メランコリア

メランコリアの国にようこそ。
ここにあるのはわたしの心象スケッチです。

ショートフィルム『Miss Fortune』@GYAO!

2015-03-24 12:08:08 | ドラマ
ショートフィルム『Miss Fortune~あなたの背後で、幸福は微笑んでいるかもしれない。~』(27min)@GYAO!
監督・脚本:水落豊
キャスト:濱田岳、佐藤二朗 ほか ※期間限定・完全無料
♪The Photographer/Ryo Hamamoto

二朗さんのつぶやきを見て、観てみた。GYAO!を覗くのも久しぶり。
たった27分の中に、泣いたり、笑ったり。
「喫茶ルオー」って聞き覚えがあると思ったら、昭和喫茶巡りの時に行ってた。
そっか、私の好きな画家、ジョルジュ・ルオーのことだったか(今更

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story(ネタバレ注意
冴えない青年は、幼い頃、踏切事故で両親、妹を亡くして、今は一人暮らしをしながら、「喫茶ルオー」でバイトをはじめる。

初日の朝、100円玉を見つけて「ラッキー」と拾おうとしたら、階段から転げ落ちる。
それから、なぜか人の後ろに背後霊が見えはじめる。

帰り道、今度は500円玉を拾おうとして、フンを踏んづけてしまう。

病院に行くと「薬物とかは?」「やってません」「じゃ、一応精密検査をしましょうか」
その医師の後ろにはオカマの二朗さん/爆爆爆

 

「見えてるんでしょ? 私はあの医者の守護霊。“guardian spirit”(ここだけ流暢な発音なのが笑う!)とか、
 いろいろ言われていて、まあ、詳しいことは“コンプライアンス”上言えないないんだけど。
 守護霊が見えますなんてゆったらダメよ。てか、あなたも人が悪いわね、教えてあげればいいのに」

青年は自分の守護霊は見えない。



家に帰って、何気ないフリをして振り返ると、可愛い女の子が立っていた。「かわいい・・・」



青年「名前は?」
女の子「サダコ」
青年「そうゆうの流行ってるんすか?」w

女の子「写真、好きなんですよね。続ければいいのに・・・
    後ろに回ってもいですか? 正面だと居心地悪くて」

青年「いつからいたんですか?」
女の子「ずっと前から」

青年「じゃあ、24時間態勢?!」
女の子「それが仕事ですから」

青年「じゃあ、言わせてもらいますけど、俺、これまで全然守られてる気がしないんですけど?!
   踏切事故の時もずっと側にいたんじゃないんですか?
   僕だけ助けなくても。僕だけ死ねばよかったんだ。なにが守護霊だよ

振り向くと、女の子は消えている。


翌朝起きて「なんだ夢かあ・・・」「夢じゃないわよ」て、また二朗さん/爆(なにげに服変わってるしww



「私の任務は終わったから、ちょっと寄り道してみたんだけど。あんた、彼女になんかヒドイこと言ったらしいじゃない」
「どうして分かったんですか?」
「鎌かけたのよ、カマだけに」(この後もけっこう繰り返す/爆

「あんなスゴイ守護霊追い出すなんて。あのコが起こした災いは、かなりの高等技術なのよ。
 あんたは相当の災いをストックしてきたワケだから、これからは幸福の雨霰・・・の予定だったけど、
 上の下くらいになっちゃったわね」

僕の家族を奪ってまでの幸せって何なんですか?
 そんな不幸と引き換えに幸せになんてなりたくないんですけど。
 僕はそんなものに頼りたくないんで」

“禍福は糾える縄の如し”
 守護霊は、基本、その人に関係する人がなるの。
 でも、本人に正体がバレたら、一発退場。強制送還。でも、この場合例外よね。
 あのコが守護霊になったのは、あんたのご家族が亡くなった後よ。見覚えないの?」

