子供の頃、プロパンガスが家庭燃料の主役となる以前は、晩秋や早春に山から運んで来た
柴木が台所の唯一の燃料だった。
多分、山の所有者が伐採した際に、残した細い枝を貰い受けたものと思われる。
小さい背中に柴木を背負って細く長い山道を下り、麓に置いたリヤカーに載せて帰るのが
年中行事となっていた。
そして、その柴木を釜で燃やし易いように鉈で短く裁断するのも日課となっていた。
耕作放棄地から持ち帰った大量の細い枝の処分に困りながら、そんな昔を思い出した。
昔の柴木と較べたら立派な薪と言える太さだが、置く場所も確保出来ず来年まで残す
と朽ち果てる可能性もある。
そのため、可能な限り今シーズン中に母屋のストーブで燃やすことに方針を変更した。
一本ずつ手を掛けていたら大変なので、裁断した際にダンボール箱に入れて持ち運び
易いように改めた。
そして、早速、使ってみたところ、燃えやすく熱量も高い優れものであることが分った。
昨日までの邪魔者が、一工夫で今日から主役に躍り出たことに驚いている。