5日目、昆明の空港を8時45分に離陸した国内便は、約600kmを飛んで9時20分に雲南省の北部の都市、麗江に着陸した。
麗江は標高2400mの高さにあり、人口は112万人で、少数民族のナシ(納西)族、リス族、イ族などが多く暮らす町でもある。
空港の外へ出ると、やはり昆明より気温が大分低い。
麗江にはユネスコの世界遺産が3つある。世界自然遺産の「玉龍雪山」と、世界記憶遺産の「トンパ(東巴)文化」、後一つが「世界文化遺産」の「麗江古城」だ。
空港から真っ直ぐレストランに行き、昼食をとった後、「トンパ(東巴)文化博物館」に行った。
所が間もなくガイドが慌てた様子で来て、「玉龍雪山に登るロープウエイが悪天候のため、間もなく運行を中止するという連絡が入ったので、直ぐにそちらへ向うことにしたい。」という話をした。
私たちは直ぐにバスに乗り、「玉龍雪山風景名勝区」へ向った。
玉龍雪山とは、5000m級の13の峰が一列に並んでいる姿が龍に似ているため、そう呼ばれているナシ族の聖山だ。そのため、万年雪の美しい山は人跡未踏なのだという。
途中で観光バスを降り、ロープウエイ乗り場行きの専用バスに乗り換えると、レンタルの赤い防寒着が用意されていた。
同時にガイドが取り寄せた簡易酸素ボンベ(1本40元=600円)が、希望者に販売された。
私はどうしようか迷ったが、考えたらこの数日間、標高2000m位の所にいて、高地に体が大分慣れている筈だから、さらに2500mプラスの場所なら何とか耐えられるのではと思って、思い切って買うのを止めた。
標高3356mのロープウエイ乗り場に着いた時には、すでに雲が厚く、雪も降り出し、風が強まっていた。
私は、下でこの状態なら、上に行っても何も見えないと思ったが、ガイドは明日の天気の保障はないという。
(写真は①ロープウエイ乗り場の入り口 ②順番待ち ③いよいよ乗り込む)
①②③
順番に並んで小型ロープウエイに数人ずつ分乗した。上に行くに連れ外はますます激しく吹雪出し、ガラスに氷が付いて外が見えない。
そうしている内に1150mある高度の差を、僅か15分で昇り、ついに標高4506mの終点・氷河公園に着いた。
そこには大きい建物があり、中に人が沢山いた。飲み物の売店もあった。
空気が薄いので、ゆっくり歩かなければ呼吸が苦しいし、頭も少しふらついた。友人は目の前が真っ白になったらしい。
建物の外は猛吹雪。だが思い切って木の板でできた遊歩道に出て見た。
もし晴れていたら、眼前に玉龍雪山の最高峰、5596mの「扇子トウ」が臨める筈だが、吹雪いていて全く何も見えない。
風雪で体が吹き飛ばされそうだったが、高度標識の所まで行って何とか証拠写真を撮った。そこに居られたのは数分間だけだった。
①売店 ②4506m
③下りのロープウエイにて
建物に戻って少し休んでから下りのロープウエイで下に降りた。グループの中には一時的な高山病になった人もいたが、私は大丈夫でホットした。
また専用バスで来た道を戻り、私たちのバスが待っている駐車場に着いた時、何と玉龍雪山の主峰がその姿を現した。感動して、慌てて写真を撮った。
私が今回の旅で最も期待していた玉龍雪山は、翌日、麗江郊外に行った時にも美しい姿を見せてくれた。
しかし、4506mの展望台で、眼前に白く輝く世界自然遺産の姿を確かめられなかったのは実に残念だった。
だが、この日、高血圧症の私でも、富士山よりずっと高い地点に登れたことは、人生の記念すべき出来事の一つになった。
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中国のすごさよりも、ソナタさんのバイタリティーあふれる行動力に驚いています。読みながらハラハラしてしまいました。吹雪の高山に行くなんて私には考えられません。(若いときに妙高山スキー場の最高地点から雪まみれになって降りたとき、遭難するかもしれないと本気で思ったときから無理ができなくなってしまいました)。飛行機も興味がないし・・・
日頃の鍛え方が私とは全く違いますね。これからもハラハラドキドキの楽しい話題をお願いします。
景色、残念でしたね。でも、体験できただけでも良かったですよね。滅多に行けないところなのですから。
私も南アフリカに行った時、テーブルマウンテンに登ったのですが、悪天候で霧がかかっていて何にも見えませんでした。すごく残念だったけど、今となれば、それも旅の思いでですねー。