創元推理文庫 2022年初版 山田順子/訳
※「ジュヴェナイルまとめ」カテゴリー内に追加します
【注意】
トリックもオチもネタバレがあります
極上のミステリーなので、ぜひ読んで犯人当てをしてみてください
副題の通り、ミス・マープルシリーズで最初の長編
あまりに的確な言動で、すでに煙たがられている感じw
今回も1つ、2つの見当は当たったけれども
真犯人については、またあっと驚く展開で
最後のマープルの推理にええーー!?とヤラレた
著者本人も言うように、登場人物や伏線が多過ぎて
複雑に絡み合っているが、それが逆にリアルでもある
ミステリーより、むしろ村人たちの生き生きとした会話や
住人たちの微妙な人間模様に笑ってしまう
【内容抜粋メモ】
登場人物
レナード・クレメント:セント・メアリ・ミード村の牧師
グリゼルダ 牧師の妻 20歳ほど離れている
デニス:牧師の甥
メアリ:牧師館のメイド
ホーズ:牧師補
プロザロー大佐:治安判事
アン:大佐の妻
レティス:大佐と前妻の娘
レディング:画家
ヘイドック:医師
レストレンジ:謎の女性
ストーン博士:考古学者
クラム:博士の秘書
アーチャー:密猟者
村の住人
ジェーン・マープル
レイモンド・ウェスト:マープルの甥 作家
リドリー
ウェザビー
ハートネル
スラック警部
メルチット大佐:州警察本部長
教会の基金のことで計算が合わず
怒ったリドリーはプロザロー大佐に相談
大佐は会計を監査したいと言い出す
グリゼルダ:ミス・マープルは村いちばんの意地悪ネコよ(w
クレメントは聖職者が結婚することに反対していたが
グリゼルダの魅力に夢中になって、20歳近く離れているが妻にした
プロザロー大佐の娘レティスは、いつもふわふわした雰囲気のワガママな美人
父と義母とうまくいっていない
デニスらは彼女に夢中
画家でハンサムなレディングはレティスの露出度の多い絵を描いたことで
プロザロー大佐とケンカした
高名なストーン博士は、プロザロー大佐の領地にある古代墳墓の発掘調査をしている
秘書のクラムは元気でがさつ
クレメントはアトリエでレディングと大佐の妻アンが熱烈なキスをしている所を見てしまい
2人の熱愛を知るが、立場上、別れたほうがいいと忠告する
■殺人事件
プロザロー大佐は6時に牧師館に行く約束をするが
6時15分にしてくれないかと言う
耳が遠いため、とても大きい声で周り中に響く
5時半に電話が鳴り、危篤者がいるので来て欲しいと言われて牧師は館を出る
グリゼルダはロンドンに出かけていて留守
帰りにレディングとすれ違うが正気を失っている様子
書斎のテーブルに大佐がいて、頭を撃たれて即死しているのを発見
メアリ:大佐は6時15分に来て、30分までクレメントが戻らないと伝えると待つと言っていた
ヘイドック医師を呼び、死後30分は経っていると判断
近くにある時計は、クレメントにより15分ほど進められたまま止まっていた
書きかけの手紙には6時20分とあり「もう待てない」と書いてある
スラック警部、メルチット大佐が捜査を始める
■自首
グリゼルダはロンドンから帰り
デニスはレティスらとテニスをして帰る
レディングは自分の銃で大佐を撃ったと警察で自首するが
いろんな証言が曖昧
マープル:
大佐は誰からも嫌われていて
殺す動機がある人は村に7人いる
証拠もないのに、犯人扱いするのは、犯罪的誹毀行為というんじゃないかしら?
あれは前もって入念に計画され、冷静に実行された犯罪です
レティスはあるはずのないベレー帽を探して書斎に入ろうとするが
警察がカギを閉めて出入り禁止にしてしまった
マープル:
あのコは見かけほどぼんやりしていません
わざとそう見せているだけ
次はアンが自首
2人はそれぞれをかばっている模様
時刻なども曖昧なため容疑は晴れる
至近距離で撃たれたのに、誰も銃声を聞いてないのがフシギ
森で銃声のような音がしたのはマープルほか数人聞いた
牧師館に入る前にアンと話したマープルの話では
彼女は銃はおろかハンドバッグも持っていなかった
アン:レディングとアトリエで会う前に書斎を覗いたが誰もいなかった
■アリバイ
アーチャーは密猟のことで大佐とやりあった
メアリはアーチャーと付き合っている
けれども、アーチャーのような男は銃を使わないというのがクレメントの持論
その後、大佐の書いていた手紙の6時20分という文字が違う筆跡だと分かる
これで殺人の時間がまた混乱する
凶器となった銃はレディングが居間に無造作に置いていた(!
