06月17日 22:10京都新聞
『文部科学省が国立大学に人文社会系の学部や大学院の組織見直しを通達したことについて、京都大の山極寿一総長は17日、「京大にとって人文社会系は重要だ」と述べ、廃止や規模縮小には否定的な考えを示した。 通達は2016年度から始まる国立大学の中期目標の策定に関する内容で8日に送られた。教員養成系や人文社会系の学部・大学院について、18歳人口の減少や人材需要などを踏まえ、「組織見直し計画を策定し、組織の廃止や社会的要請の高い分野への転換に積極的に取り組むよう努めること」としている。 山極総長は「幅広い教養と専門知識を備えた人材を育てるためには人文社会系を失ってはならない。(下村博文文科相が要請した)国旗掲揚と国歌斉唱なども含め、大学の自治と学問の自由を守ることを前提に考える」と説明した。』
この問題、京都大学だけの問題では有りません。少子化による18才人口の減少は、公立大学、私立大学問題も直面する問題です。自然科学優先の大学制度を作り、人文科学や社会科学の研究は不要の偏った大学では、日本の伝統文化や歴史、民族学が後世に継承されず、日本文化が衰退します。教養部廃止で、幅広い教養が身につけられていない弊害が既にに出ているではありませんか。先端科学技術研究やノーベル賞と科学技術賞の獲得を増やすことを日本取って大事と見据えているのかも分かりませんが。最新再生医学研究に偏った大学への改編では、日本の学問研究が先進国から脱落するだけです。今後最新科学技術研究や生命医学の研究が進めば進む程、人間は何かが 世界中で問われ、人間の有り方が深く研究せざるを得ない時代が来ます。人間性の無い科学者を多数輩出しても日本や国民にとって不幸せでは有りませんか。日本の大学における人文科学研究や社会科学研究は、これからの重要性が益々世に問われます。京都大学だけの問題ではなく、日本の全大学が、少子化による18才人口の減少と今後の大学の有るべき姿を考えるべき時期に来ているのかも分かりません。大学の自治と学問研究の自由は、護られなければなりません。下村文部科学大臣ご卒業の早稲田大学教旨に『「学問の独立」は、「在野精神」「反骨の精神」と結び合います。早稲田大学は、自主独立の精神を持つ近代的国民の養成を理想として、権力や時勢に左右されない、科学的な教育・研究を行ってきました。』早稲田マンとして、早稲田大学の建学の精神を忘れないで頂きたいと思います。
About Waseda - 早稲田大学について – 早稲田大学
https://www.waseda.jp/top/about
早稲田大学オフィシャルサイト「早稲田大学について」。研究活動、様々な取り組み、 国際展開、情報公開などを紹介する総合案内です。
大学紹介 - 早稲田大学教旨 - 総長メッセージ - 早稲田の歴史
早稲田大学教旨
1913(大正2)年、創立30周年記念祝典において、総長大隈重信(当時)は早稲田大学教旨を宣言しました。
早稲田大学の教育の基本理念を示す基本文書としての早稲田大学教旨は、高田早苗、坪内逍遥、天野為之、市島謙吉、浮田和民、松平康国などが草案を作成し、大隈重信が校閲の上祝典で発表したものです。 1937(昭和12)年に教旨の碑文が早稲田大学正門前に設置され、今日に至っています。
早稲田大学は学問の独立を全うし 学問の活用を効し
模範国民を造就するを以て建学の本旨と為す
早稲田大学は学問の独立を本旨と為すを以て
之が自由討究を主とし
常に独創の研鑽に力め以て
世界の学問に裨補せん事を期す
早稲田大学は学問の活用を本旨と為すを以て
学理を学理として研究すると共に
之を実際に応用するの道を講し以て
時世の進運に資せん事を期す
早稲田大学は模範国民の造就を本旨と為すを以て
個性を尊重し 身家を発達し 国家社会を利済し
併せて広く世界に活動す可き人格を養成せん事を期す
学問の独立
「学問の独立」は、「在野精神」「反骨の精神」と結び合います。早稲田大学は、自主独立の精神を持つ近代的国民の養成を理想として、権力や時勢に左右されない、科学的な教育・研究を行ってきました。
学問の活用
もちろん、近代国家をめざす日本にとって、学問は現実に活かしうるものであること、日本の近代化に貢献するものであることが求められました。 つまり「学問の活用」です。安易な実用主義ではなく「進取の精神」として、早稲田大学の大きな柱の一つになりました。
模範国民の造就
庶民の教育を主眼として創設された早稲田大学。その3つめの建学の理念が 「模範国民の造就」です。グローバリゼーションが進展する現代、豊かな人間性を持った「地球市民の育成」と言い換えることができるでしょう。 建学の理念とそこから生まれ受け継がれてきた早稲田スピリットは、私たちの財産。早稲田人がひとしく身につける校風です。