メランコリア

メランコリアの国にようこそ。
ここにあるのはわたしの心象スケッチです。

『つくられた明日』眉村卓/著(角川文庫)

2017-05-10 18:44:07 | 
『つくられた明日』眉村卓/著(角川文庫)
眉村卓/著 カバー/木村光佑 本文挿絵/谷俊彦 (昭和55年初版 昭和56年6版)

「作家別」カテゴリーに追加しました。


[カバー裏のあらすじ]

“そんな馬鹿なことが……”手にした『未来予告』と題された本をめくるうちに、永山誠一は思わず声を出してしまった。
 そこには“あなたは10月31日に重大な危機にさらされます”とあり、
 11月1日以降は空白になっていたのだ。誠一は死を予告されたのだろうか?

 奇怪な出来事は次々と起こりはじめていた。先生の交通事故――これは予告どおりだった。
 そして、続いて起きた友人の失踪に、サファリを着た怪盗団の暗躍。
 11月1日は、日一日と迫りつつあった!

 眉村卓の描く、読み出したらやめられない、学園SFサスペンス!


***

夜10時頃から読み始めて、2、3時間で一気に読み終えてしまった!
これもパラレルワールド、タイムトリップ絡みで、
他の作品同様、読み始めたら、先が気になって止まらなくなってしまう

ちなみに本書のもとの値段は260円w
物価ってどんどん上がるんだねえ!



あらすじ(ネタバレ注意

中学3年生の新聞部部長・永山誠一が引き継ぎのため、部室に行くと杉森あかねがいるだけだった
熱心に読んでいるのは『未来予告』という占い本

「なんじ、知らずや。すべて人の運命は決まっておるのじゃ」などと書かれていて
複雑な計算をして数百ものタイプ別に分けられ、それぞれの別本があるという

顧問の中井先生が来て、無事、引き継ぎが終わると、あかねは唐突に
「先生・・・気をつけて帰ってください」と言う

誠一はあかねに無理やり自分の数字の占い本を買われて、何気なく読むと、
明日は「近い目上の人の交通事故を知ります」とある

しかも、10月31日には「あなたは重大な危険にさらされます」と書かれた後
その先は白紙 自分は死ぬのか? 「ばかな!」





翌朝、あかねから中井先生がクルマにはねられたと聞く

同じ組の島吾郎が、様子のおかしい誠一に尋ね、事情を話すと
疑いながらも、自分も買ってみると言う

その夜、あかねから電話があり

「さっき、知らない男の人から“占いの本を買いましたか”と電話があったの
 それをすぐに焼き捨ててくれ、持っていると厄介なことに巻き込まれるからって」


吾郎と本を買った書店に行くと、サファリルックの男女が占いの本をすべてトラックに積み込もうとしているのを見て
吾郎は果敢に立ち向かい、そのままトラックに連れ去られてしまう

誠一は、父母と、大学生で合気道の腕に自信がある姉・昭子にも話す
誠一の家にも謎の男からの電話がくる


その日の午前3時
サファリルックの男女が誠一の部屋のガラス窓を高熱で焼き切って侵入しようとして
家族が駆けつけると逃げていく


翌日、学校に警官が来ていて、吾郎が学校に放火したらしいという噂が広まる
見た者はいないが、吾郎の生徒手帳が落ちていた

誠一、あかねらが事情聴取を受けていると
記者だと名乗るサファリルックの男女らが現れた

2人が校門に連れていかれそうになり、黒塗りの乗用車から紳士が降りてきて
広口の銃口を男女に向けて撃つと、姿が消えてなくなった

「安心したまえ これは自分の時間流の外にいる者に対してだけ有効なのだ
 私はタイムパトロールとでもいうところかね」


その男もまた突然姿を消す





吾郎が消えてもう1ヶ月経つ

新聞に「不思議に当たる占いの本がブーム」という見出しを見つけて読むと
発行しているのは未来予告社という出版社で、書店への訪問販売しかしていない
的中率の高さが口コミで広まり、買う人が増えているという

だが、この本を置いている書店が、サファリルックの男女に襲われる事件が起きている
原因を調べようと、未来予告社に行くと、古い小さなビルに事務所があり、
時々社員らしいのが来て、すぐに帰っていくそう


