穴村久の書評ブログ

漫才哲学師(非国家資格)による小説と哲学書の書評ならびに試小説。新連載「失われし時を求めて」

S.キング悪霊の島

2010-10-23 00:01:25 | 社会・経済

私にとってキングというのは厄介な作家である。というのは世評からすると素晴らしいエンターテーンメント作家らしい。しかし私にはどうしてだか理解出来ないという点で。人がいい、いい、と言うのに理解できないというのは教科書を自分だけが理解できないのかと不安になる気持ちと似ている。

あれだけの大量生産作家であるから、そのごく一部した読んでいないが、勿論なかにはそのテーマとそれをどう処理しているか理解できる作品もある。初期の作品あるいは彼としては比較的短い作品にはそういうのがある。

あの冗長性がいいというのだろうが、辟易する。悪霊の島は長い作品に入るだろう。なぜ、それならキングを読むのかという疑問はもっともである。あとがきに引かれてとしまらない理由からである。

散歩の途中で本屋による。昔は適当なところどころに喫茶店なるものがあって疲れるとちょっと小憩したものだが、最近はマクドナルドとか画一的なチェーン店が多くなって、とてもゆっくり休めない。また、コーヒーも大分不味くなった。健康志向とかで細いスティックで砂糖が出る。三グラムしかない。最低6グラムはないとね。

それに街中で安心して散歩出来る道はほとんどなくなった。細い道は込み合っている上に自転車にぶつかられる危険性が高い。広いゆったりした道で通行人が少ない道がいいかと言うと、とんでもない話である。女や業務用の自転車がとんでもないスピードで飛んでくる。なかにはスポーツ用の自転車を歩道で全速力で走らせるバカがいる。

てなわけで散歩の途中で本屋に寄ることが多くなった。大きな書店だと一回りすると結構な散歩になる。中には3フロアもある本屋がある。で店内をぶらぶらしながら、棚から本を取りだす。だいたい、あとがきを見るね。それでオイラはバカだから、解説や訳者あとがきにスゴイことが書いてあると買ってしまうのだ。

悪霊の島の訳者あとがきにはしびれた。アメリカでベストセラーで売れに売れているというのだ。アメリカ・ホラー作家協会の最優秀長編賞を受賞したというのだ。書評やインターネットでの評判もすごい、というのだ。

それと技法と言うか、テーマと言うか解説されていることにちょっと興味をひかれたものでマンマとセールス・トークに引っかかってしまった。

以下次号