穴村久の書評ブログ

漫才哲学師(非国家資格)による小説と哲学書の書評ならびに試小説。新連載「失われし時を求めて」

長いお別れ22章

2023-08-24 07:39:42 | チャンドラー

今まで気が付かなかったがロンググッドバイの22章にマーロウが百万長者の長女に向かって彼女の父親の司法、マスコミに対する圧力を非難する大演説をぶつところがある。今度読んでいてなかなかの名文(啖呵)であると気が付いた。それで村上訳と清水俊二訳の該当箇所を読んでみた。両訳は原文の調子を映していない。

原文では父親の事件への裏側からの司法マスコミに対する干渉圧力を種々非難している。that以下の修飾文で畳みかけるように列挙しているが両訳とも気の抜けたような訳文になっている。じゃあどう訳したらいいか、工夫だよ。工夫

該当箇所 

原文:166-167ページ(vintage crime)

村上訳:211ページ以下

清水俊二訳:222ページ以下

 



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