチオがゴンベに来ると聞いて、私は大喜びした。
彼ほどの力量の写真家が強い関心を持って関われば、必ず野生チンパンジーの助けになると感じたからだ。

ミチオがそこにいるだけで、あたりは穏やかで優しい雰囲気に包まれた。
チンパンジーはミチオのそばでは、いつもリラックスしていた。こんなことはあまりない。
動きの激しい人や、声の大きな訪問者がいると、チンパンジーは緊張する。
なによりもミチオは、チンパンジーに敬意を表し、そのことを彼らは直感でわかっていたのだ。

 

ミチオの死を、私はまったく信じられない思いで聞いた。
彼はあまりにも生きる喜びにあふれていた。

いつの日か、アラスカへ行ったなら、そこでミチオの存在を強く感じるだろうと信じている。
そして、ほんのわずかでも彼の魂がゴンベにも残っていると思いたい。
ミチオは、いつか再びゴンベでチンパンジーと一緒に過ごしたい、写真も撮りたいと語っていたので。

1997/1/7


[ミヒャエル・ノイゲバウアー~ミチオが撮るもの]
初めてミチオの写真を見た時、この写真家はなにか違う、
あわただしく短期間で目的を達成しなければならない写真家の写真とはなにか違う、と感じた。
ミチオはまず、大自然とその創造物に畏敬の念を抱いた。

心を打つ「時と場とその空気」をミチオは撮影した。
謙虚に、根気よく、なにも乱さずに、自分自身その一部になって。
そうすることの喜びが彼の表情にあふれていた。

ミチオはまた、この世を信じられないほど美しい世界にできる、隠された小さな宝を見出す名人だった。
決して消え去ることのない大切ななにかを教えてくれた、ミチオ。
そして、あの笑顔。ミチオを思うたびに、あの笑顔が浮かぶ。

1997/2/14 ゴンベにて




[青木久子(絵本コーディネーター)~はるかなる旅]
ミヒャエルに会ったのは、二十数年前、フランクフルトとボローニャの国際書籍見本市
星野さんとの出合いは、1987年、神田のそば屋だだった。
私もゴンベの旅に一緒に行く予定だったが、阪神淡路大震災で断念した。

1996年8月8日の夜。電話で悲しい知らせを聞き、頭が混乱して、なにがなんだかわからなくなった。
しばらくすると、ああ間に合って良かったという思いがわいてきた。

星野さんは結婚前、仕事がうまくいっても「なにか大切なものが欠けているんです」と、とても寂しそうだった。
それが、良き伴侶、直子さんを得て、翔馬くんが誕生。
星野さんは、自分がいなくなる時に、写真のフィルムは1枚も残らなくてもいい、家族がいれば、という意味の文をどこかに書いていた。

ずっと前に星野さんは、はるかなる旅に出発していたのだと思う。親友を山の事故で亡くした学生時代に。
あの事故の後、1年近く思い悩んだあげく、自分を解き放ち、大きな流れに身を任せ、
なにも思いわずらうことなく、一瞬一瞬を心のままに生きていた。
だからこそ、あのような写真、あのような文章が残されているのだと思う。
そして今も、星野さんははるかなる旅を続けている。

くり返し、くり返し、星野さんが書いていた「生きるものと死すものとの境は、一体どこにあるのだろう」という思いが、私の頭の中をめぐる。

1997/5/11




コメント

星野道夫さんまとめ

2014-12-23 13:58:21 | 
妻の直子さんが編集した道夫さんの主な著作メモ(★は既読、ブログにあり

★グリズリー アラスカの王者 平凡社 1985
×アラスカ 光と風 六興社 1986(絶版。福音館日曜日文庫と同じ?
★ムース 平凡社 1988
★アラスカたんけん記 福音館書店 1990
★Alaska 風のような物語 小学館 1991→大型本にて一時返却
★Alaska 極北・生命の地図 朝日新聞社 1990
★イニュイック(生命) 新潮社 1993
★アークティック・オデッセイ 新潮社 1994
★アラスカ 光と風 福音館書店 1995
★旅をする木 文藝春秋 1995

★森へ 福音館書店 1996
★ナヌーク贈りもの 小学館 1996
★森と氷河と鯨 ほたるの本 ワタリガラスの伝説を求めて 世界文化社 1996

ノーザンライツ 新潮社 1997 遺作(図書館にあり
★GOMBE メディアファクトリー 1998
★クマよ 福音館書店 1998
★星野道夫の仕事(全4巻) 朝日新聞社 1998
長い旅の途中 文藝春秋 1999
アフリカ旅日記―ゴンベの森へ メディアファクトリー 1999