その後、誠一の家に吾郎が来る

「ゆっくりしてはいられない 危険だからな
 警告しに来た 占いの本をまだ持っているなら焼くか、破り捨てろ
 あかねにも、他の人にもそう言ってほしい 1冊でも少なくすることがみんなを救う」


吾郎の家に行くと、電話があり
「元気だから心配しないで 僕にはやらなければならないことがあるんだ」と言っただけで切り
家には戻っていない


そこにあの紳士が来て、大高と名乗り、事情を話す

「吾郎くんは、歴史の転覆を企む一味にさらわれたのです
 あらゆる時間は、つねに併存しています
 あなた方には、過去や未来は、なくなったもの、起こっていないものとしか映らないが
 四次元からはすべてが見えるのです


大高は「吾郎らの言うことを聞くな」という

一緒に来ると約束したあかねが来ないのを心配して探すと、占いの本の残骸があるだけで姿を消していた


何を信じていいのか迷う誠一に、姉は

「おかしな武器で人を消すなんて、正しい側のやることかしら
 正義の使者だと思っても、見方を変えると逆ということもあるんじゃないかしら」



あかねが消えて3日目に、吾郎とともに誠一の前に現れ、「自分たちと一緒に来てくれ」という
そこに「敵」だという、あの武器をもったスーツの連中が来る

誠一は友人を信じることにして、用意されたジープに乗る

30代の男がいて
「これは戦争なんだ この戦いに敗れれば、君はあの本の通り、11月1日にはこの世の者ではなくなる」


クルマは基地に着く
男は川島と名乗り、あかねらは任務に行ってしまい、その間、事情を話す





「時間の無数の流れは、つねに安定して存在しているのではない
 一応共存しつつ、お互いに影響を及ぼし合っている

 実は、それぞれの流れが、自分のところを主流にしようと努力している
 タイムパトロールなどと名乗ってね

 正しい歴史とはなんだろう?
 それぞれにとっては歴史はただ1つだろうが、それは無数にある
 そのどれが正しい歴史か、誰に決めることができる?


 お互い攻めたり、攻められたり、これが無数のタイムパトロールが生まれる理由だ」

「消滅した流れの人々はどうなるんです?」

「はじめから存在しなかっただけのことになる
 彼らは、君たちの現在を自分たちのほうへ誘導するために占いを利用した
 これがこのまま浸透すると、君たちの世界の人々は、占いによる1通りの未来しかないと信じ、
 ますます暗示に落ち込む やがて、彼らの時間流に突っ込んでいく
 だから、別の時間流にいる我々は、彼らを妨害するほかなかった
 彼らを“誘導派”と呼んでいる

 我々は君たちの世界とは直接にはつながっていないが、誘導派の世界が力を持つと
 他の時間流にも影響が及ぶ 消えてしまうかもしれない細い流れの1つが、
 我々の時間流の成立の基盤になっている

 だから君がどちら側につこうと自由だ
 ただ、君たちの未来は、君たち自身の選択で作られるべきだ

 誘導派は“時間流補正機”という武器を持っていて、他の時間流から来た者を分解することが出来るが
 もともとの人間には何の作用もない もし、協力してくれるなら、我々は君を訓練する」


まだ決めかねている誠一に「投影」を見せる川島

「未来は近いものほど確定度が高い
 そこに予言者が出現すれば、みな信じ込み、誘導派の世界となる
 これは未確定記録と可能性を混ぜたようなものだ」

見せられた映像には、町中のポスター、看板、テレビに大高が出ていた
それに反対するデモもいて、胸に“予言者ばんざい”と記したゼッケンをつけた
誠一が金属棒で片っ端からデモ隊の人々を殴りつけている映像だった

