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観客席で思ったこと ~200文字限定のスポーツコラム~
 



Mastercard スペシャルマッチ 第2戦
ジャパンXV 6対36 クラシック・オールブラックス
(2007/5/12 秩父宮ラグビー場)

秩父宮ラグビー場を埋めたファンが期待していたのは、クラシック・オールブラックス(以下、CAB)の面々が、代表を引退したとはいえオールブラックスらしいラグビーを見せてくれることと、日本代表が、クラシックと名がつくとはいえ、あのオールブラックスに一泡吹かせることの2つだった。

しかし、願いは一つしかかなわなかった。CABの巧さばかりが目に焼きつき、今秋、W杯に挑む日本代表は、無抵抗状態で、ノートライで敗れたからだ。

試合の印象は、まるで、部活の現役対OB戦のようだった。学生時代に体育会系の部活に所属していたならば、誰もが経験があるのではないか。現役がスピードやパワーを武器に立ち向かうも、精神的に上に立つOB連中が匠の技でかわしていく。

この試合では、オールブラックスのOBであるCABが、余裕のある巧みな試合運びを見せ、現役日本代表の力を完全に封じ込めてしまった。

かつて、日本代表を相手に100点以上とったときのように、縦横無尽に走り回ることはなかったが、一人ひとりがしっかりとボールをキープし、つなぐ姿勢は、王者の余裕だった。さらに、そのなかで、SOマーテンズの正確なキックや、WTBロムーの激走、FBスペンサーの個人技を見ることができた。(ちなみに、この3人が、選手紹介のときに拍手が大きかったベスト3だった。)

あまり激しくないように見える守備でも、混戦の後にグラウンドに倒れているのは日本選手ばかりだった。スピードで抜けそうなラインも、いざ突破しようとすると強固な壁になる。ツボを押さえた、ベテランならではの守備技術を感じた。

対する日本代表は……。

残念ながら、書き留めておこうと思うことはなかった。フランスW杯まで、あと4ヶ月。ガンバレ!というしかない。

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