毎日市内の限られた地域をうろうろしていると、いつも決まった人達に会う。それは電気工事や道路工事をしている人達だ。
彼らの工事の場所は時々変るが、クレーン車を路上に止めて高い電柱に上がり、そこで工事をしている人がいるかと思うと、傍には交通整理をする人が必ずいる。
今朝も郊外の公園に行くと、いつも少し距離を置いて何度も出会って来た高齢の男性が、電気工事の傍で交通整理をしていた。
私は「こんにちは。」「寒い中、お疲れ様です。今まで何度も会いましたね。」というと、「自分は会う人を覚えていないけど、通る人は覚えてくれるみたいだね。」という。
私が「年齢と共に、だんだん寒さが体に応えるようになりますね。」と話したら、彼が「仕方なく働いているんだ。」「60歳で退職して家に居たけど、その内、毎日パチンコに通うようになったんだ。そうしたら、だんだん足が弱って歩けなくなってしまってさ。仕方が無いので、この仕事をし始めたんだ。」と言うのだ。
顔のしわが深いので、私よりも5歳以上は年齢が上だろうと思っていたが、聞いて見るとほぼ同年齢だった。
そして「お宅さんが元気に歩いていることを、家族は喜んでいるでしょう。」と言われた。
「お互いに体に気をつけて頑張りましょう。」と言って別れた。
ところで、今春亡くなった伯母の連れ合いだった私の亡き伯父は、朝から晩まで居間のソファーに座ったまま、TVを見たり、妻(伯母)に「おい、お茶。」「おい、新聞。」などと指図していて、自分ではトイレ位しか歩いて行かず、ソファーでうたた寝をしてしまう生活を何年もしていた。するとその内、とうとうソファーから立てなくなり、寝たきりになって、最後は94歳で亡くなったのを思い出した。
年々、日本人の「平均寿命」は伸びているが、他人の手助けを受けなくても一人で自立して生活できる「健康寿命」はそんなに伸びていないという。今日は「健康寿命」を維持する事の難しさと、一人ひとりの努力の大切さを考えさせられた。
今日の10時過ぎの気温は-3度だったが、風が弱いので歩きやすかった。9,000歩、5、6kmのウオーキングだった。
(追 記) 厚生労働省2019年発表
「2018年 日本人の平均寿命」 男性81.25歳 女性87.32歳
「2013年 日本人の健康寿命」 〃 71.19歳 女性74.21歳
また、2016年の「都道府県別健康寿命」の中で、「北海道」は男性25位(71.98歳) 女性45位(73.77歳)だったそうだ。
私が考えた「北海道」の「健康寿命」が短い原因は、まず、北国は半年間雪に閉ざされるため、外で運動や活動をする機会が減少するからではないだろうか。
そればかりではない。冬季は家の中に引き篭もる人が大半なので、隣近所に住む人とも滅多に顔を合わす事はなくなる。なので、高齢者世帯や一人暮らしの人は、他人と言葉を交わしたり、交流する機会が極端に減って孤立してしまいがちだ。その結果、精神的な「孤独感」に陥ったり、「欝」場合によっては「認知症」になる高齢者も多いと聞く。
また、北海道の世帯別職業で昔から多い農業や水産業などの「第一次産業」に従事する人を中心に比較的「塩辛い味を好む人が多い」ため、高血圧や脳卒中などになる人が他府県よりも多いこともあるのかもしれない。
地方自治体には、こんな北海道の高齢者が抱える問題点を改善する方策を、一日も早く打ち出して欲しい。
特に冬場、体力維持をはかるための工夫や施設が必要だ。そうでなければ、介護を受けたり、寝たきりになる高齢者が、他府県よりもずっと多く、それも長期になりがちなのが分かっているのだから。