『 千葉県立八千代西高校(八千代市)で入学金を払っていない生徒2人が入学式に出られなかった。入学金未納や授業料滞納の増加は全国的な現象で、退学など厳しい処分を決めた教育委員会も少なくない。同じ問題に悩む全国の公立高校からは、「やむを得ない」「それでいいのか」という賛否両論が上がる。 千葉県西部の県立高校の校長は「条例がある以上同様の対応を取るだろう」と八千代西に理解を示す。 この校長は、前任の高校で授業料の滞納が相次ぎ、担任や事務職員総出で電話や家庭訪問を繰り返した。「卒業後になっても分割で頑張って払ってくれる家庭もある。払わずじまいでは不公平だ」 別の県立高校の教頭も「まず入学して、その後に入学金を納めるというのはあり得ない。勝手に条例を変えてしまうことになる」という。 未納は千葉だけの悩みではない。例えば、北海道教委は今春、資力があるのに道立高校の授業料や寄宿舎費を支払わない場合、生徒を出席停止や退学にすることにした。すぐに払えないなら5年以内に納付する計画書の提出を求める。 山梨県も4月、授業料を6カ月分未納で出席停止、さらに2カ月で退学を勧告できるようにした。 県立甲府工業高校は、経済的な事情を抱える生徒に許可制でアルバイトを認めている。ガソリンスタンドやコンビニで働き、授業料を自分で出す生徒もいる。戸田泰明校長は「将来は社会に出て働く子たちなので、その体験が生きてくる。そう指導する方法もあると思う」と話す。 一方で、県立富士北稜高校の山田泰男校長は「決まりがある以上、八千代西は間違ってはいないと思う」としつつも、「入学式はスタートなので、本校ならとりあえず出させるかもしれない。矛盾するかもしれないが……」と悩む。 茨城県では3月から実施した要綱で、7カ月以上滞納し、支払う意思も見せない滞納者に対しては簡易裁判所に申し立てることを決めた。 県立竜ケ崎第二高校でこの制度を説明すると、33カ月分を滞納した卒業生が、毎月5千円ずつ支払うことを決めたという。仲澤進校長は「滞納者の家には私も何度も家庭訪問した。取り立て屋になったようでつらい」と話す。 入学金(全日制5500円)を払っていない生徒や卒業生が06年度で850人を数えたのは大阪府立高だ。府教委は翌年度、入学を取り消せる規定を設け、滞納はゼロになった。 しかし、「たとえ滞納しても入学式や卒業式に出席させないことはあり得ない。生徒に罪はないんだから」とある府立高校長(58)は言う。 この高校では常に20~30人が滞納。担任たちは電話や手紙、家庭訪問などで納付を説得。生活保護費に含まれた授業料を使い込む親もいるため、支給日には担任が市役所に付き添うことも。授業料の一部を担任が立て替えたこともあるという。 「学校としても出席させたかった。しかし、県条例で入学金を納めないまま入学を許可することができず、仕方がなかった。苦渋の選択だった」。千葉県立八千代西高の須藤信夫教頭は、そう話す。 県施設の使用料や手数料についての条例に従い、県立高校の入学金は、手続きをする入学式当日に納付する。 八千代西は、入学予定者に合格証明書を送付する際、費用や納付法を説明する文書を同封した。3月には保護者向けに説明会を開き、「当日に全額納付が難しければ分割もできる。授業料減免制度もあるので、事務室に相談に来てほしい」と伝えた。2人の保護者は説明会に出席。8日の入学式には一方の保護者だけ出席した。 県教委によると、県立高校の授業料滞納は99年度まで全くなかったが、00~04年度に急増。その後、減少に転じたが、これは出席停止処分にできるなどとする要綱を定めたためではないかという。』 アサヒコム。
「『都道府県立高校の授業料減免率11人に1人、文部科学省調査』、2006年3月23日木曜日にアサヒコム配信と朝日新聞大阪本社版にも掲載されました記事内容です。授業料の減免を受けている高校生は全国平均で8.4%で、都道府県や地域別にみると大きな格差があります。都道府県別の授業料の減免率は、1位が大阪府の24.6%で、2位の鳥取県の13.8%をかなり開きが有ります。 全国的には、都道府県内の授業料減免率が極めて高い地域と、低い地域との地域格差があります。大阪府では、減免率が60%を超える高校から5%程度の高校まであります。大阪府の授業料減免率が高いのは、授業料減免制度が特に充実しているからと言うことでは有りません。大阪府の授業料減免率の高さの原因は、他の都道府県の公立高校と比べて高い授業料と諸経費に有ります。各都道府県の全日制高校の授業料は、年額11万5000円ぐらいで、大阪府の全日制高校の授業料は、年額14万4000円です。大阪の府立高校では、授業料と空調使用料、年額5400円を高校生から徴収しています。 不況による倒産、廃業、リストラで家庭の経済状態が悪化しているのが、全国的な高校授業料減免の増加の理由として上げられます。大阪府は、生活保護率や完全失業率などが高い水準に有りますし、他の都道府県よりも高校の授業料が高いと言われています。大阪の府立高校での授業減免率が高くなっている結果と思われます。」朝日新聞の切り抜きを保管していましたが紛失しまして、教育プログの数値資料を使わせて頂きました。プログ上からお礼とお詫びを申し上げます。巷では、名古屋より西は、景気が悪いと良く言われて来ました。今の日本の現実は、全国的に社会的格差が拡大し、地域間の所得格差が大きくなって来ているのではないかと考えられます。高校の入学式や卒業式の出席停止には、県条例の規定も有り、賛否両論がありますが。生徒に取って人生、一生一度の思い出に残ることですから、生徒には罪がないと言われた校長の言われる通り、生徒への配慮があっても良いと思います。今後各都道府県の高校生への奨学金制度、就学援助の充実や授業料減免制度と入学金免除を併せた制度も必要です。日本国憲法で保障されています憲法26条1項の「国民は、法律の定めるところにより、その能力に応じて、等しく教育を受ける権利を有する」の教育権と改正教育基本法、教育の機会均等・第4条の①「すべての国民は、等しく、その能力に応じた教育を受ける機会を与えられなければならず、人種、信条、性別、社会的、経済的地位又は門地によって、教育上差別されない』と言う「教育の機会均等」の精神を高校教育にも生かして欲しいと思います。地方の財政赤字の時代に、地方自治体の予算の削減で、社会的弱者にしわ寄せが来ないような方策を立てて下さい。この問題は、教育現場だけではなく全国的に取り組むべきな教育問題です。
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