★Michio's Northern Dreams(全5巻) PHPエディターズ・グループ 2001
星野道夫の世界 日本通信教育連盟 2002
★Alaskan Dreams(全3巻) 阪急コミュニケーションズ 2002
星野道夫著作集(全5巻) 新潮社 2003
魔法のことば 星野道夫講演集 スイッチ・パブリッシング 2003
アラスカ永遠なる生命 小学館文庫 2003
ぼくの出会ったアラスカ 小学館文庫 2004
未来への地図 朝日出版社 2005
LOVE in Alaska 星のような物語 2006
カリブー 極北の旅人 新潮社 2009
こだわり人物伝 2010年8・9月 植村直己 NHKテレビテキスト 知楽遊学シリーズ


★星のような物語 DVD



【ブログ内関連記事】
『森へ たくさんのふしぎ傑作集』
『Gombe』(メディアファクトリー)
『アークティック・オデッセイ 遙かなる極北の記憶』(新潮社)
『ノーザンライツ』(新潮社) vol.1
『ノーザンライツ』(新潮社) vol.2


『アラスカの詩 めぐる季節の物語』
『アラスカの詩 極北に生きる人びと』
『アラスカの詩 アラスカの詩『夢を追う人』

Alaskan dream 1 『星の物語』
Alaskan dream 2 『風の物語』
Alaskan dream 3 『愛の物語』

『星野道夫の仕事 第1巻 カリブーの旅』
『星野道夫の仕事 第2巻 北極圏の生命』
『星野道夫の仕事 第3巻 生きものたちの宇宙』
『星野道夫の仕事 第4巻 ワタリガラスの神話』

『Alaska 風のような物語』
『旅をする木』
『アラスカ 光と風』
『イニュニック 生命』
『アラスカ 極北・生命の地図』(朝日新聞社)

『アラスカたんけん記』
『ナヌークの贈りもの』(小学館)
『ムース』
『グリズリー アラスカの王者』
『森と氷河と鯨 ほたるの本 ワタリガラスの伝説を求めて』
『クマよ~たくさんのふしぎ傑作集』星野道夫
未来への地図 朝日出版社 2005


Michio's Northern Dreams 1『オーロラの彼方へ』(PHP文庫)
Michio's Northern Dreams 2『ラブ・ストーリー』(PHP文庫)
Michio's Northern Dreams 3『最後の楽園』(PHP文庫)
Michio's Northern Dreams 4『森に還る日』(PHP文庫)
Michio's Northern Dreams 5『大いなる旅路』(PHP文庫)
『Michio's northern dreams 6 PHP文庫 花の宇宙』(PHP研究所)

『カリブー 極北の旅人』(新潮社)


『星野道夫と見た風景』(新潮社 2005)
『NHKテレビテキスト 知楽遊学シリーズ 植村直己』 9月 星野道夫


星のような物語 DVD


星野道夫写真展 『アラスカ 悠久の時を旅する』


【映像】

父と子のアラスカ 星野道夫 生命の旅@BS1スペシャル


コメント

ドラマ10「さよなら私」

2014-12-23 13:10:44 | ドラマ
ドラマ10「さよなら私」(2014年10月14日~12月9日)
脚本:岡田惠和
主題歌♪おんなじさみしさ/平井堅
挿入歌♪Love is…/Olivia Burrell

出演:
星野友美(41):永作博美
早川薫(41):石田ゆり子
三上春子(41):佐藤仁美

星野洋介:藤木直人
星野健人:橋來
三上光雄:尾美としのり ほか
遠山冬子:谷村美月
吉澤弘子:りりィ

「あさイチ」に永作さんがゲスト出演して、ドラマの番宣をして、ドラマ10シリーズはいつも見応えのあるものばかりだから、
きっと泣ける話だろうなと思って予録して、今ごろまとめ見。
もともと連ドラを見る習慣がないから、全話録画して、観たいタイミングで一気に観るほうが好きなんだよね

意外にSFだし、題材もがん、家族、不倫と連ドラにありがちだし、
乳がんだって、早期発見ならちゃんと治る病気だと、希望のある闘病話にしてほしかったってのもあるけど、
なんだかんだ見入ってしまったのは、出演者の演技力か。

まったく対照的な性格の2人の体と心が入れ替わり、しかも元々三角関係で、遡ればややこしい親友同士で、
それぞれの真逆の生活を続けるうちに慣れてきてから、また元に戻るっていう、なんとも難しい役どころを演じ切った2人の女優さんがスゴイ。

尾美さんが、またいい味出してるなあ。階段落ちして、体と心が入れ替わるって、まさに大林監督映画の『転校生』じゃん!
それつながりで出てたのかな?

