メランコリア

メランコリアの国にようこそ。
ここにあるのはわたしの心象スケッチです。

ドラマ『ゴーストライター』(1~5話)

2015-03-21 13:36:10 | ドラマ
ドラマ『ゴーストライター』(2015年1月13日~3月17日)
脚本:橋部敦子
出演:中谷美紀、水川あさみ、田中哲司、キムラ緑子、江波杏子、石橋凌、三浦翔平、菜々緒 ほか

連ドラを週に1度待って観るのは苦手なので、全話OAを予録して、まとめ見したv

中谷さんは『ケイゾク』『R-17』『白洲次郎』『JIN-仁-』などで、私好みのクールビューティな女優さん。
水川さんと哲さんは『罪と罰 A Falsified Romance』の共演が私の中でまだ記憶に新しい。
中谷さんと哲さんのラブシーンがあるなんて超お得

編プロや出版社はドラマでよくある設定だけど、ここまで掘り下げると、マスコミで働いていた一員としての様々な記憶が蘇った。
ストーリー展開はもちろん、セリフ1つ1つが突き刺さる。
ゴーストライターを使うほど追い詰められた女流作家の話を書いている脚本家さんも女性。

母親とのどうにもならない確執、子どもとの距離、恋人への信頼、キャリアと結婚・・・
現代を生きる戦士のように働く女性の心情が、セリフ、ヒロインによる独白でさらけ出されていて、いちいち心に刺さった。


story(ネタバレ注意

第1回 罪への秒読み~偽りの日々の始まり


遠野リサは、新人賞をとってから次々と新作が当たり、15年も「文壇の女王」として君臨してきたが、
ここ5年は賞を逃し、「スランプ」だとネットでディスられ、本人もまったく書けない状況。

新人賞をとった品川譲に、編集者の塚田真奈美は
「新人賞をとったくらいじゃ相手にされない。生き延びるのは一握りだけなんです」
(水木サンのツイッタbotを思い出した。
 「成功するのは、ノンフィクションは千人に一人、マンガ家は五百人に一人、カメラマンは百人に一人でしょう。」

リサは、離婚していて、仕事の忙しさなどから、息子・大樹は反抗ばかりしている。
母・元子は、認知症で施設に入っていて、リサのことも娘と分からないが、
かつては高圧的で、支配的な人間で、リサの結婚にも猛反対し、これまで一度も褒めたことがない。

川原由樹は、婚約者の尾崎浩康と「1年だけ東京で小説家になる夢を追ってみる」と約束し、
これで諦めるつもりで最後に原稿を持ち込んだ「駿峰社」で編集者の小田楓人に原稿を渡す。
オダは夢中で読み、編集長・神崎雄司にも提案するが、

無名の作家の初版本なんか赤字になるだけだ。まだ分かんないのか? 本なんて売れないんだよ。
 すべての赤字を遠野リサの本で回収した。それが出版会の現実なんだ。
 欲しいのはイイ本じゃない。売れる本、確実に金になる本だ。オレやお前の給料もそこから出てくる」(ヤダなぁ、こんな世界



神崎は、最年少役員の座を狙っていて、リサの本の映画化で当てようとするが、映画の脚本はおろか、連載も書けない状態のリサ。
本が出来ていない状態で、有名俳優を配役し、期限はギリギリに迫っていた。

神崎は、ベテラン作家・花屋敷寛が末期がんと知ってから足繁く見舞いに通い、
亡くなるとすぐに「これまでの本をすべて文庫化するぞ!」と大はりきり。
(他社で出した本も、作家の承諾があれば可能なんだ。てか、小説や単行本などで、それぞれ長を決めて争わせてるんだね。
 オダくんは、作家の散歩やらまで付き合ってるし。可哀想に・・・

オダはユキに「リサのアシスタントのバイトをやりませんか?」と頼む。
いったんは断わったが、これまで出した本もすべて読んでいるリサの大ファンのため、思わず引き受けてしまうユキ。
リサの秘書・田浦美鈴から厳しくルールを叩き込まれる。

リサは、講演会で「登場人物が物語りで勝手に動き出してくれるんです」(どこかで聞いた話だ)と語るも、
ネットの中傷を読んで落ち込む(ネットは見ちゃダメだよ

花屋敷寛への追悼文も書けないリサ。ユキに資料を頼むと、「追悼文案」も書いてきた。
神崎「代筆って手がなくもない」
リサ「ゴーストってこと!? こんなに苦しいなら死んだほうがマシだと思いながら書いてるのよ!」
神崎「オレは絶対離れない」

 

