<パリ・オリンピック雑感 2024/8/7-2>
ハンドボール男子準々決勝、スペイン対エジプトは、延長戦に突入する大接戦の末、残り20秒で7mペナルティを決めたスペインが逃げ切った。前半6分45秒まで、両GKの攻守に阻まれ、双方無得点。GKの存在感が際立つ。特に、エジプトの太っちょGKのアリは、人気選手のようで、選手紹介の時から拍手が多かった。敗戦後には、場内から「アリ!」コールが起こっていた。その守護神アリを擁するエジプトが先制するも、スペインとの一進一退が、最後まで続いた。得点経過もおもしろかったが、あらためてハンドボールが、攻守交替時の切り替えの速さがカギを握る、いわゆるトランジッション・ゲームだということを感じた。そもそもハンドボールをあまり観戦したことがないのだが、日本で観たことのあるものとは、一味も二味も違っていた。
そして、会場の雰囲気も。場内の照明の演出に加え、スタジアムDJの盛り上げと、それに応える観客のハイテンションさは、海外ならでは、室内競技ならでは、だった。プレー中にもかかわらず「クラップ!クラップ!」と拍手を、ときにはウェーブを促す。試合中のほとんどの間、拍手が鳴り響いていた。
初めて観た本場のハンドボールは、月並みな表現だが、最高に面白かった。オーバータイム(延長戦)を含む70分間が、あっという間に過ぎっていった。そして、心地よい疲労感が残った。もちろん、また、こんな試合を観てみたい。
この日の朝、ホテルで日本人の姉妹とドイツ人男性(以前、日本に住んでいた)の3人グループに遭遇。ハンドボールの熱烈なファンで、前日に女子の準々決勝2試合を、そして、この日は、男子の準々決勝4試合を観るという。やはり本場のハイレベルの試合を楽しみたいとのことだった。4試合観戦の初戦から延長戦に入る熱戦となった。3人の体力・気力がもつのか心配しながら、ぼくは十二分に満足してハンドボール会場を後にした。