藤木さんは、『ホタルノヒカリ』の部長役のイメージで定着してたから、
今回の、クールで、フシギな理論を持っている役は、まったく別人に見えたほど/驚

キャリアウーマンvs主婦。
女の人生の分かれ道の典型だけど、どっちを選んでも苦労と幸せは半分半分。
選んだのは自分で、本当はいつでも選び直すことはできるんだけどね。


【内容抜粋メモ】(ネタバレ注意

●第1回 彼だけはやめて
星野友美(41):都市計画の仕事をする優しい夫・洋介、賢い男の子・健人と、誰が見ても幸せな家庭の主婦だったが、セックスレスに悩んでいた。
早川薫(41):映画プロデューサーとして、苦労して今のポジションを勝ち取った仕事人間。洋介を友美の夫と知らずに不倫していた。マンションで一人暮らし。結婚する気はない。
三上春子(41):高校時代から目立たないが、明るい性格で、おっとりした友美、きつい性格の薫の間をとりもつ役。今は2人の男の子の母。
春子の夫・光雄は、控えめな性格で、足の不自由な冬子と不倫している。

同窓会で数年ぶりに会った親友3人。春子は夫が静岡から東京に転勤になり、引っ越してきたからいつでも会えると大喜び。
二次会でも昔を思い出す3人。

トモミ「穏やかに歳をとっていきたい。誰かと比較したり、ねたんだりする人生はイヤなの」
優等生タイプなのは、厳しい母の教育のせい。

カオルが何気なく「健人は、トモミの髪をつかんで寝るんでしょ?」と言ったが、誰にも話していないため、夫との仲を疑うトモミ。
勘の通り、洋介がカオルの家に入るところを見てしまう。

高校時代、カオルといつも一緒にた階段の上で問い詰める。
「洋介だけは止めて。羨ましくて奪ったんでしょ?」
「一人の男として好きなの。洋介のほうから誘ってきたのよ。家庭を壊すつもりはない」

トモミはカッとなって揉み合いになり、階段落ちして気づいたら、2人は体と心が入れ替わってしまった。
そのまま仕方なく、健人を迎えに行くトモミ(中はカオル)。
カオル(中はトモミ)は洋介から「会いたい」とメールが来て、断れなかった。

(あんな長い階段から落ちたのに打撲もないなんて・・・



●第2回 認めたくない喜び
カオル(中はトモミ)「なんで私が一人ぼっちにならなきゃいけないの?」
トモミ(中はカオル)「このポジションに就くまで私は必死でやってきた。失業させないでよ。健人は命懸けで守るから」

冬子は、喫茶店の仕事を辞めて、ミツオを追いかけて東京まで来た。

 

それが嬉しくて、一人でにやけて飲んでいたら、洋介と知り合い、
「お互い他人同士なんだから」と不倫のぶっちゃけ話で盛り上がる。



●第3回 秘密
トモミ(中はカオル)の髪をつかんで眠る健人に「いいね、君は掴まるものがあって」

冬子の家にいりびたるミツオに、家族の温かみを思い出させようと、ハルコはトモミの家でホームパーティを開く計画を立てる。
そこで、ミツオと洋介はバッタリ会ってビックリするが、初対面を装う。

だが、カオル(中はトモミ)は、耐え切れずに途中で家を出る。
カオル(中はトモミ)「なにしっかり母親になってるの!? 楽しんでるでしょ、今の生活」
トモミ(中はカオル)「健人のこと愛してる。でも自分のコじゃない。その気持ち分かる!?」

大ゲンカをして、互いに「絶対見ないで」と約束しあった箱を開けると、高校時代の思い出のハンカチが入っていた。
高校の時、第一志望に落ちて絶望し、登山で迷った時、自殺しようとしていたトモミをカオルが助けた。
カオル「これまでこんなこと言ったことないんだけど、私の友だちになってくれない? 友だちがいれば乗り越えられるでしょ、大抵のことは」
トモミ「いいよ」



