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観客席で思ったこと ~200文字限定のスポーツコラム~
 



女子W杯2007中国 プレーオフ・第1戦
なでしこジャパン 2対0 女子メキシコ代表
(2007/3/10 国立競技場)

女子サッカー日本代表「なでしこジャパン」の勝利もよかったが、それ以上に、女子サッカーの魅力を十分に楽しむことができた試合だった。

女子サッカーの魅力とは何か?

「スピードや激しさでは、男子にかなわないが、テクニックやパスワークで魅せることはできるのではないか。どこか名人芸的な部分をアピールできたらいいのではないか」

ビバ!サッカー研究会の月例会で、男子サッカーという競合に対して女子サッカーが差別化できるところはどういうことか、という質問に対する、サッカージャーナリスト大住良之さんの答えである。

ぼくも同じような考えだった。そして、なでしこジャパン対メキシコ戦は、まさに個々の高い技術と戦術(=組織力)がうまくかみあった、そして反則の少ない、見ていてとても楽しい、とても気持ちのいい試合だった。とくに、両チームとも丁寧にパスをつなぐために、ボールがタッチラインを割る回数も少なく、試合全体の流れるようなテンポが心地よかった。

なでしこジャパンもメキシコ代表も、ともに技巧的なチームの対戦だったこともあるだろう。そういえば、同じ対戦カードだった前回のワールドカップの予選の試合について「華麗なり、日本女子代表」と題して、女子サッカーの魅力について書いていた。

振り返れば、女子サッカーに対して、4年前にも同じ印象をもっていたことになる。その間、テレビでしか見ていなかったがために、ぼく自身が女子サッカーの魅力を忘れかけていたようだ。

これを機会に、女子サッカーの会場にも足を向けよという声が聞こえたような気がした。その夜に、三ツ沢球技場で横浜ダービーを見たあと、あらためて昼間の女子サッカーの魅力を思い出していたことも覚えておきたい。


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WJBLプレーオフ・第3戦
富士通 68対76 JOMO
(2007/3/11 NHK BS1)

女子バスケットボール(WJBL)2006-2007シーズンの女王を決めるプレーオフの第3戦。普段なら代々木第2体育館で行なわれるが、改修中のため、船橋アリーナが会場となった。午前中に冷たい雨が降っていたこともあって、テレビ観戦とした。

第1戦、2戦は、富士通が得意のアウトサイドからの攻撃で、84対75、83対59と連勝していた。レギュラーシーズンの対戦でも、富士通がすべて勝っている。この第3戦も、序盤リードされた富士通が第1クォーターのさいごに逆転したところで、その勢いのまま、一気に女王の座をつかむかと思ったが…。

この日、後がないJOMOは、ディフェンスでは、終始マン・ツー・マン・ディフェンスで富士通にプレッシャーをかけ続け、オフェンスでは長身センター、山田久美子(192cm、118kg)にボールを集め続けた。シンプルな戦術を徹底することで、チーム全員の気持ちを強く維持することができていたような気がした。

富士通の切り札は、高確率の3ポイントシュートだ。第2戦では、33本放ち、18本を決めた。55%の確率で、83点のうち54点を稼いだ。特に第3クォーターは、シュート練習を見ているようだった。しかし、バスケットボールにおいて、しばしば、外角からのシュートは水物と言われる。ちょっとしたリズムの狂いが、シュート確率に大きく影響する。第3戦の富士通は、JOMOのプレッシャーのなかで、思うようにシュートを放つことができず、その確率も下がっていった。

それに対して、肝心なときに頼りになるのが、長身センターの力強いプレーである。ゴール下でのプレーは得点を重ねるだけでなく、相手にファウルトラブルというダメージを与えることもできる。この試合で、山田は、異例とも言える37分という長時間コートに立ち、チームの得点の半分となる38得点をあげ、富士通のキャプテン三谷をファウルアウトさせた。

この試合で優勝を決めたい富士通は、最後の追い上げという矢先に、エース矢野良子もファウルアウトし、万事休すとなった。これで、富士通の2勝、JOMOの1勝。引き続き、富士通の王手という状況は変わらない。しかし、第3戦の活躍で山田が自信をつけたことは、JOMOにとっては、これ以上ない明るい材料であり、富士通にとっては、実際の体格以上に大きな壁となるのではないか。

山田をどう生かすのか。山田をどうつぶすのか。1日おいての第4戦以降、プレーオフのカギを握るのは、両チームの山田対策であることはまちがいない。

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