川島「信じられないならすぐに送り返そう だが、君の記憶のうち
   今、見聞きした部分は消去させてもらう」

あかねにも「協力するのよ それが私たちの使命だと思うわ」と言われ、協力を決意する誠一



川島の時間流の訓練所に転送され、鍛錬室の担当は女性エスラ

どの窓にも覆いがあり
「あなた方にこの世界の風景を見せないためです あなた方には、ひどく異様に映るでしょうから」

日本人以外にも志願者がいて、一定のコースが終われば、元の世界に帰り、戦列に加えられる



誠一が訓練を受けて10日目に緊急集合令がかかる

エスラ
誘導派の連中が、私たちの基地を襲う計画を進めているそうです
 こちらとあなた方の世界との行き来が出来なくなる前に帰ってもらわないと」

自分たちの世界に戻ると川島がいて
「この基地は放棄する 未来予告社そのものを潰し、捕虜を手に入れて情報を聞き出さなければならない」





3ヶ月間の訓練をマスターした吾郎、実戦にも参加したあかねらと一緒に
10日間しか訓練していない自分が参加して大丈夫だろうかと誠一は不安になる

誘導派は、ちょっとした失敗に乗じて、あらゆる手段で利用するという
吾郎が放火したというのも彼らの工作だった


ボロボロのビルに午前2時に着き、最初に味方が事務所に入り
設備を壊し、占いの本を廃棄、逃げてきた敵を、誠一、川島らが裏口で待ち受け
捕虜をとって脱出するという計画 急がないと警察が来てややこしいことになる

上では混乱し、事務所に火がつけられた
おりてきたのは大高で、時間流補正機と、1mほどの電撃棒を持っている
大高「抵抗はムダだ」





誘導派らは、瞬間的に遠くに移動する技術があるらしい
誠一「あいつらはかたまって、どこかへ移動する気だ!」

大高は補正機で撃つと、味方も消えたが、誘導派の男も消えてしまい
大高は愕然として、そのまま古い倉庫に逃げる
中は本の山があり、床に上げぶたがあった

誠一と川島は大高を追うが、すでに大高は自分の時間流に消えた後


川島
「・・・これもひとつの結末だな 我々は勝ったということになるのだろうな
 補正機が彼らにも効いたということは、この世界が未来とつながらなくなったのを意味する
 だから、ここは誘導派が到来したことのない過去なんだ
 彼らはどこか別の世界に手を出すか、細々と自立するコースを選ぶだろう

 我々はこの倉庫の扉の前にいたから、過去に戻りながらも記憶は失わなかったのだよ
 しかし、つくられた明日はもう存在しない
 君たちは自主性で歴史を作ることになる
 今度の戦いの思い出を語る相手はこの世界にはいないが・・・耐えてもらうことだ」

「川島さんはどうなるんです?」

「この世界に私たちの基地はない だが、自力でできるだけ早く、自分の世界へ戻るつもりだ」

「あなたもまだ向うにいるのでしょう? そのあなたが向うに戻ったら?」

「それぞれの歴史はみな関連しあいながら独立している
 だが、私たちも時間の流れの複雑な作用を完全には把握していない
 それでいて、時間流には奇妙な修復作用があり、矛盾はひとりでに消える
 君の場合も、もう1人の過去の君が出現する心配はいらない 自動的に同化してしまうからだ




誠一は川島と分かれて自宅に戻ると、母が
「学校から帰ってする本を買いに行くって出て行くのはいいけど、今じぶんまでどこへ行ってたの?」

自分はまだ中学2年なのだ




新聞部の引き継ぎの日、あかねが1人本を読んでいる

「何の本?」
「世界の七不思議 面白いのよ 貸してあげてもいいわよ」

あの時の出来事について、あかねや吾郎、家族と喋れないことが痛切に寂しかった


誠一は気をとり直した
この現実を守らなければならないのだ
つくられた明日ではない、自分たちの時間を大切にしなれば・・・

あの時の訓練を自信にして、自分たちの明日を、自分たちで作っていけばいいではないか



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モーガン・フリーマン 時空を超えて・選「パラレルワールドは存在するのか?」

2017-05-10 18:43:07 | テレビ・動画配信
モーガン・フリーマン 時空を超えて・選「パラレルワールドは存在するのか?」

初めて見る番組だけど、タイトルに惹かれて予録した
(4月から木曜10時に変わるそう

まず、ベテラン俳優モーガン・フリーマンがナビゲーターって時点でビックリ

45分間にめいっぱい科学的なことを詰め込もうとするせいか
アメリカ人のせっかちさなのか、展開が速くて追いつくのが精一杯
なのでメモにも誤りがあったらすみません 専門的すぎてよく分からんかった


【内容抜粋メモ】

モーガン:
別次元があることを科学者たちが突き止めようとしている

 

2人の自分は出会うことはない
もし出会えば、激しい爆発とともに消え去るかもしれない

もう一人の自分のいる世界は存在するのか?