しかも部屋にカギはかけないため、誰でも持っていける
アーチャーの母が掃除をしていた時に見たと証言(彼女が怪しいと思った
リドリーは作り声の電話で
「お前はひどい噂をばらまく性悪ばばあだ」と言われたことに心底怒る
ヘイドックはホーズが眠り病を患っていると明かす
最近、とくに顔色が酷いので心配するクレメント(みんな怪しいじゃん
ヘイドック:
罪など実際は存在しない
罪に問う人や家族に責めを負わせてはならんのだ
おそらく将来は犯罪という問題はなくなるだろう
医者が治してしまうからだ
(医者には珍しい科学的でスピリチュアルな視点だな
電話の交換台の呼び出し記録を調べると
クレメントにかかってきたニセの危篤の電話は
オールドホールのノースロッジからかけられた
そして、リドリーへの脅迫はレディングの住まいからかけられたと分かる!
クレメントはなにか証拠でもないかと小道を探していると
同じく真犯人を探しているレディングがなぜか岩を持っている
マープルの日本庭園用にあげて協力してもらおうと思ったと言う
マープル:
メイドたちは警察が嫌いだけれども
レディングさんになら話すかも
■レイモンドの訪問
マープルの家に甥のレイモンドが来る
マープルは夜中にクラムが謎のスーツケースを持って森に行くのを見たと話す
帰りは持っていなかったため、何かを隠した疑いがある
博士は老母に会いにロンドンに出かける途中
駅でレイモンドとぶつかる
薬剤師:あの事件の日は汽車が30分も遅れた!(グリゼルダも偽証?
レディングはオールドホールのメイドから話を聞き出す
レストレンジは事件前の夜、大佐に会って、2人はなにか口論した
大佐:彼女に会ってはならん!
(この辺でレストレンジとレティスの関係が分かった
メアリがレティスに「掃除が出来ていない」と言われてキレて辞めると言い出す
料理も不味くて辟易していたクレメントだが、妻のためになんとか引き留めるw
レティスは書斎のテーブル下にアンのラピスラズリのイヤリングを落として
クレメントは嫌がらせだと気づく
レイモンド:この村は淀んだ水たまりですよ
マープル:誰がどこで暮らしていようと、人生は似たり寄ったりですよ
(これが彼女の信条で口ぐせなんだな
レイモンドとぶつかったのがストーン博士だと紹介すると
彼は違うと言う(!!
プロザロー大佐の家には由緒ある銀器があり
それを狙った詐欺師と分かる
■顔のない絵
アンはクレメントを屋敷に呼び、屋根裏で夜中に音がしたから
朝行ってみたら、顔の部分がズタズタに刻まれた絵が見つかったと話す
(E.P.のイニシャルでもう分かった
アンとレティスは半々ずつ遺産をもらった
クレメント:
なぜ世間は一般論としてひとくくりにしたがるのかフシギだ
一般論が真実なことはめったにない
クレメントは謎のスーツケースを見つけ出してマープルと一緒に見ると
安物の服の下に大佐の銀器が出てくる
クラムを問い詰めると知らないと全否定
同じ場所からピクリン酸も見つかり、爆薬に使われることがあると分かる
■ホーズの異変
ホーズは酷い頭痛がするから説教を代わって欲しいと頼む
牧師館に4通の手紙が来て、近所のご婦人方からで
みんなそれぞれ、家から誰それを目撃したという忠告
リドリーは垣根に犯人が隠れていてクシャミをしたと証言w
もう1通は「レディングのコテージからグリゼルダが出てくるのを見た」とあり
すっかり動揺してしまう
グリゼルダは自分もレディングに恋していた時期があったと告白
クレメントは熱に浮かされたように教会で説教する
「悔い改めよ さもなくばあなたの魂は取り上げられるだろう」
■マープルの推理
マープル:
私の趣味は人間性の観察です
人を本質と上辺で類別する
たいていの人がおかしな性癖を持っていると分かります
私の仮説にはひとつどうしても埋められない穴がある
筆跡鑑定の結果、大佐が書いたと思われた手紙はすべて別人が書いたと分かる
そこに電話が鳴り「神よ、告白したいんです」と言って切れる
声はホーズで家を訪ねるとクスリを飲み過ぎて重体
ヘイドックが病院で処置してなんとか一命をとりとめる
大佐がクレメントに宛てた手紙に
教会の金の着服をしたのはホーズだとある
マープル:
それこそ、あの男が思い込ませようとしていること
レディングは金のある女と駆け落ちしようとした
アマチュア俳優でもあった彼は芝居をうった
大佐を撃ったのはアン(!