これまで締め切りを落としたことがない(期限を過ぎる)リサは、ユキの原稿を田浦に渡してしまう。

オダはユキの原稿が傑作だったと褒めるが「困ります。決めてるんです。田舎に帰って結婚するって」
オダに見せられた原稿が自分の案だと知って「前もってひと言いっていただけたら・・・」とリサに迫るが、
リサはギリギリ書き上げて、印刷を差し替えてもらっていた。「気に入ったわ。あなたの野心」とアシスタントに採用する。

神崎は「リサのブランド力は、あと3年通用します」と常務に宣言する。

リサ「世間は、遠野リサは全て持っていると思っている。でも、できることなら私は人生をやり直したい」

元子「あたしがいないと何にも出来ないくせに」
リサ「私の人生を生まれる前からやり直したい。生まれ変わって偽りのない人生を生きたい」


第2回 夢か結婚か、それとも嘘か…泥沼の決断
神埼は「遠野リサの映画化の収益は20億が当然。そういうプレッシャーはキライじゃりません」とあくまで強気だが、
リサが連載の締め切りを1つ落としたと聞き「もしもの時のために跡目考えとけ」とオダに指示する。

「連載小説は全部売っても赤字だが、作家をキープするため」
塚田は品川に原稿を依頼。「いつ載せられるか分かりませんが

リサはユキに「連載のプロット(あらすじ)のつづきを書いてみて」と言う。
ユキのプロットを読んで
「キャラを勝手にねじ曲げないで。人にハンドルを握られるのはイヤなの。クルマも人生も」

実家に戻って結婚するからとアシスタントをやめるというユキに「次のアシスタントが決まるまで」と引き留める。
皆で飲んだ席で塚田は品川から「500万円の賞金をもらって(小説に専念するために)会社を辞めた」と聞いて呆れるのを見て改めて厳しさを知るユキ。

母の見舞いで数日帰れないリサのためにユキは原稿を書く。
ダイキのことで担任にも呼び出され、リサは他社の連載も落とす。

ダイキ「遠野リサが育てた結果がコレだから」
リサは同じセリフを母に言ったことがあった。
「もう助手席はウンザリ! 私の人生なのに、運転するのは全部お母さん!」

常務「お前にとって最大の武器は遠野リサだ。遠野が転べば、お前も転ぶ」と釘を刺される神埼。

ヒロヤスが上京し、ユキと会う際、リサも同席する。
「ユキには才能がない」と繰り返すヒロヤスに
「彼女は、今書くことが楽しくてしょうがないはずよ。
 あなたが求めている女は、あなたが運転する助手席にニコニコ座っている女。
 あなたが決めた行き先に黙ってどこまでも従うような」

翌日、ユキは引越し準備をしていると、リサから連載が掲載された本が届き、夢中で読む。

リサ「あなたが書いたのよ。想像してみて。あなたは小説まで書くの。それは読んだ人の心を動かす。
   夢を叶えられない人は、目の前のチャンスに気づかずに通り過ぎるからよ。
   どの道を進むか決めるのはあなた

ユキ「やっぱり東京に残る。私、小説が書きたいの。やっと決めた。後悔はしない」と言ってヒロヤスと別れる。

リサにゴーストライターをつけるよう薦めたのは神埼。
「2人でやっていけばイイ」
「彼女はすぐに1人でもやっていけるコよ」
「新人が本を出してもどうせすぐ消える。ゆっくり育ててやればイイ」

ユキが書いた連載は出版社から絶賛され、ファンからも「スランプ脱出おめでとう!」のカキコミ。
神埼「遠野リサは新たな境地を開くかもしれません」


第3回 罠か、チャンスか、デビューの甘い誘惑
リサのゴーストだということをユキに口止めさせる田浦。
リサは「ものを書くには環境が大事よ」と、ユキに高級マンションを与える。
「新設定で、あなたの好きに書いてみて」


神埼はユキに会い、自分の作品を最後まで仕上げることを薦める。「リサにはオレから話しておくから」



リサは向井七恵が10年ぶりに復帰すると知って驚く。2人は同時期に新人賞をとって注目されたが、
向井はプライドが高く、ずっと干されていた。出版界は2人の連載を同時に開始して話題を集めようと画策する。

ユキはずっとあたためてきた『おとぎの国の住人』の話を書きたいと言う。
神埼「仮に遠野リサが書けなくても、手は打ってあります」と常務に話す。

ユキのベースだとキャラが掴みにくいと漏らすリサに「少し書くことから離れてみたら?」とユキが書いた原稿を見せる。


「オレはリサのことしか考えてない。彼女にはオレから話す。きっと引き受けるよ。君は必ずまた書ける」

ユキには「リサは疲弊して、このままだと壊れてしまう。少し休ませたい。君のことはちゃんと考えてるから」と話し、
神埼は、ユキの持込原稿を3000部出版すると約束。これは200万円の赤字を意味する。
「デビューおめでとう! リサの連載はこのまま続けてくれるね?」

