昨日は放射線科の半年振りの検査日だった。
前夜から降った雪が積もり、気温も-4~-5℃と寒い中、私はダウンのコートに兎毛の襟巻き、防寒靴を履いて家を出た。
今冬初めての慣れない雪道は滑りそうで、腰を少し落として歩いた。
JR駅のホームに入って来た列車が、雪にまみれていたのが新鮮だった。
札幌駅に着いて見ると、あちこちで雪を載せたままの車を見かけた。一晩で二十数センチは降ったようだった。
病院に着き、いつもの様に真っ直ぐ放射線科の受付に行ったら、先月から電子カルテに変わったので、玄関先の機械で受付をして来るように言われた。
行って機械に通院券を入れたら、今度は〈保険証の確認が必要なので、受付に行って下さい〉という文字が出た。結局、あっち行ったりこっち行ったりして手間取った。
それから待つこと1時間40分、やっと名前が呼ばれた。超音波検査室の場所も少し変わっていて、うろうろした。
看護士から上半身裸になり、バスタオルを掛けて待つように言われたので、その体勢で機械の傍のベッドで待つこと15分。体が冷えた頃、やっと医者が現れた。検査は2~3分で終わった。
「異常が無いです。乳腺外科で4ヶ月毎に診てもらっているなら、こちらは次回、1年後にします。」と言われた。嬉しい反面、少し不安な気持ちもした。何よりも、何でも相談できるその医師と1年間会えないのも寂しい気がした。(50代に見えるその医師は、私が「お元気でしたか。」と聞くと、激務で体調を崩して、少し休んだと話していた。)
それから消化器内科に行った。受付の看護士に「9月○日に下腹部痛でかかったのですが、検査後医者に異常なしと言われたけれど、別の皮膚科に行ったら帯状疱疹でした。そのことを必ず伝えて下さい。」と告げた。
会計が終わったら、11時半を過ぎていた。12時に畑の友人達と待ち合わせをしていたので、いつもなら札幌駅まで50分位かけて歩くのだが、バスに乗った。
久し振りに3人でランチを楽しみ、おしゃべりをした。
先日から話題になっているA総理大臣の常識の無さや資質の話も出た。
私は昨日作った虎豆の煮豆を2人に渡した。
別れてからデパート内を少し歩いてみたら、もうすっかりクリスマスモードに飾り付けてあり、お歳暮やクリスマスプレゼントの商戦に溢れていた。陶器製の家型になっているキャンドルスタンドを買い求めている年配の夫婦が居たが、私は何も買わずに帰って来た。
帰宅後、ビデオを巻き戻して見た。
韓国ドラマ「花よりも美しく」が最終回だった。4人の子どもを育て上げ、認知症が進行する母親と、それを取り巻く家族の葛藤と日々が丁寧に温かく描かれていた。半世紀前の日本にもあっただろうと思われる家族関係が、いいなと思った。
「在宅ホスピス」の医者と患者を取材したNHKの番組では、がん患者でも自宅で訪問医療を受けて平穏な末期が送れるなら、病院にいるよりも良いかもしれないと思った。
色々あった1日だった。
放射線科で待っていた時、隣の席に座った2人の女性の会話が耳に入った。
どうやら彼女達も乳がんで治療中のようなのだ。お互いの放射線照射後の経過を報告し合いながら、「放射線科に来るのも、後少しだね。」などと話している。
そこで頃合を見て、「私も同じ病気ですが、いつ手術したのですか。」と、話しかけた。
すると2人とも、今年3月の同日に手術を受け、病室も同じだったのだという。
「私は、手術後4年経ちました。」と告げると、「4年経っても、まだ診察に来ているのですか。」と聞かれた。
私は、「乳がんの場合は、10年は経過を見るのではないですか。」と答えた。そして、「乳腺外科と放射線科は検査の仕方が違うので、両方必要に思うし、私の場合はこちらの先生に精神的に支えてもらったので助かっています。」と話した。
多分彼女達は、インターネットでブログを見たりしていないのだろうと思った。
もっと話したかったが、私の番が来たので席を立った。