レディングが鉢植えに銃を隠した
アンは凶器がないことを私に見せたが
女性がハンドバッグを持たずに出かけることのほうがおかしい
銃にはサイレンサーがつけてあった
森の銃声はピクリン酸に岩をぶつけた時の爆音
その岩を片付けようとしてクレメントに見つかり、慌てて私の所に持ってきた
ホーズはクレメントの説教に心が動いて着服について告白しようとした
レディングは致死量のクスリと入れ替えた
リドリーへの脅迫はグリゼルダとデニスがかけた
クレメントに関する悪い噂を聞いて怒ったため
■罠
クスリを入れ替えるところを見たというニセの証言を流したことで
まんまとひっかかったレディングは
アンと逃げようと打ち合わせて逮捕された
マープルの名前は出されなかった 本人が望まないため
レティスは母レストレンジとともに外国を旅すると決める
レストレンジは病気で余命が短いため、娘に会いたいと大佐にかけあって断られた
肖像画はレストレンジで、顔を隠したのはレティス
レティスはアンが父を殺したとはじめから分かっていた
グリゼルダは妊娠したことをマープルには秘密だというが
マープル:どんな秘密も私はけして口外しませんよ
■女神のたくらみとエビの謎 若竹七海
フーダニットでもっとも難しいのは
秘密をどんな形で読者に知らせるか
そのタイミングときっかけ
1930年代のイギリスの田舎の生活に関する描写が素晴らしい
気になるのは、村で起きた「エビ消失事件」
(そういえば、『火曜クラブ』にもちょこっと出てきたなw
『スリーピング・マーダー』にも出てくるそう
マープルの最後の作品だっけ?
※「ジュヴェナイルまとめ」カテゴリー内に追加します
【注意】
トリックもオチもネタバレがあります
極上のミステリーなので、ぜひ読んで犯人当てをしてみてください
副題の通り、ミス・マープルシリーズで最初の長編
あまりに的確な言動で、すでに煙たがられている感じw
今回も1つ、2つの見当は当たったけれども
真犯人については、またあっと驚く展開で
最後のマープルの推理にええーー!?とヤラレた
著者本人も言うように、登場人物や伏線が多過ぎて
複雑に絡み合っているが、それが逆にリアルでもある
ミステリーより、むしろ村人たちの生き生きとした会話や
住人たちの微妙な人間模様に笑ってしまう
【内容抜粋メモ】
登場人物
レナード・クレメント:セント・メアリ・ミード村の牧師
グリゼルダ 牧師の妻 20歳ほど離れている
デニス:牧師の甥
メアリ:牧師館のメイド
ホーズ:牧師補
プロザロー大佐:治安判事
アン:大佐の妻
レティス:大佐と前妻の娘
レディング:画家
ヘイドック:医師
レストレンジ:謎の女性
ストーン博士:考古学者
クラム:博士の秘書
アーチャー:密猟者
村の住人
ジェーン・マープル
レイモンド・ウェスト:マープルの甥 作家
リドリー
ウェザビー
ハートネル
スラック警部
メルチット大佐:州警察本部長
教会の基金のことで計算が合わず
怒ったリドリーはプロザロー大佐に相談
大佐は会計を監査したいと言い出す
グリゼルダ:ミス・マープルは村いちばんの意地悪ネコよ(w
クレメントは聖職者が結婚することに反対していたが
グリゼルダの魅力に夢中になって、20歳近く離れているが妻にした
プロザロー大佐の娘レティスは、いつもふわふわした雰囲気のワガママな美人
父と義母とうまくいっていない
デニスらは彼女に夢中
画家でハンサムなレディングはレティスの露出度の多い絵を描いたことで
プロザロー大佐とケンカした
高名なストーン博士は、プロザロー大佐の領地にある古代墳墓の発掘調査をしている
秘書のクラムは元気でがさつ
クレメントはアトリエでレディングと大佐の妻アンが熱烈なキスをしている所を見てしまい
2人の熱愛を知るが、立場上、別れたほうがいいと忠告する
■殺人事件
プロザロー大佐は6時に牧師館に行く約束をするが