飲み会で塚田は
ビジネス書やタレント本はライターが代わりに書くのは全然珍しくないけど、小説でゴーストはあり得ない。
 どんなに権威ある作家でも書けなくなったら消えていくだけです」と話す。

リサ「最初はダイキのことを思って小説を書き始めたの。家でも出来る仕事だし。
   でも、売れれば売れるほど期待されて、いいものを書いて当然と思われる。
   書けなくなればいつ切られるか分からない。だから受けられる仕事は全部受けてきた。
   本当は母親として当たり前のことをやりたかった」
ダイキ「言い訳かよ」

神埼「ユキはリサが思うほど健気な女じゃない。ゴーストをやる代わりに自分の本を出して欲しいと言ってきたよ」と騙す。

元子「相変わらず三文小説ね」
リサ「15年間も書き続けて頑張った。誰もが欲しがるものを全て持っても、ずっと不安だった。どれも本当に欲しいものじゃなかったから」
元子「一体何が欲しいの?」
リサ「あなたには分からないと思う」

向井との対談でリサはユキが話した通りを語る。

ユキ「本当は書けないんじゃないんですか? 私を育てるんじゃなくて利用してるんじゃないですか!?」

リサ「利用してるのはあなたのほうでしょ? 初版3000部。全国の書店は1万5000。
   つまり5店に1冊。もちろん平積みじゃなく本棚の片隅よ。
   あなたの本を手にとる人なんていない。私の名で出せば初版20万部。私は15年かけてここまできた。
   遠野リサの代わりは誰もいない。でも川原由樹の代わりはいくらでもいる」

 

(本の世界でもいかに世間がブランド志向かってことが分かる。
 どんなに素晴らしい本でも商売。飯の種か。それで優れた女流作家を上で操るのは、
 金と名誉好きな男たちって仕組み。これはマスコミだけの話じゃない。



第4回 原稿をください…消えた天才作家の誇り
連載はすべてユキに任せろという神埼。「映画だけは自分で書きたい」とリサ。しかし一向にペンは進まない。
ユキの自作本は3000部のうち2800部が返却された。

オダ「全然、珍しいことじゃないですよ。また小説書いてください」

塚田「神埼編集長に初版本を出してもらえるなんて、もしかしてなにか闇でも握ってるんじゃないの?」
塚田は最近のリサとユキの作風が似ていることに気づいている。

 

リサ「私たちは共犯者ね」
ユキ「望んでやってるわけじゃありません」
リサ「でも、1人でも多くの人に読んでもらいっていう、作家としての本能は満たされているんじゃない?」

リサ「私の書いたものじゃ、もうファンは納得しない」と言い、神埼はユキに映画の本も頼む。
ユキ「それって500万人の観客を騙すってことですよね?」
神埼「そのウソで誰が傷つく?」

ユキ「本当に読んで欲しい家族や婚約者に読んでもらっていない。いつまで世間を騙し続けるつもりなんですか?」
リサ「映画のために5億が動いている。私たちはとっくに罪を犯しているのよ。ウソをつき続けるしかないの」



リサ「自分がこんなに支配的な人間とは思わなかった。誰かにソックリ」
元子はリサが小さい頃に「お母さんにはリサしかいないのよ!」と泣いてすがったこともあった。

突然、ユキが姿を消して1週間。
リサ「書き終わったわ。信じられないくらいつまらないの」

ユキが戻り、7~8万円するシャンパンでリサと乾杯する。
ユキ「この価値が分かってる人ってどれくらいいるんでしょうね。
   みんなラベルを見て買うんですもんね。中身は私で、ラベルは先生。
   てっきり代わりのゴーストライターがいるのかと思っていました」


リサは土下座して「原稿を下さい」と頼む。

ユキ「初めて先生と会った時、20歳で、サインをもらいました。私にとってずっと神さまじゃなきゃいけないのに。
   そこまでして何を守りたいんですか?!」

ぶりまかれた原稿を必死に集めるリサ。

リサ「彼女は私を憎んでる。でも遠野リサを支えられるのは自分しかいないと分かってる。
   彼女は絶対私を見捨てたりしないわ」

リサ「時に私が彼女を支配し、時に彼女が私を支配する」「私たち、もう離れられないわね」
ユキ「共犯者ですから」


ネットに「リサにはゴーストライターがいる」というカキコミがあった。



第5回 舞台に上がったゴースト。逆襲の始まり
 

リサとユキは強い信頼関係で結ばれていった。
リサ「今日もらった拍手の半分はあなたのもの。私たち2人で遠野リサ」
会見の受け答えもユキに尋ねるようになり、生放送の突然のフリに言葉に詰まるリサ。