「禍福は糾える縄の如し」
災いと幸福は表裏一体で、まるでより合わせた縄のようにかわるがわるやって来るものだ。
不幸だと思ったことが幸福に転じたり、幸福だと思っていたことが不幸に転じたりする。
成功も失敗も縄のように表裏をなして、めまぐるしく変化するものだということのたとえ。

(つまり人生、“いい事”も、“わるい事”も五分五分だってことだな


ルオーの店主が青年にお客が来たという。
カメラマンで、壁に飾られた青年の写真を観て、なかなか筋がいいからアシスタントに欲しいそう。



「これからは、しっかり前を向いて、時々後ろを向いて生きていこうと思う」


 


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『ディーゼルカー』 大島弓子/著(飛鳥新社)

2015-03-24 11:53:48 | 
『ディーゼルカー』 大島弓子/著(飛鳥新社)

[amazon紹介文抜粋]
1978年、カラー漫画誌「リリカ」で発表された大島弓子の絵物語『ディーゼルカー』が単行本で復活!
パステル、透明水彩、ポスターカラー、色鉛筆と、たくさんの画材で描かれた、大島弓子の貴重なカラー絵物語!

図書館のサイトで大島さんで検索したら、思わぬ新作絵本を見つけて小躍りした
2012年12月31日初版ながら、昔描いた作品の復刻本。

「あとがきマンガ」には、自画像のヘアスタイルの変化も描いてて可笑しいw


「昔の自分の絵を見ると穴があったら入りたい気持ち」だったが「描いている当時は楽しかった」という。

マンガ雑誌のカラーページは水彩絵具やポスターカラーで着色するのがふつうだったが、
色鉛筆を使いたいと思っていたら、印刷に出ると聞いて使ったそう。

細く柔らかな線、淡い色使いも深みが出ていて、なにより詩的なストーリー、音楽みたいなセリフが大島さんの魅力。

 

あらすじ(ネタバレ注意
君太は黄野子を愛していました。
黄野子は君太をその倍も愛していました。



ある日、白無垢、内掛け姿の花嫁さんを見た2人は、即婚約して、2人とも「花嫁さんになりたい」と言った。



黄野子が「花嫁の条件」を母に聞くと、
「女らしく、美しく、料理が上手、獅子が我が子を千尋の谷に落として育てるがごとくの深い愛情と度胸が必要。
 まず大切なのは忍従。ひたすら我慢して夫に家族に尽くす。これが妻の正しい姿です」
母親はゆるぎなく申されました(まったく奴隷そのものだな

2人はどっちが花嫁になるか、競い合うことにした。まずは「忍耐」
互いに侮辱した後、ヤナギでムチウチ。これには君太が先に泣いてしまって負け。



次はお化粧。これは君太の独創性が認められて勝ち。

 

「優しさ」では、子どもに寝物語を作ることで、毛虫の首輪の話をつくった黄野子が勝ち(とっても詩的

 

ある日、黄野子の家に従兄弟が来て、すっかり夢中になり、
君太に「私は従兄弟と結婚して、君太も花嫁募集の人を探せばいい」と提案。
納得した君太だったが、なぜか淋しい。


そこに従兄弟の見合い相手がやって来て、2人はひと目惚れ


試合は続行となり、「度胸」試しに、ディーゼルカーで初めて終点まで乗る2人。



ディーゼルカー
車の終点
果てなく遠い暗黒の異国
車の墓地 恐怖の未開地

この事件は、すっかり家族らを心配させることになる。


23歳になったセールスマンの君太とフリーライターの黄野子の結婚式。
挙式では君太が花嫁衣裳で登場し、お色直しで黄野子と衣装を交換。



これでこのドキュメンタリーはおしまいです
あのディーゼルカーの終点の町はふつうの明るい町でしたが
そしてその線路はもはやありませんが
あの試合で得たことで
黄野子は母親とは異なった人生を歩むでしょう
君太は父親とは違った人生を歩むでしょう

当日の式のひきでものは、おかまとおなべでした





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