2014年の作品、タイトルは主人公の名前。
2011年にタミル語映画「シンガム」(2010年公開)の
ヒンディー語版としてリメイクされた作品の続編。
正義の警察官が悪をやっつける物語で、これもインド映画には、
よくある定番中の定番。この作品のアジェイ・デーブガンや
ここから派生したランヴィール・シンの「シンバ」や、
サルマン・カーンの「ダバング」などが有名である。
<ストーリー>
副署長シンガム(アジェイ・デーブガン)はムンバイを守る、
正義感あふれる警察官である。幼なじみのアヴニ(カリーナ・
・カプール)とは周囲は結婚するものと思っているが、
お互いに全くその気はなかった。
ある日、休暇を取っていた部下が河に沈んだ救急車の中で、
多額の現金と共に遺体で発見される。シンガムは捜査を進める。
救急車はいんちき宗教指導者のババジ(アモール・グプテ)の
宗教施設から盗まれた物で盗難届も出されていたが、
シンガムはババジと大臣のラオ(ザキール・フセイン)が、
仕組んだものと考えていた。
与党の指導者グルジ(アヌパム・ケール)は大臣ラオの意見に
反対していたためババジの手下に襲撃され、護衛のシンガムを
守ろうとして撃たれて死んでしまう。シンガムはグルジの為にも、
犯人の逮捕を誓う。
シンガムは辞職した事にしてアヴニと一緒に故郷のシヴガルに戻る。
道中でアヴニはシンガムに対する愛が芽生え始める。
シンガムが故郷に戻った理由はババジの悪事の証拠集めだった。
アヴニの様子にシンガムも結婚を決意する。
裏金倉庫で逮捕したアルタフ(パンカジ・トリパティ)の護送中に、
ババジとラオの差し向けた殺し屋に襲撃されアルタフは重体となる。
さらにシンガムと部下の家族を襲撃し脅迫し始める。
意識が戻ったアルタフは一部始終を話し始める。
あの夜、裏金を積んだ救急車を運転していたアルタフは、
車が故障して立ち往生してしまった。そこに通りかかった
シンガムの部下が修理をしたが、積み荷が現金と知り、
襲って来たアルタフを残して救急車を運転して
現場から離れた事故に遭い河の中に転落してしまった。
グルジを襲撃したのもババジとラオである事も白状した。
シンガムはババジを逮捕するが、ババジは裁判所に入る
アルタフを暗殺させ証人の口をふさぐ。ラオが権力を利用し、
捜査を打ち切るよう命令すると、シンガムは制服を脱ぎ
拳銃を返す。全ての警官は後に続き丸腰でラオの屋敷に乗り込む。
シンガムの問いにババジとラオをお互いに罪を擦り付け合うが、
その様子がTVに生中継されてしまう。
ババジとラオを護送する車が故障し道中で止まると、
そこへタンクローリーが突っ込んでくる。
タンクローリーはブレーキに故障があり事故は防げなかった、
とされた。もちろんシンガムの仕掛けたものである。
正義は勝つ! と言う事であるが、
権力の前では法が曲げられる事も多々あり、
そうさせないために悪人を始末したのであった。
現実にインドではエンカウンター・キリングは普通にある。
政治家だけでなくギャングなども逮捕時や護送途中で
抵抗したり逃げようとしたという理由で始末されている。
アジェイ・デーブガンのハマり役であるが、
カリーナ・カプールが映画のアクセントになっていた。
他の映画でもそうだがコミカルな役や癖のある役は上手い。
この作品ではとてつもない大食いでそそっかしくおてんばで、
硬派なストーリーに別な味付けをしていた。