小学校の頃、夢中だった女の子がいて、もし別次元に自信に満ちた自分がいたら
今の自分と代わりたいと強く思います(w



パラレルワールドの可能性

マサチューセッツ工科大学のテグマーク(宇宙学者)
統計学を用い、地上では起こりえないことを研究し
すべての人には自分のコピーが、遠い宇宙の影に潜んでいると考えている
(遠い宇宙? 重なっているのではなくて? 怪しい施設がたくさんあるなあ、アメリカには

 

テグマーク:
宇宙はありとあらゆる方向に無限に広がっている



ここにある3つの石を見て オレンジ・白・黒の組み合わせが周りにもたくさんある
でも10個の石の同じパターンを探すのは大変 でも見つけたよ

私たちの体内は膨大な数の原子でできている
それがどう配列されているかで、容姿などが変わる

すべてのパターンは繰り返す
人間のような複雑なパターンでも宇宙の果てなら必ず同じものがあるはず
外見だけでなく中身も

探すのに何年かかるかを計算したら、超天文学的だが、無限の宇宙にしてみれば近所とも言える




1920年代 天文学者エドウィン・ハッブル(ハッブル望遠鏡の? 初見


宇宙は静止していないと見出した
すべての銀河は遠ざかりつつあり、遠くへ行くほどそのスピードは増す 宇宙は膨張している


 

仮にあのコンクリートが静止している銀河だとして、地球から光速でメールを送ればいつかは届く
しかし膨張して遠ざかっている ある時点で光速も超える
そこが私たちは絶対見ることの出来ないパラレルワールドだと考える




フランク・ティプラーは、量子力学というミクロの世界を研究している


私はあらゆる現実は、量子力学で説明できると思っている

 

理論物理学者シュレーディンガーの方程式は、この世界の不確実さを表している
原子は複数の場所に同時に存在でき、複数の粒子が同じ場所に存在することも可能だと説く
それを誰かが見た瞬間、1つに固定される



すると、私たちが見ているのは1つの現実に過ぎない
あの方程式から見ると、すべては曖昧な確率的世界に存在する
量子力学的にいうと、あらゆるものは、誰かが見るまで定まらない



レストランで注文した料理に例えると、フタの中にはあらゆる料理が存在し、フタを開けた時、1つだけが現れる
決定を下すのは、ヒトの観察・測定という行為(それを注文したからじゃなくて?

確定した瞬間、他の決定は消え去ると考えられてきたが
私は、確定前の可能性がすべて消え去るとは思わない

別次元では別のものを食べている自分が無数にいる
自分が決定を下すたびに、分身が生まれているかもしれない



モーガン:
パラレルワールドが遠くにあるとはかぎらない
この不可思議な方程式によれば、私たちは無数のコピーの集合体であるという
今見えている私は1つで、他の自分は影を潜めている 一体どこに?



フランクは分身をアニメで説明
 

アニメは1つの世界がそこにあるように思えるが
1枚の絵のように見えて、実は何層にも重なるスライドで構成されている

 

この1枚のスライドが、1つの宇宙に相当する
それが何枚も重なって宇宙は存在している(眉村さんはこっちの説かな
同時にたくさんの場所に存在している 見えなくても個々の宇宙における「現実」

1つの宇宙にいるかぎり、別の宇宙は見えないが「存在していない」のとは違う
可能性は消えない 1つを選んでも、他の現実があり、存在し続ける

もし、すべてを見渡せたら、そこには無数の自分がいて周囲を観察、測定でき
時間とともに違いは増幅する



ある宇宙では、巨大隕石の軌道がズレ、恐竜が今も生きている
人類の宇宙開発も違っているかもしれない





宇宙学者テグマークの説明する「パラレルワールドの根拠の1つ」
「どんな物体も、同時に2ヶ所に存在できる」と証明しようとしている

 

パラレルワールドを説明するのによく使うのはレーザーポインターです
光は小さな粒子の集まりですが(そうなの?
これらはガラスを通過したり、反射する それはどう決めるのでしょう?