●第4回 別れの予感
トモミ(中はカオル)は、健康診断に行って結果を聞き忘れていたため、病院に行くと末期の乳がんだと言われる。

ミツオは洋介にハルコに不倫がバレたと相談する。
洋介「とるべき方法は3つ。1.ハルコをとる。2.フユコをとる。3.どちらも失う。
   楽しいだけの時間は終わったんですよ。僕は覚悟を決めてます。ジタバタするの嫌いなんですよ」

ハルコは2人に相談する。
「私、自分が選ばれる自信が全然ない。きっと相手の女性は自分より若くて美人にきまってる」

1年前、洋介はカオルに言った。「トモミにセックスは似合わない。家ではちゃんとしていたいんだ」
トモミ(中はカオル)「イヤな女だな、私。勝ったような気でいる。これは天罰なの?」
「もし、私がいなくなったらどうする? 洋介は大丈夫だよね。でもケントには母親が必要だよね」

カオル(中はトモミ)は、トモミ(中はカオル)に、また同じ階段から落ちたら元に戻れるんじゃないかともちかける。
トモミ(中はカオル)は、一度、流産し、子どもが産めない体になったと打ち明ける。
「母みたいに子どもを捨てるような人になりたくないって思っていたのに、流産した時ホッとした天罰」
乳がんのことを話し「あなたの体と、私の心は死ぬのかもしれない」


●第5回 罪と罰
高校の「生活発表会」で、カオルは王子と姫が入れ替わってしまうストーリーを書いた(たくさん伏線があるねえ
王子「私は彼女を必ず守る。あなたのためなら死んでもいい!」というセリフを今でも守ろうとしているカオル。

カオル(中はトモミ)「勝手な思い込みで私の体を殺さないでよ。泣けばいいじゃない。誰だって怖いに決まってるよ!」
トモミ(中はカオル)「怖いよ。助けてよ」
カオル(中はトモミ)「カオルがこの世にいなくなったらイヤだ。がんばろう一緒に」

カオル(中はトモミ)は、久々、母を訪ねる。母はカオルも嫌っていた。カオルの母はカオルを捨てて出て行ったから。
「もうあんなコと付き合うなってゆったら、今度悪口を言ったら二度と口をきかないなんて言ったわ。
 私は私なりに愛していたけど、厳しくしすぎてしまった。私の仕事だと思って。一人よがりの子育ては失敗だった。
 あのコをよろしくね。私に似て誰にも甘えられないのよ」

(この年代の母と娘の確執って、みんな同じだなぁ・・・

ミツオはまた洋介に相談する。
洋介「修羅場になってから出す答えは冷静じゃない。後で絶対違和感が残る。だからそうなる前に決めておいたほうがいいですよ」

乳房の切除手術しかなくて、ハルコにも話す。「私たち、みんな一生懸命生きているのにね」
(マンモグラフィーもイヤだし、MRIのあのガッタンガッタンって爆音はどうにかならないものかねえ・・・

トモミ(中はカオル)「もし、私が死んだら、すべてを話して、洋介の奥さんになって。ケントのママはあなたなんだから」

カオル(中はトモミ)の家に来た洋介に、トモミのがんの話をしてしまう。
「なんで、そんなに余裕のある顔してるの? 不倫がバレるのも想定済み? 世界はすべてあなたの想定ないじゃない!
 あなたに言わないのも、教える価値もないサイテーの夫だからじゃないの!?」


●第6回 ママになりたい
慌てて家に戻る洋介。
トモミ(中はカオル)「カオルに聞いたの? お遊びは終わり? そう言ってあなたを送り出した女の気持ち考えた?」

両親のケンカを見て、不安になっているケントを元気づけるために、幼稚園をサボって海に連れて行くトモミ(中はカオル)。
温泉旅館に泊まって、カオル(中はトモミ)も呼ぶ。

「私、言いたいんだ、あのコに病気のこと。トモミも言ってたじゃない?
 産んだから母親になるんじゃない。母親になろうと努力したからなれるんだって。
 私、ちゃんとあのコの母親になりたい。見届けてほしいの」



ケントに話し、洋介、カオル、トモミの3人で話し合う。

洋介「2人とも愛してる。君たちには僕には分からない絆がある。カオルにトモミを支えてほしいんだ」

手術当日。カオル(中はトモミ)「悪くないおっぱいだったよね」(乳房を残す選択はしなかったのかな?