オダは「締め切り」の文字がリサとユキで違うことに気づく。
オダ「なにか困ってるんじゃないんですか? 力になりますから」
ユキ「私は書いてませんから」

駿峰社にリサ宛の郵便物が届き、レプリカの手榴弾とメモ「遠野リサ死ね」と書かれていた。
その名前から、リサはダイキの仕業と気づく。

ダイキ「人に書かせるなんて卑怯なことすんなよ。お前なんか要らない」
(そんなに憎いなら1人暮らしでもすればいいのに・・・やっぱり心配なのか。構ってもらいたいのか

元子「母親を軽蔑しなきゃならない子どものほうがもっと辛いのよ」
  「私に娘なんかいない。あんなコ、私の娘じゃない」

神埼には最年少役員になる内示が出た。

 

リサ「ねえ、私、小説家をやめるわ。これはチャンスなの。ダイキの母としてやり直したい。
   これは答えなくていい質問です。遠野リサをやめたら、私たちはどうなるのでしょうか?

リサ「私がやめた後、ユキちゃんのことお願いね」
神埼「それはムリだ。才能があるからこそ書かせるわけにはいかない。本が売れれば気づく読者が必ず出てくる」

リサ「彼女の才能を潰すなんてできない」
神埼「世間が騒ぎになったら息子はどうなる? ユキか息子か。どちらか1人しか守ることはできない。
   ユキに引退を告げるなら、今抱えてる連載をすべて書き終えてからだ」(頭キレるなあ

ヒロヤス「オレたちやり直そう。これからは長野で小説を書かないか?」
(なぜ、いつもキャリアや、居場所を離れるのは女性のほうだと決めつけるんだろうね
ユキ「もう1人じゃないから、長野には戻れない」
ヒロヤスはフラれたと思って去る(お土産で渡されたおやきは、やっぱりパン生地のやつだな

リサ「私、小説家をやめることにしたの。もう疲れたわ。人にウソをつくのも、自分にウソをつくのも。
   あなたには新たな道が見つかるわ。あなたは小説を書かなくても生きていける人。
   あなたみたいに心が真っ直ぐな人は、小説なんか書く必要がないの。
   あなたが小説を書く理由は好きで楽しいからでしょ。そういう人は、書かなくても幸せになれる。
   もし、あなたが書けば、皆が気づくわ」

ユキ「こんなに喜びを覚えさせて、あっさり裏切るんですね。人生のすべてを捧げたんですよ」

リサ「自分は必要とされてるとか、キレイ事に置き換えて、目をそらし続けたんじゃない?
   すべてあなたが自分で選んで決めたことよ」(こういう彼女も頭がキレるなあ!

今度はユキがリサにすがりつくが「終わりよ。遠野リサは終わらせなきゃならないの。今までありがとう」

その夜、ヒロヤスが見合いで結婚することになった(決断早っ!)と聞いて笑い狂うユキ。
オダはゴーストのことを新聞社に告げようとして塚田に止められる。
塚田「私たちが口出すことじゃない。事態は変わらないし、オダが会社から消えるだけ」(若いコは空気読むの早いな

神埼は「明日の引退発表で本の売上が伸びます」と常務にアピールする。
リサのこないだの質問の答えを言おうとするがやめる。
リサ「最後まで文壇の女王の座を貫くわ」

映画完成試写会にはダイキも呼んだ。
しかし、リサのスピーチの前に、同じ服(!)でユキが登壇する。


ユキ「私が書きました。私はリサさんのゴーストライターです」


つづく。。。

コメント

ドラマ『ゴーストライター』(6~10話)

2015-03-21 13:35:00 | ドラマ
ドラマ『ゴーストライター』(2015年1月13日~3月17日)
脚本:橋部敦子
出演:中谷美紀、水川あさみ、田中哲司、キムラ緑子、江波杏子、石橋凌、三浦翔平、菜々緒 ほか

第6回 私は真実を述べます…嘘つきにくだされる法の裁き
神埼はユキを追い出して、改めて試写会が続けられる。
リサ「先ほどは、なんのドッキリかと思いましたw」

帰り道リサのクルマに乗り込むユキ。

ユキ「私は全て失うのに。先生も全て失えばいい。
   先生って可愛そうな人ですね。プライドが高くて、虚栄心が強くて、現実を受け入れられなくて、
   自分が一番じゃないと気が済まない。“私がいないと何もできないくせに”」

この言葉は、母の口癖でリサは雨の中、ユキともみあう。
リサ「あんたに私の何が分かるのよ!」
ユキ「今日でゴーストライターやめさせていただきます」
リサ「クビよ!」