6時15分にしてくれないかと言う
耳が遠いため、とても大きい声で周り中に響く
5時半に電話が鳴り、危篤者がいるので来て欲しいと言われて牧師は館を出る
グリゼルダはロンドンに出かけていて留守
帰りにレディングとすれ違うが正気を失っている様子
書斎のテーブルに大佐がいて、頭を撃たれて即死しているのを発見
メアリ:大佐は6時15分に来て、30分までクレメントが戻らないと伝えると待つと言っていた
ヘイドック医師を呼び、死後30分は経っていると判断
近くにある時計は、クレメントにより15分ほど進められたまま止まっていた
書きかけの手紙には6時20分とあり「もう待てない」と書いてある
スラック警部、メルチット大佐が捜査を始める
■自首
グリゼルダはロンドンから帰り
デニスはレティスらとテニスをして帰る
レディングは自分の銃で大佐を撃ったと警察で自首するが
いろんな証言が曖昧
マープル:
大佐は誰からも嫌われていて
殺す動機がある人は村に7人いる
証拠もないのに、犯人扱いするのは、犯罪的誹毀行為というんじゃないかしら?
あれは前もって入念に計画され、冷静に実行された犯罪です
レティスはあるはずのないベレー帽を探して書斎に入ろうとするが
警察がカギを閉めて出入り禁止にしてしまった
マープル:
あのコは見かけほどぼんやりしていません
わざとそう見せているだけ
次はアンが自首
2人はそれぞれをかばっている模様
時刻なども曖昧なため容疑は晴れる
至近距離で撃たれたのに、誰も銃声を聞いてないのがフシギ
森で銃声のような音がしたのはマープルほか数人聞いた
牧師館に入る前にアンと話したマープルの話では
彼女は銃はおろかハンドバッグも持っていなかった
アン:レディングとアトリエで会う前に書斎を覗いたが誰もいなかった
■アリバイ
アーチャーは密猟のことで大佐とやりあった
メアリはアーチャーと付き合っている
けれども、アーチャーのような男は銃を使わないというのがクレメントの持論
その後、大佐の書いていた手紙の6時20分という文字が違う筆跡だと分かる
これで殺人の時間がまた混乱する
凶器となった銃はレディングが居間に無造作に置いていた(!
しかも部屋にカギはかけないため、誰でも持っていける
アーチャーの母が掃除をしていた時に見たと証言(彼女が怪しいと思った
リドリーは作り声の電話で
「お前はひどい噂をばらまく性悪ばばあだ」と言われたことに心底怒る
ヘイドックはホーズが眠り病を患っていると明かす
最近、とくに顔色が酷いので心配するクレメント(みんな怪しいじゃん
ヘイドック:
罪など実際は存在しない
罪に問う人や家族に責めを負わせてはならんのだ
おそらく将来は犯罪という問題はなくなるだろう
医者が治してしまうからだ
(医者には珍しい科学的でスピリチュアルな視点だな
電話の交換台の呼び出し記録を調べると
クレメントにかかってきたニセの危篤の電話は
オールドホールのノースロッジからかけられた
そして、リドリーへの脅迫はレディングの住まいからかけられたと分かる!
クレメントはなにか証拠でもないかと小道を探していると
同じく真犯人を探しているレディングがなぜか岩を持っている
マープルの日本庭園用にあげて協力してもらおうと思ったと言う
マープル:
メイドたちは警察が嫌いだけれども
レディングさんになら話すかも
■レイモンドの訪問
マープルの家に甥のレイモンドが来る
マープルは夜中にクラムが謎のスーツケースを持って森に行くのを見たと話す
帰りは持っていなかったため、何かを隠した疑いがある
博士は老母に会いにロンドンに出かける途中
駅でレイモンドとぶつかる
薬剤師:あの事件の日は汽車が30分も遅れた!(グリゼルダも偽証?
レディングはオールドホールのメイドから話を聞き出す
レストレンジは事件前の夜、大佐に会って、2人はなにか口論した
大佐:彼女に会ってはならん!