粒子は同時に2ヶ所存在している
私も粒子でできているから、理論的には同時に2ヶ所にいてもおかしくはない




実験物理学者のアンドリューの実験

量子力学がミクロ世界だけでないことを証明しようとしている

シリコンに埋め込まれた小さな金属片は、実は1兆個を超える原子から成り、ミクロ世界では超巨大


量子力学の法則は、電子、原子の世界を支配しているが、大きい物体に当てはまるか証明するのは難しい
外界の影響を遮断するため、完全隔離し、非常に低温な環境が必要

「希釈冷凍機」(50万ドル! 誰が出してるの?! 政府なら軍事か?
 
氷点下200度以下に保たれている

中に1量子という小さなエネルギーを送り
金属片がエネルギーを受け取るか、逃がすかを調べる

 

しばらくは受け取る+逃がすを繰り返した後、同時に振動しはじめた
金属片は0と1で、1秒間に60億回も振動する

これは、量子力学の法則が、私たちの世界の隅々にあてはまることを示している(???
ミクロだけでなく、銀河なども複数の場所に同時に存在し得る

この結果が物理学の世界で脚光を浴びるとは思っていたが、それより大きな反響があった
これを解釈する中からパラレルワールドの理論が育ち、大きな一歩だった




「物質」と「反物質」
科学者らは、この現実と正反対の謎の世界にも気づいた
出会った途端、危険を招くパラレルワールド

宇宙には恐ろしい爆弾「反物質」がある
私たちの物質と「反物質」が遭遇すると、巨大な爆発が生ずる(核とかのこと?

物質と「反物質」はビッグバンの際、同じ量ずつ生まれたと考えられる
だが「反物質」の宇宙はまだ見つかっていない



SLAC国立加速研究所@アメリカ
 
(だから何をやってる施設なの???

理論物理学者ジョアンの任務は、行方をくらました「反物質」の行方を追いかけること
かつて宇宙を満たしていた「反物質」はどこに行ったのかは大きな謎

「反粒子」(質量が同じで性質が反対の粒子)
「反粒子」でできている物質が「反物質」

ビッグバンで同じ量の「物質」と「反物質」が生まれた後、互いに衝突し爆発し消滅しても
一部の「反物質」はどこかに存在し、将来、大爆発を起こすかもしれない(ダークマターの中とか?

「反物質」の特性を調べるため、巨大な「粒子加速器」
ミニチュアのビッグバンを再現している(!

 

質量が同じで性質が反対の「B中間子」と「反B中間子」という一対の粒子をつくる
研究チームは、これが衝突し崩壊する過程を詳細に調べたら
1兆分の1秒の間にわずかの差があることが分かった

「反B中間子」のほうがほんの少し速く、違う崩壊の仕方をする
それは宇宙の生成過程に影響を及ぼした可能性を示唆する



ボードゲームの駒に例えると、駒の数は最初同じでも次第に減り、
最後はわずかに一方が優位に立ち、勝利する

この残った1個のコマが、今の宇宙のすべてです
今の宇宙も、かつて存在した宇宙の一部でしかない
わずかな不均衡がなければ、宇宙は生まれなかったかもしれない

私たちの宇宙が物質でできているのは、反物質のほうがわずかに速く崩壊するためです
研究者は、ビッグバンで反物質の多くは消滅したと考えた
しかし、実験で証明できるのは、一部のみ
まだ衝突していない宇宙がどこかにあるはず



2011年 スペースシャトル「エンデヴァー」最後のミッション
 

「反物質」を追跡する新たな試みが国際宇宙ステーションで始まった
「AMS」は何十億年も前に衝突した「反物質」の「宇宙線」を探す
それらを解析すれば、パラレルワールド、「反物質」の姿が明らかになるかもしれない



モーガン:
「反物質」の宇宙は大いなる未知の領域
もし、パラレルワールドがあってもけっして見ることは出来ないでしょう(そう?