翌日、どの紙面にもユキのことは書かれなかった。
常務「各出版社に話をつけておけ。遠野リサは当社が全力で守る」

オダ「今回のことが明るみに出れば、出版界全体の問題になる。全ての商品が売れず、億単位の損失になる。
   でも、そんなの間違ってる! 真実を知ってもらう方法がまだあると思います」

ユキを塚田の家に泊めてほしいと頼むオダ。
塚田「私は関わり合いたくない」と言いつつ、ユキを泊める。

 

「ワールドネットプレス」という、出版社とは関わりのない動画配信サイトでユキの告白動画が配信され、瞬く間にネットで拡散していく。
(これからの時代の変化を感じるね

リサ「もう終わりよ。これまで自分が書いた作品にも傷がつく。15年積み重ねたものが一瞬で消えてしまう」
神埼「名誉毀損で提訴が決まった。疑惑を完全に払拭する。川原由樹を潰すためには彼女の人格を否定する。
   いくつかの点を線で結ぶかによってストーリーは変わる。遠野リサと川原由樹、どちらかしか生き残れない



リサのもとにオダが来る。
リサ「裁判の前に謝罪文を書くよう言ってくれない? 法廷では彼女は今以上に傷つくわ」

ダイキ「大人はみんな汚い」
リサ「あなたも傷つく。私にはそれだけの価値があるの。あなたは浪人生。偉そうなことを言うのはやめなさい」
ダイキ「もう軽蔑はしない。遠野リサは可哀想な人だから」

リサ「こんなことならゴーストライターなんて使うんじゃなかった。あなたよ。あなたが私に使わせたのよ」(やっと気づいた
神埼「いや、リサが自分で選んで決めたことだ」(冷たいようだけど、選択して決めてるのはいつも自分なんだよね

リサ「本当はずっと前から分かってた。彼はずっと私を利用してきたのよね。
   彼のことを信じたくてもできない。お母さんのせいよ。私を一度も認めたことがなかった。
   私なんてなんの価値もないってずっと思ってた。でも小説を書いたら、みんなが褒めてくれた。
   やっとお母さんに認めてもらえると思ったのに、どうして私のことが分からなくなっちゃったの?
   やっぱり遠野リサの名を傷つけたくない。そのために誰かを傷つけたとしても。
   私、可哀想な人でしょ。こんな風にしか生きられないの」



リサは法廷で「偽りを述べないことを誓います」と宣言し、
「ユキさんには精神的に不安定な部分がありました。土下座を強要し、10億円を要求しました。婚約者と別れて逆恨みしていたようでした」
ユキはショックで法廷内で意識を失う。

リサ「私がうらやましいと思う人間は・・・自分のことが好きな人間だ。
   私がこの世で一番キライな人間は・・・私だ」



第7回 私は消えたい…勝利のシナリオの結末
ネットにはユキへの中傷が書き込まれ、家族やヒロヤスのところにまで取材陣が押し寄せる。

オダ「遠野リサも今のタイミングで引退を発表したら、やっぱり書けないのでは?と思われる。完全に勝ったとは言えない」
神埼も同意見だったが、リサは「大丈夫、私には切り札があるから」

記者会見でリサは、認知症の母のことを初めて公表する。
「今、私が一番やらなければならないことは、家族との時間を大事にすること」
世間には「休養宣言」ととらえられる。


でも、紙面には「引退宣言」だもんね

秘書・田浦にも暇を出そうとするが、続けると言う。
「私はずっと先生を支えていきます。私と先生は利害のない関係ですから」(神埼を前にして言うねえ!

神埼「動画に載せたのはお前(オダ)か? 真実を語るのが正義だと思っているのか?
   川原由樹は、世間に顔を曝すことで全てを失った。なのにお前は安全なところにいて何も失っていない。
   お前の中途半端な正義感が彼女を葬ったんだ」

 
(出ました、哲さんのワル顔! 今度は部下に責任転嫁

常務は、神埼に金を渡して「少し休め」と薦める。神埼はその金でリサに一緒に旅行に出かけようと誘う。

元子「何を怖がってるの?」
リサ「これが最後の旅行だからよ。母にも愛されなかった私が誰かに愛されるワケないもの」

ダイキが急に祖母に会いたいというので病室に入れると、
元子「何しに来たんです? リサとの結婚は認めませんよ! 出て行け!」と追い出される。

ダイキ「ほんとだったんだ認知症って。最後に確かめたかったから。この家出るんで」
リサ「目的は?」
ダイキ「遠野リサから離れること」
リサ「1人でやっていけるワケない!」(母親と同じことゆってる

