この度、図書館から借りて、和田秀樹著の「70歳が老化の分かれ道」を読んだ。
今までにも似たような本を沢山読んで来たが、今回の著書で新しく示唆された内容が幾つかあった。
その一つは「70代は老いと戦える最後のチャンス」であるということ。80代になると、気力体力共に少なからず減少するので、なかなか生活の仕方を変えるのは難しくなるからだ。70代ならば新たな生活習慣を得ることも可能だというのだ。
その「生活の注意点」は次の様な事だ。
何事も「引退」などしない。老化防止の最高の薬は働くことだ。運転免許は返納すべきでない。肉をしっかりと食べるべきだ。急にきついスポーツを始めるよりは、散歩などの軽い運動が長続きする。何か学びたければ、一人で学ぼうとせず、外の会に出かける方が良い。ダイエットはせずに好きな物、美味しいものをしっかり食べて「免疫力」を高める。
次は「医療との付き合い方」を述べていた。
「認知症」は病気ではなく「老化現象」の一つで、誰にでも脳にはアルツハイマーになる原因が少なからずできている。血圧、血糖値はコントロールし過ぎない方が良い。
日本人の死因のトップは癌だが、70代の癌との付き合い方を考える。医者が勧める手術が最高だとは限らない。手術後は必ず体力が落ちるからだ。
最後に、「70代の危機を乗り越える」こと。
先ずは退職や家族、友人などの介護や死去による「喪失感」を上手に乗り切ること。それには仕事をしていた時の自分が最高の自分だったと思わないこと。これからの人生を豊かに過ごす方法を考え、実行する。趣味は新たに始めるよりは、働く内に作っておくと良い。介護を生きがいにしないこと。見通しが難しい「在宅介護」より、「在宅看取り」が良いのでは。
そして最後を「周りの人に優しくなることが、幸せへの近道」だと結んでいる。
この本で私は、退職後の自分の生活の幾つかを肯定できた様に思った。また新たな示唆も得た良い本だった。