痴人の愛
2016-06-21 | 読書
殿の本棚から意外な帯付きの文庫本が出てきた。ノンフィクション、戦争、時代小説というジャンルが多い中、谷崎潤一郎の「痴人の愛」である。読み始めたら止まらなくなった。15歳のナオミを育て、自分の妻にするという話だが、作者の実話かと思えるほどの表現力だ。
告白体と言われる手法で書かれている。主人公は堕落していくナオミに翻弄されていく。大正13年から14年にかけて書かれて、その頃、女主人公の名前をとってナオミズムという言葉を流行させたという。
再版されて2013年の文庫本が残っていたのである。安部公房も不思議な感じだったけれど、これも変なの・・と、思いながらもついつい読まされてしまうのである。
やきもきしながら、この男を嫌悪しながら応援し、また、最後にあきれ返り、読んでいるものまで巻き込んでいくような感じである。
やはり、殿にしては珍しいと思ったわ。
読みましたか?意外に面白かったですわ。
今度、貸してあげます・・?そっか、あなたのでしたね。
やはり、おとんでは?