穴村久の書評ブログ

漫才哲学師(非国家資格)による小説と哲学書の書評ならびに試小説。新連載「失われし時を求めて」

村上春樹新作その後

2013-05-11 10:29:18 | 書評
このブログで村上春樹を取り上げるのは社会ニュースになったからだが、その後マスコミなどで見かけた記事をフォローする意味で短文を一つあげる。

発行直後に饒舌に本人が新聞に書いたり、講演までしているようだが、全体的に何を言っているのか、小説よりもさらに分かりにくい。

プロの書評家はもう、いろいろ書いているのだろうね。しかし、私に目に留まったのは産經新聞にしばらく前に出ていた囲みだけだ。善意にテーマを縷説すれば、というか解題すれば、そういうことなんだろうな、と思う。プロの書評家はこうあらねばならないのだろう。

しかし、問題はテーマとか意図ではなくて、いかに小説としてそれを上手に具現化しているかということだろう。その観点からは高い評価は出来ない。

村上氏のようにネームバリューがつけば巨岩が惰性だけで転げ落ちても大変な騒ぎになるという見本のようなものだ。