リサは道でユキを見かけ、気づいたユキは過呼吸になって倒れる。「送るわ」「消えて! お願い!」

オダ「ネットかホームページで公開することもできますから」
ユキ「もう二度と書きたくないんです。小説なんて書かなきゃこんなことにならなかったのに。
   生まれて初めて死にたいって思いました」

 

神埼「年に一度はこんな風に過ごせたらいいな。信用してないのか?」(一生ずっと? 織姫と彦星みたい
リサ「母は私にとっては悪魔。子どもの頃から私に呪いをかけつづけた。ダイキにとっては私が悪魔ね」

神埼が風呂に行っている間に、調理場から火事が出て、リサは逃げない(時代劇映画の1シーンみたいな迫力

 

その後、救出されたリサに
神埼「逃げなかったのか?」
リサ「もう疲れた」

 

ダイキ「死んだらラクになれたと思ってる? 自分だけラクになろうとするな! 死んだら絶対許さない!」

 

トークショーで真実を話すリサ。
「これは私が書いた小説ではありません。川原由樹が書きました。川原由樹は私のゴーストライターでした」

リサ「私は、遠野リサを消した」



第8回 作家・遠野リサの死。よみがえる若き才能

駿峰社には、電話が殺到する。ファンから「本代返せ」て

神埼はユキに謝罪し「本をすべて回収して、川原由樹先生の名に差し替えます。初版5万部、もちろん平積みされます」
オダを担当にして、早速連載を1冊書いてくれと頼む(転んでもタダじゃ起きないなあ/驚 金になればどっちでもいいんだな
ユキは、どうしてリサが急に本当の事を話したのか疑問に思う。

神埼「駿峰社は、ゴーストライターのことを知らなかったと広報からコメントを出させます。これはむしろ本を売るチャンスです」

田舎に帰るというユキは、リサの家に立ち寄る。

ユキ「どうして話したんですか?」
リサ「ウソをつき続けるのに疲れただけ」

ユキ「会見で神埼さんを守ったんですか?」
リサ「本当のことをゆっても何も変わらない。駿峰社が守るのは小説家じゃなくて社員よ。他も同じ。
   だからもしあなたが書くなら、もちつもたれつやってくことね。

   あなたはどう思った? 全て失って人生のどん底を味わった時、死にたいと思った?
   その時、もう1人の自分が見てなかった? この辛い体験は小説のネタになるって気づいたはずよ。
   不幸のどん底を面白がっている自分に。

   ようやく自分が望んでいたように生きられる。締め切りもない、プレッシャーもない。自分との闘いもない。
   これからは自分にウソをつかずに生きていける。自分らしく」

“元ゴーストライター”としてユキを売り出すという神埼。
神埼「本当に川原由樹は書けるのか? お前が見張っておけ」
オダ「でもボクはそのために寝たりしませんから」
神埼「彼女はああ見えてなかなかしたたかだ。お前くらい青臭いほうがかえってうまくいく」

 
小説家・川原でやっていくと決めたユキ

リサ「私たち、もう終わったのよ」
神埼「本当にそうなのか?」
リサ「帰って。殴りたくなるから。二度と来ないで」
神埼「分かった」

 
けっこうピシャッてぶたれてたね

田浦「これからもお手伝いさせて頂きます。先生のお側を離れるなんて考えたこともありません」(この人の執着心も凄い

神埼「川原由樹のイメージはシンプルで清潔感があること。親しみやすさをアピールする。
   世間は勝手にイメージする。ただ、遠野リサに利用された気のいい女性だと」(情報操作も怖い

 


しかし、これまでのようにノビノビと書けなくなるユキ。

神埼「今ならどんなものでも売れる。力を発揮できないなら所詮ゴーストライター止まりの才能だ。
   才能なんて曖昧なものに賭けてどうする? この先書けなかったらアウトだ。次は出せない。消えていくだけだ」


哲さんの指パッチン決まったv

 
それでも、みんな話題性があれば買って、サイン会にも並ぶのね

田浦も来て「あとで話がしたい」とユキと待ち合わせる。
田浦は、ユキを刺そうとして、誤ってリサを刺してしまう。
リサ「ユキちゃん、罰が下ったわ」

 
緑子さん、やっちゃった

田浦「先生は私の全てでした。あの女が私と先生の仲を引き裂いたんです」

リサを見舞うユキ。

リサ「あなたはゴーストライターの時のほうが面白かったって言って欲しいの?
   期待されて結果を出すのは苦しいわ」



ユキ「もう書かないんですか?」
リサ「私はしたくてもできなかった生活をようやく手に入れたの。
   時間に追われず、静かで、穏やかで、ケータイやパソコンなんて必要ない生活

