2006年の作品、タイトルはヒンディー語で「語れない」。
日本であれば親子や兄弟、親族関係、夫婦、恋人同士などが
共演したり、監督や脚本を担当した作品に関係者が出る事は
あまりない(と思う)。インドでは・・・そういうコネは
普通に利用されている。公私混同は当たり前である。
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この映画はバット一族のヴィクラム(写真左)が監督し、
GFであったアミーシャ・パテルを起用している。
上記右側はスシュミタ・センでこの映画のモデル。
カヴィアは元ミス・ワールドの女優と言う設定で、
スシュミタは元ミス・ユニヴァース。
ヴィクラムが27歳で監督した「ダスタク」に
スシュミタが20歳で主演した時に出会い、
ヴィクラムはシェカールのように妻子を捨ててスシュミタの元へ。
バット家はマヘーシュもだけど自分と関係があった、
女性の話を映画にする家系なのか?
転んでもただ起きないと言うか、何でも飯の種にすると言うか。
母親役のアミーシャは当時31歳、父親役のアフターブが28歳、
娘役のリシターが25歳と・・・ちょっと無理があった。
なお、これも良くあるケースであるが監督自身が出演している。
大体の場合は重要な役柄ではなく、その他大勢のシーンとか、
背景に映り込む程度であるが。
<ストーリー> 
シーナ(リシター・バット)が帰宅すると母親のナンディタ
(アミーシャ・パテル)が父親のシェカール(アフターブ・
シヴダサニ)から会いたいと言う手紙が来た事を知らせる。
シェカールは16年前に二人を捨てて家を出ていたため
シーナは会わないと言うが、シェカールが病気で余命幾ばくもない
事を聞いたシーナはシェカールに会う為にムンバイに行く。
病気で衰弱してしまったシェカールはシーナに
16年前何があったのかを記した日記を手渡す。
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医師であるシェカールは、腕を切り自殺を図って病院へ
運び込まれた女優のカヴィア(イーシャ・デオル)の手当てをし、
インタビューアに事故であると発表した。
見舞いに来たBFのロヒットにカヴィアは激高し、
ロヒットはTVでカヴィアを悪く言う。
(自殺の原因はロヒットの女性関係のよう。)
退院したカヴィアは情緒不安定になり、悪夢にうなされ、
仕事でもNGを連発しシェカールを呼ぶ。
友人の精神科の医師クナル(アミン・ハジー)はシェカールに、
深入りしないように忠告する。
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1週間後、シェカールは学会でゴアに行くと、
カヴィアは彼の行き先を調べて現れ関係を迫る。
シェカールは自宅に帰るが、
妻のナンディタとの関係がギクシャクし始める。
シェカールはカヴィアに誘われて逢うようになると、
家族に対して後ろめたい気持ちになり、
カヴィアにもう逢わないと告げる。するとカヴィアは、
病院へおしかけ騒いだためシェカールは抱きしめる。
そして、ゴアでのシェカールとカヴィアの写真が新聞に載る。
シェカールはナンディタに問い詰められ、
ゴアで関係が始まった事を白状する。ナンディタは、
カヴィアの家に行きシェカールを返して欲しいと頼む。
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シェカールはナンディタがカヴィアを訪ねた後、
精神的に追い詰められたカヴィアが自殺を図った事で、
ナンディタを攻め、結婚が間違っていたと言ってしまう。
自分が悪いくせに。でも離れた心は戻るわけがないので、
ナンディタは身を引くしかないなぁ・・・・。
シーナがシェカールの事で学校でいじめられていたため、
シェカールはナンディタと一緒に呼び出される。シェカールは、
シーナに問い詰められ嘘をつくが家に戻るとは言えなかった。
家庭があるシェカールと関係している事が雑誌に載り、
カヴィアの評判は落ち仕事が来なくなった。カヴィアは
忠告したマネージャーを解雇し、深夜に帰宅したシェカールに
今すぐナンディタに電話して離婚するようにと言う。
こういう常識を逸脱した人と一緒にいて安らぐのか?
と思うけど何も見えなくなっているのであった。
離婚に同意したナンディタにシェカールは全財産と親権を
渡す事を決め、全てを捨ててカヴィアの元へ行く。
シーナが病気になっても、ナンディタはシェカールへの連絡を拒む。
見かねた友人が電話をしたがカヴィアはシェカールを呼び出す口実だ、
と狂ったように叫びシェカールを行かせないようにした。
限界に達したシェカールが君は病気だ、狂っていると言うと、
カヴィアは拳銃を持ち出し自分に向けて引き金を引く。
シェカールはナンディタに謝罪をするがナンディタはシーナと
プネに引っ越す事を決めていたためシェカールを追い返す。
日記を読み終わったシーナはシェカールの元へ行く。
シェカールは手を合わせ謝罪し、二人は抱き合う。
翌朝・・・シーナは父親が微笑みながら天国に行った事を知る。
プネの自宅に戻ったシーナは母親に父親を許してくれるように、
頼みナンディタも受け入れる。
・・・・16年間・・・・。
あの時、すぐにはシェカールを許せなかったとしても、
数年後には許して元さやに戻っても良かったなじゃないかと、
私は思った。私なら許してるな。きっと。
ヴィクラム監督は、この映画を通して、別れた妻子に
謝罪したかったのかもしれない。
でも、スシュミタだって女優として現役で頑張ってるんだし、
この作品を撮った事に異議はなかったのだろうか?
心広いなぁ。映画監督と付き合なら映画にされる覚悟がいる。
アフターブ、久々に見たけど、やっぱりいい男だわ。
特に目がいい(笑)。