ドストエフスキーのいいところ
ドストが好きなところは正直自分でもその理由が分からなかった。そこで、文章の艶とかムンムン度と思っていた訳。
1929年に発行されたバフチンの「ドストエフスキーの創作の問題」によると、ドスト批評は二つの流れがある。
*1 主人公達と一緒に夢中になって哲学に耽る、
*2 主人公達を客体化して非参与的に心理学的ないし精神病理学的に分析するもの
2013年のいま、百年前と事情は変わらないようだ。とくに、今でも(*1)が圧倒的に多いような感じだ。そうして私はそのどちらにも意義を認めない。
前回書いたようにバフチンのジャンル論でメニッペアをドストの特徴と分析しているのを読んで、ははあ、これもドストを好む理由の一つだったな、と気が付いた次第。