リサが庭に植え替えた木は枯れていた(もう共作でいいんじゃない? そうゆうケースもたくさんあるし、また話題にもなるし



第9回 天才は帰ってくるのか?退屈で平和な日々の果てに


オダ「もう“元ゴーストライター”って文字外せませんか?」
神埼「客はどうやって本を選ぶ?」
オダ「作家の名前です」
神埼「それから?」
オダ「表紙文と帯文です」(表紙題ってゆってたのかなあ?
神埼「むしろ彼女は意図的にそれに乗っかってるんじゃないのか?」

精神病院に入院している田浦を見舞うリサ。事件扱いにしなかったことを感謝する。
田浦「私は川原由樹が羨ましかった。小説家にしか分からない世界があるんですね」

今や単行本2本、連載2本、エッセイを抱えるユキをリサが訪ねる。

リサ「あなたのカレが1年以上前訪ねてきたことがあるわ。
   彼は社会的地位が自分より上がったあなたを助手席に乗せようとは思わないんじゃないかしら?
   あなたは何のために書いてるの?」

同級生との飲み会でヒロヤスがまだ結婚してないと知り、再会するユキ。

オダは常務と神埼の飲みに呼ばれる。

神埼「話題性でなんとかなるのはあと2、3冊でしょう。今のうちにファンを掴まないと先は厳しいです」
常務「生き残れるかはオダ次第だな」

施設で向井と再会。向井の父も認知症だという。

リサ「私も最初はすごくショックだった。でも母は幸せかも。私が大事件を起こしてもすぐに忘れるわ」
向井「どれくらい書いてない?」
リサ「書けなくなって2年、辞めて1年」
向井「そろそろ溢れてくる頃ね」

ユキはサイン会でリサのファンから
「私は遠野リサの大ファンです。あなたは遠野リサの全盛期とは比べものになりません」
と言われ、帯をすべて破り捨てる。

ユキ「ハッキリゆって。話題性があるうちに1冊でも多く売りたいんですよね?」
オダ「今、“元ゴーストライター”の肩書きをとったら誰も買ってくれませんよ」

元子「今度、『小説駿峰』持ってきて」
リサ「もう遠野リサは載ってないわ。小説家をやめたの」

元子「どうしてやめたの? 行かなきゃ。あのコが自分で決めたことは全部失敗する

リサ「あなたの呪いの言葉は強烈ね。遠野リサは罪を犯したの。たくさんの人を騙した。
   どう、苦しい? なんでこんなことになったか、今ようやく分かった。
   誤った人生を歩むことがあなたへの最大の復讐だからよ」(よく病まずにこれたな、逆に。私も呪いの言葉をかけられたってゆったっけ

リサはまた書き始める。一方、ユキの筆は止まる。

リサは駿峰社に来て神埼に「小説を書いたの」
神埼「残念ですが、ウチで取り扱うことは出来ません」
リサ「分かってる」
神埼「書けたんだな」

リサ「よく見せて。ベストセラー作家の顔。あなた、書けなくなったんでしょ? どんな気分?
   これ、あげるわ。どうせ、私の名じゃどこも出してくれないから」
書いた小説のデータをUSBで渡す。タイトルは『私の愛しい人』。

ユキ「なんのために書いたんですか?」
リサ「誰にも読まれないかもしれないのに、書くことが苦しいと思ってたのに、違った。苦しくて仕方がないから書くのよ」

リサ「ようやく気づいた。私にとって書くことは、苦しみや悲しみを吐き出すことだ。
   私の苦しみは書くことでしか癒やされない。書かなければ私は生きていられない」



第10回 最終回・女王の帰還。罪深き二人の女の逆襲
リサ「役に立った?」
ユキ「私の名で出すとでも思いました? 返そうと思ったけど、もらったんだから好きにさせてもらいます」

リサ「あなたは、今、誰に向かって書いてるの? 顔の見えない読者? 読者に媚びた作品になってる。
   だから、そこそこ面白いけど、なにか物足りないのよ」

ユキは神埼にリサの原稿を本にして欲しいと頼み込むが断られる。

神埼「読者の反感を買うだけだ」
ユキ「心が震えて、動けませんでした」
神埼「出せないものは、出せない」
ユキ「じゃあ、読むだけ読んでください。渡しますから」

オダ「遠野さんのこと許してるんですか?」
ユキ「作品に罪はありません」

オダは専務(常務から昇進。役員名や上下関係はややこしくてワケ分からんな)にも頼み込む。

専務「今出してもリスクしかない」
オダ「川原由樹との共同執筆をご提案します。必ず話題になります」
専務「神埼に相談したのか?」
オダ「いいえ」
専務「ウチでは出せない」