●第7回 女と男
トモミ(中はカオル)「このままだとしたら、私はケントの母として暮らす。あなたは洋介と暮らす、女として。私は母になって、あなたは女に戻る」
その決断を洋介に話すと「それが君たちが幸せになる道なら」と納得する。

ハルコはミツオから別れ話をされる。「子どもは私に押しつけるワケ?」
実際、フユコと暮らし始めると、今度は家庭が恋しくなるミツオ。

 

ミツオ「どっちを選んでも地獄なのかもしれませんねえ、不倫なんてものは」
洋介の状況を聞くと「なんだかフランス映画みたい。僕なんかにはさっぱり分からないって意味で」
洋介「翻弄されたくないから、全部受け入れて、楽しもうと思って」

フユコの誕プレに、洋介から教えてもらった高級レストランに行くと、ハルコ、カオル、トモミの3人とバッタリ会ってしまう。
ハルコはフユコに「旦那なんかあなたにあげる」と言い放つ。

ハルコ「私はいつも2番目。それでいいと思ってた。私がこの男を選んだのは、私より冴えなかったから(w
    夫にとって私は女神だった。そうじゃなくなったら意味がない」

フユコ「私も同じです。この人なら自分を大事にしてくれると思った。この人には次はないから。
    事故で足を悪くしてから自信をなくして、最初に奥さんを見に行って負けないと思った。油断全開だったから。
    でも、転勤で別れを告げられた時、今までの時間を返せ!と思いました」

ハルコ「しっかり介護してあげてね。古くなって返品されても困るから」

トモミ(中はカオル)の検査結果は転移が見つかり「ステージ4」だった。「私、死ぬみたい・・・」



●第8回 誰のための命
トモミ(中はカオル)「私だって、誰かのためになんて死にたくない。でも、あなただけは別なの。
           あの時、友だちになってくれて本当に助けられたのは私なんだと思う。あなたがいたから生きてこれた」

みんなを集めて、トモミ(中はカオル)は、「みんなで一緒に暮らそう!」と提案する。

洋介「軽蔑してますよね、僕のこと」
ハルコ「前だったら不倫って間違ってるって思ってたけど、旦那は悪い人ではない。どうにもならないこともあるんだなって。
    こうして周りを見てると、みんな幸せそうで、なんの悩みもないみたい。
    トモミに不幸は似合わない。それにカオルが心肺。双子みたいなものだから。男のことなんか関係ない。だって親友なんだから!」

ハルコは、ミツオの子どもを妊娠していることに気づく。

トモミ(中はカオル)「生まれる命があるのは、嬉しいよ
カオル(中はトモミ)「死ぬのが前提みたいに言うのは止めて! 私はカオルなんかじゃない! 自分に戻りたい!
           どんな人生でも、自分で引き受けたい。じゃなきゃ生きてることにならない

翌朝、起きると2人は元に戻っている。



●最終回 幸せな家族
それぞれの生活に戻り、実家にもトモミとして帰り、がんのことを母に話す。

母「親不孝ね。親より先に死ぬなんて」

トモミ「私、お母さんのことキライだった。厳しくするのは愛情だって分かってたけど。
    期待に応えられずに逃げた。カオルみたいになりたいと思った。辛くてもウジウジしないで生きられる人。
    でも今度は逃げなかった。だから、最後に褒めてください。よく頑張ったって。お願い

(私も“褒めてほしい”と話したな。でも、なんだかんだ説明しても、母親には理解できないんだ。でも親子の愛情は変わらない

 

トモミは車イス生活から、抗がん剤の副作用による脱毛、そして自宅介護へと移っていく。ケントに

「ごめんね、ママね、もうすぐバイバイなんだ。でもいなくなるワケじゃない。
 ママはカオルの中にいるの。ずっとそばにいるの。だから寂しくないね」

カオル「私、ケントの母親になるよ。でも洋介の奥さんにはならない。私、母親になるなら、男なんて要らないの」

トモミ「私、思うんだけど、神さまって優しいね。フツーに死んだら、こんな風に子どもを託せないワケで。
    でも、カオルは一度、ケントの母になってくれてるワケで。その体、私だったんだよね。
    おやすみ、私。さよなら、私」


 
2つのハンカチを縫い合わせて、ケントのお弁当の包みにするカオル


コメント