それでも調べるのは、この宇宙の謎が解けるかもしれないから
宇宙がどう生まれ、どう終わるのか?




宇宙のインフレーション理論
天文学者アンドレーは、私たちの宇宙がいつか衝撃的に終わると信じている
今の宇宙が別の宇宙を生み出し、今の宇宙を破壊するという



何百年も科学者は、なぜ宇宙はどの方向に同じに見えるのか疑問に思ってきた
アンドレーは、ビッグバン以外の力が働いたと考える

「ビッグバン理論」は、宇宙の最初は角砂糖くらいのサイズだったと説明している
仮に私たちの宇宙が「ビッグバン」という巨大で無秩序な爆発で生まれたと仮定すると
そのエネルギーを計算すると、約10の85トンという途方もないエネルギーが必要で信じがたい

「宇宙のインフレーション理論」は、「ビッグバン」以前に、宇宙が急激に膨張したというもの
アンドレーは、それを一風変わった写真で説明する



角砂糖ほどの宇宙は無秩序なエネルギーのかたまりだった
中は性質の異なるいくつもの部分に分かれ、色分けのようだった

これが急激に膨張すると、どう見えるか?
小さな私たちは、周りはすべて1色に見え、均一だと思い込む

この理論は、宇宙が永遠に膨張することを示唆する
さらに、ある日、一部で新たなインフレーションが起こり、別の宇宙を膨張させる
そのパラレルワールドは、私たちの宇宙に押し寄せる
宇宙を泡にたとえると、新しい泡がふくらみ、私たちの泡を破壊する

(イタズラに恐怖心を煽っているように思うな 1つの宇宙も生き物なら永遠の命じゃないとは思うけど




異なる意見をもつプリンストン大学のポール

もとは「インフレーション理論」提唱者の1人で終わりがないと考えていたが、限界があると思った

時間とともに膨張を終えた宇宙の断片が増え、一方で宇宙の膨張は続いている
問題は、膨張を終えた宇宙の断片がすべて異なる性質をもつこと それは常に増え続ける
そのような理論は無意味 「なんでもあり」では証明にならない



「第四次元空間」ブレーンワールド
ポールは、私たちの宇宙に隣接する「第四次元空間」の研究をしている
それは宇宙に埋め込まれた膜のようなもの この2枚の新聞が1つの宇宙だとすると
互いの距離は1兆分の1兆分の1cmほどしかない



「ブレーンワールド説」によると、私たちの宇宙はやわらかな膜の上にある
第四次元空間は極めて近いが交わらない独立の存在

 

相互作用がないわけではなく、互いに引き合い、衝突することがあると考えている
衝突すると大量のエネルギーに転換され、あたりに充満する これが「ビッグバン」かもしれない
ビッグバンは時空のはじまりではなく衝突かもしれない




ダークマター(出た
「第四次元空間」は、私たちの世界とはまったく異なる物理の法則にある
ポールはその未知なる領域を探す手がかりがあると考える

別次元の物質を見たり触れたりは出来ないが「重力」は感知できる
近年、天文学者らはすべての銀河の周りに目に見えない重力の物質があると考えるようになり
「ダークマター」と呼んでいる



謎を解くカギは「ブラックホール」の中心にあると考えている(石炭袋、空の穴だよ・・・


どちらかの膜で重力波が大きくなると、もう一方の膜が引き寄せられ
1ヶ所をピンで留めたようになる このつなぎ目がブラックホールで2つの宇宙の接点なのです






ダークマターの謎の解明は現代物理学に課せられた使命の1つ
 

 

その正体が突き止められたら、「ブラックホール」の向う側のパラレルワールドを垣間見れるかもしれない




宇宙の中心とはどこなのか?
400年ほど前は、地球が宇宙の中心だといわれていた
その100年前に真実を見抜いたポーランドの天文学者がいる
地動説を唱えたコペルニクス 彼は1つの疑問を残した「宇宙の中心はどこなのか?」
それはパラレルワールドの入り口でもあるという者がいる