元子はとうとう遠野リサのことも知らないと言う。
リサ「あなたの住んでる世界から私はいなくなっちゃったのね」(もう復讐できないね・・・

オダ「新作は素晴らしかった。別の本を出しませんか? 川原との共同執筆です。
   小さい出版社からの自費出版ですけど
ユキ「私は、前、誰よりも先生に向けて書いてました。先生に褒めてもらいたくて。先生のために書きたいんです」

リサ「タイトルは『偽りの日々』。いわば曝露本に見せかけて、中身は重厚な人間ドラマを描く。2人それぞれの視点で」

リサ「私は、偽りのない、本当の私の人生を書きたいと思った」

「文静出版」で1万部で交渉する。
リサ「汚れた女が書いたものを世間はきっと見たいはずよ」(妬み、嫉みが大好物な人は多いからね

向井にも報告する。
リサ「読んで頂けませんか?」
向井「私に読ませてどうしようっていうの?」

塚田らは、次の新人賞の応募原稿を大量に読む。
「応募原稿の9割はカスだと思えば腹もたたない」(でも、一応ちゃんと目を通してはいるんだ
その中に、まさかのダイキの原稿が入っていた。それを耳にしたリサは、共作の発売日前日に会いに行く。



リサ「小説で食べていこうなんて甘いわ」
ダイキ「オレは納得するまでやるから」

リサ「また書き始めたの」
ダイキ「言い訳が出来て良かったな。ホントは一緒に住みたくなかったんだろ(元子と)。
    ずっと、遠野リサは母親が嫌いなんじゃないかと思ってた」

リサ「責めてるの?」
ダイキ「いや、キライならキライでいいんじゃない?
この言葉にリサは救われる。

 
売り上げは上々。ネットでも絶賛され、10万部刷る話になる



リサ「一生分かり合えない。お母さんのことキライだし、許せない。そんな自分を受け入れることにしたわ」
(このセリフが心底浸み込んだ女性が世の中に今、一体どれほどいることか/涙

オダは単行本化の話を岡野と進める。それを責める神崎に

オダ「各出版社が遠野リサに飛びつくはず。いいんですか、お金になるのにウチが遅れをとっても?
   許可ならとってあります。鳥飼専務に」
(若いのに、辞めずに、ちゃんと仕事で上司を見返すってスゴイなあって思ってたけど、自費出版の案は専務の入れ知恵か

鳥飼「たとえ売れなくてもウチはリスクを負わない。売れたら、この原稿をウチで出す。他社には手を出させない」

神埼が謝罪に行くと

鳥飼「なかなか面白い奴(オダ)じゃないか。なんでお前に相談しなかったのかな?
   お前は“保守的な会社に風穴を開けた男”なんだから。もうお前はオレの後ろ盾など必要ないのでは?」

 
(雑誌での対談のことを引き合いに出されて、まんまと鼻を折られた。社内ですら昇進競争で気が抜けないねぇ

田浦は退院。
田浦「医師から仕事をすることを勧められて、これから探そうと思ってます」
リサ「書く仕事が戻ったのはイイけど、私じゃスケジュール管理はムリだわ。またお願いできますか?」

 
駿峰社のパーティ。神埼を見事にスルーする2人カッケー!

 

でも、その後、一人飲みしてるバーに来るリサ。

 

リサ「落ち込んだ時はいつもここでしょ。どんな味わい? 鼻をへし折られて飲むお酒の味は?
   落ち込んだあなたを見るとゾクゾクする。ウソよ。まだ聞いてなかったから、『私の愛しい人』のあなたの感想。
   分かってないのね。今でも私の一番感想を言ってもらいたい人はあなたよ。これからもずっと変わらないわ」

神埼「時間は大丈夫か? 素晴らしさを語り始めたら3時間はかかる」
リサ「たったの3時間?」
(なんか大人な会話。女性が自立してやっとパートナーとも対等に話せるってことだ

母もリサが置いていった小説を読んで泣いている(ひと言褒めてあげたらいいのにねぇ・・・

ユキ「こないだのパーティで大御所の方々がゆってました。文壇の女王が似合うのは、やっぱり遠野リサだって。
   むしろ、どん底を味わったから毒を含んで輝きが増したくらいでした」

リサ「共同執筆なんてあり得ない。1冊の本の表紙に名前が2人並ぶなんて、あれほど屈辱的なことはなかったわ」
ユキ「相変わらず、遠野リサですねw」

リサ「偽りの人生をずっと悔いてきた。でも偽りのない人生なんてどこにもない。
   偽りの私も、本当の私だ。愚かで愛すべき私だ」




******************************

面白かったあ! 大満足。
ラストは全部辻褄が合うハッピーエンドだったし。

【ブログ内関連記事】
『わたしの家族はどこかへん?機能不全家族で育つ・暮らす』

コメント