日々、捨てる物がある。ゴミの日に出せるよう身の回りの整理を少しずつしていくと、大切に取っておいた物も消費期限を迎える。
殿のスーツは未だに捨てられないが、せめてユニクロのものを集めて、リサイクルに出そうと思った。ユニクロの店に持っていくと、別に割引になるわけではないが、リサイクルとして快く受け取ってもらえた。このシャツやフリースはあまり着ていない。
なぜか、具合が悪くなってから、よく買い物に行った。目につく物を何でも買った。これから先の長い一生分を、短期間で満たそうというように。
わたしは、ガンになった後、カーテンを買い替えて、車を買った。殿は、ソファを買って、肘掛椅子やテーブルを買った。1年の間に「大爆発だ」と、買いあさっていた。何故か家具屋さんへ行くのが好きだった。疲れると、そのへんのソファやベットに腰かけられるからかもしれない。
買うという行為が、生きるという事につながるような気がした。
大きなフライパンが台所の引き出しにあって、家族が少なくなった今では必要ないので捨てる。最高8人で暮らしていたとき、チャーハンを作るのに大きめのフライパンを使っていた。もう何年も眠っている。古い天ぷら鍋も捨てる。小さなフライパンで揚げ物が出来ることに気付いたからだ。
家には歴史があって、店じまいもあって、その都度捨てて行かなくては、後に残されたものは大変だ。
でも、まだまだ生きていくために買い足す。それは、自分の未来のため。年をとっても未来はある。明日は未来だ。明日が今日になって、今日が昨日になると、また捨てる物がでてくる。忙しい未来である。
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