ポーランドの物理学者ニコデムは既存の常識を打ち破る研究をしている


トレーニングは研究に欠かせない 新しい発想が生まれるから
彼は「ブラックホール」のメカニズムなどを研究している

「ブラックホール」の周りには「事象の地平面」と呼ばれる部分があり光も出られない
また中心は重力が大きく、星を小さな点に圧縮してしまう/驚 密度の高い点を「特異点」と呼ぶ

 

だが「特異点」は言い訳にすぎない より単純かつ自然なメカニズムがないか調べている
(うん、真実はいつもシンプルなんだと思う



注目したのはアインシュタインの「時空の歪み」


タオルは時空を表す 巨大な物体の影響で周囲は湾曲する
太陽は時空を湾曲させる 地球は湾曲した時空上で太陽の周りを回る



「ねじれ」
 

アインシュタインと、数学者エリー・カルダンは、ねじれの可能性を示唆したが
それは極めて小さく測定不可能だった

ニコデムはねじれの重力をブラックホールにあてはめてみた
そこでは物質があまりに速く回転するため、時空のねじれが予想される


(なんでもCGで映像化できるのがスゴイね

ペットボトルに赤い液体を入れて振り、渦を作る






これがいわばブラックホールの内部です
竜巻のように回転するのが見えます
ブラックホールではさらに激しい回転をする

ブラックホールの中心に開口部があり、物質が反対側に激しく放たれていると考えた
物質は消えず、エネルギーは保存される
ブラックホールの反対側に達し、「ホワイトホール」で新たな宇宙を作り出す

私たちの宇宙も、別のブラックホールから誕生したと考えられる
私たちの宇宙と、もとの宇宙と結ぶ“へその緒”のようなものがあるはず
そこが私たちの宇宙の中心です


モーガン:
ブラックホールは恐ろしい場所に見えます そこに落ちたら二度と見えなくなるような
しかし、その先に別の宇宙があるかもしれません

そしたら、そこを通じてパラレルワールドにメッセージを送れるのでは?
すでに届いているかもしれない




パラレルワールドとのコミュニケーション

ブラックホールに入った物質は完全にバラバラになるが、すべてなくなるわけではない

ミキサーで攪拌してみせる

紙にポーランド語で「時空」と書いてミキサーに入れてみましょう
どんなに攪拌しても情報は存在している
メモは読めないが、反対の「ホワイトホール」に送り込まれる
いつか誰かが情報を解読するかもしれない

すでに私たちの宇宙にもパラレルワールドからの情報が届いている可能性もある
候補の1つは、宇宙のかなたからくる強力な電磁波「ガンマ線バースト」





「ガンマ線バースト」
ビッグバンに次ぐ巨大な爆発現象で強烈な光を発する
ガンマ線を放出するメカニズムはまだ分かっていない
その光は別の宇宙から届いているのかもしれない

ニコデムは最新望遠鏡を使い、ある現象に注目
ある銀河団が同じ方向に流されているように見えること(面白い



それがブラックホールと関係していると考えた
最近発見された銀河の流れに科学者は大きな関心を寄せています

しかし、ニコデムの理論を数字で表すには難解




モーガン:
パラレルワールドはもはやファンタジーではない
世界中の科学者が挑む理論なのです

かつてはSFだったが、今はれっきとした科学です そして画期的な答えが見つかるでしょう

でも、忘れないでください 今のあなたは、もう1人のあなたの夢を実現しているかもしれませんよ



***


カッコよく締めたけれども、難しい・・・
次回もあったのか「宇宙は生きているのか?」だって

パラレルワールドは、もうSF小説で語られ尽くしてきたけれども
計算式で表して証明するには、まだまだ現代のヒトの頭は追いつかないのね

でも、現象としては、すでに起きている可能性はあると思うな
「神隠し」とか、こないだ読んだ「浦島太郎」とか
私の好きなバミューダトライアングルで飛行機ごと消えた話とか


次回の5.18は「宇宙人はどのような姿か?」
てか、この画像、ダニじゃない?
タコ型火星人かグレーがいいなあ!


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