(この辺でレストレンジとレティスの関係が分かった
メアリがレティスに「掃除が出来ていない」と言われてキレて辞めると言い出す
料理も不味くて辟易していたクレメントだが、妻のためになんとか引き留めるw
レティスは書斎のテーブル下にアンのラピスラズリのイヤリングを落として
クレメントは嫌がらせだと気づく
レイモンド:この村は淀んだ水たまりですよ
マープル:誰がどこで暮らしていようと、人生は似たり寄ったりですよ
(これが彼女の信条で口ぐせなんだな
レイモンドとぶつかったのがストーン博士だと紹介すると
彼は違うと言う(!!
プロザロー大佐の家には由緒ある銀器があり
それを狙った詐欺師と分かる
■顔のない絵
アンはクレメントを屋敷に呼び、屋根裏で夜中に音がしたから
朝行ってみたら、顔の部分がズタズタに刻まれた絵が見つかったと話す
(E.P.のイニシャルでもう分かった
アンとレティスは半々ずつ遺産をもらった
クレメント:
なぜ世間は一般論としてひとくくりにしたがるのかフシギだ
一般論が真実なことはめったにない
クレメントは謎のスーツケースを見つけ出してマープルと一緒に見ると
安物の服の下に大佐の銀器が出てくる
クラムを問い詰めると知らないと全否定
同じ場所からピクリン酸も見つかり、爆薬に使われることがあると分かる
■ホーズの異変
ホーズは酷い頭痛がするから説教を代わって欲しいと頼む
牧師館に4通の手紙が来て、近所のご婦人方からで
みんなそれぞれ、家から誰それを目撃したという忠告
リドリーは垣根に犯人が隠れていてクシャミをしたと証言w
もう1通は「レディングのコテージからグリゼルダが出てくるのを見た」とあり
すっかり動揺してしまう
グリゼルダは自分もレディングに恋していた時期があったと告白
クレメントは熱に浮かされたように教会で説教する
「悔い改めよ さもなくばあなたの魂は取り上げられるだろう」
■マープルの推理
マープル:
私の趣味は人間性の観察です
人を本質と上辺で類別する
たいていの人がおかしな性癖を持っていると分かります
私の仮説にはひとつどうしても埋められない穴がある
筆跡鑑定の結果、大佐が書いたと思われた手紙はすべて別人が書いたと分かる
そこに電話が鳴り「神よ、告白したいんです」と言って切れる
声はホーズで家を訪ねるとクスリを飲み過ぎて重体
ヘイドックが病院で処置してなんとか一命をとりとめる
大佐がクレメントに宛てた手紙に
教会の金の着服をしたのはホーズだとある
マープル:
それこそ、あの男が思い込ませようとしていること
レディングは金のある女と駆け落ちしようとした
アマチュア俳優でもあった彼は芝居をうった
大佐を撃ったのはアン(!
レディングが鉢植えに銃を隠した
アンは凶器がないことを私に見せたが
女性がハンドバッグを持たずに出かけることのほうがおかしい
銃にはサイレンサーがつけてあった
森の銃声はピクリン酸に岩をぶつけた時の爆音
その岩を片付けようとしてクレメントに見つかり、慌てて私の所に持ってきた
ホーズはクレメントの説教に心が動いて着服について告白しようとした
レディングは致死量のクスリと入れ替えた
リドリーへの脅迫はグリゼルダとデニスがかけた
クレメントに関する悪い噂を聞いて怒ったため
■罠
クスリを入れ替えるところを見たというニセの証言を流したことで
まんまとひっかかったレディングは
アンと逃げようと打ち合わせて逮捕された
マープルの名前は出されなかった 本人が望まないため
レティスは母レストレンジとともに外国を旅すると決める
レストレンジは病気で余命が短いため、娘に会いたいと大佐にかけあって断られた
肖像画はレストレンジで、顔を隠したのはレティス
レティスはアンが父を殺したとはじめから分かっていた
グリゼルダは妊娠したことをマープルには秘密だというが
マープル:どんな秘密も私はけして口外しませんよ
■女神のたくらみとエビの謎 若竹七海
フーダニットでもっとも難しいのは
秘密をどんな形で読者に知らせるか
そのタイミングときっかけ
1930年代のイギリスの田舎の生活に関する描写が素晴らしい
気になるのは、村で起きた「エビ消失事件」
(そういえば、『火曜クラブ』にもちょこっと出てきたなw
『スリーピング・マーダー』にも出てくるそう
マープルの最後の作品だっけ?