東洋経済オンライン 3月23日(水)6時0分配信
これまでの電車にはない斬新なデザインが話題を呼んでいる西武鉄道の新型特急のイメージ(画像提供:西武鉄道)
「斬新すぎる」「まるで光学迷彩のよう」…。3月14日に西武鉄道が2018年度の導入を発表した新型特急は、周囲の風景を映し出す銀色の流線型ボディという、これまでの電車には見られない近未来的なデザインで世間の話題をさらった。 西武が新型の特急電車を導入するのは、1993年に登場した現行の「ニューレッドアロー」10000系以来25年ぶり。デザインを手がけるのは「建築界のノーベル賞」といわれるという「プリツカー賞」を受賞した建築家、妹島(せじま)和世氏だ。
同社が車両デザインに建築家を起用するにはこれが初めてではない。4月から運行を開始する、車内で食事が楽しめる観光電車「西武 旅するレストラン 52席の至福」は、建築家の隈研吾氏が内外装のデザインを担当した。
■ 100周年の集大成に
ここに来て西武が積極的な展開を見せている理由の一つは、同社にとってこの数年が、歴史的な節目の続く「アニバーサリーイヤー」だったからだ。西武鉄道は2012年に創立100周年を迎え、14年には新宿線の国分寺~東村山間が120周年、15年には池袋線が100周年という節目の年が続いた。さらに言えば、16年は西武が新体制に生まれ変わってからちょうど10年でもある。
レストラン電車と新型特急は、100周年アニバーサリーの集大成であるとともに、今後の新たな100年に向けた西武のフラッグシップ・トレインという位置づけだ。そこに起用されたのが、2人の有名建築家だ。
新型特急は8両編成7本を導入し、池袋線・西武秩父線で運行する予定で、検討は今年度に開始。同社やグループの若手社員を中心にプロジェクトチームを立ち上げ、妹島氏と意見交換を行ってコンセプトを策定したという。外観デザインのコンセプトは「都市や自然の中でやわらかく風景に溶け込む特急」だ。
妹島氏は、同じく建築家の西沢立衛氏と設立したユニット「SANAA」で手がけた金沢21世紀美術館など数多くの作品で知られるが、鉄道車両のデザインを手がけるのは今回が初めて。公開されたイラストでは、金属素材を磨き出したような、周囲の風景が映り込む銀色の車体が印象的だ。
イラストはあくまで検討中のイメージ図だが、車体の素材にはアルミを使用し「このデザインを目指して進めている」(西武鉄道広報部)という。妹島氏は「秩父の山の中や都心の街の中と、いろいろな風景の中を走る特急が、やわらかくその風景と共にあるようになれたら良いなと思いました」とコメントしている。
内装についてもまだ詳細は決まっていないが、コンセプトは「ただの移動手段ではなく、目的地となる特急」。乗って移動するだけではなく、特急で過ごすことが目的となるような空間や雰囲気を生む内装デザインを目指すという。
■ 「体験としての鉄道」へ
単なる移動手段からその場で過ごす体験を目的とした列車へ、鉄道のデザインは移り変わりつつある。隈研吾氏がデザインした、4月から運行を開始する観光電車「52席の至福」にも、単に外観や内装ではなく「体験」をデザインするという考え方が表れている。「52席の至福」は、池袋・西武新宿~西武秩父、西武新宿~本川越間を、車内で食事を楽しみながら片道約2時間半~3時間をかけて走る。コースは運行日によって異なるが、1回に乗れるのは列車名の通り52人まで。食事は有名店のシェフが監修し、4月~6月の運行では、埼玉県産の牛肉をテーマにコース料理を提供するという。予約は2月から始まったが、昼の「ブランチコース」(税込み1万円)は6月中まで、すでに満席という人気ぶりだ。 車両は現在西武秩父線などで使われている4000系電車の改造だが、車内は隈氏のデザインにより、木材や和紙などの伝統工芸品を活かした1両ごとに異なるインテリアとなる。
隈氏は「鉄道車両は工業化社会のインフラデザインとして移動という機能が優先だったが、いま鉄道に乗る人はその場で得られる特別な体験に重きを置くようになっている。『体験としての鉄道』がこれからはテーマになる」と語る。』
空気力学の中の航空力学を取り入れたデザインです。
スピードと横風、縦風にも強い安定性を保つには、目指すところは自動車、電車も皆流線型の弾丸のような形になり、皆同じになると思います。鉄道ファン
の喜びも又一つ増えたと思います。
これまでの電車にはない斬新なデザインが話題を呼んでいる西武鉄道の新型特急のイメージ(画像提供:西武鉄道)
「斬新すぎる」「まるで光学迷彩のよう」…。3月14日に西武鉄道が2018年度の導入を発表した新型特急は、周囲の風景を映し出す銀色の流線型ボディという、これまでの電車には見られない近未来的なデザインで世間の話題をさらった。 西武が新型の特急電車を導入するのは、1993年に登場した現行の「ニューレッドアロー」10000系以来25年ぶり。デザインを手がけるのは「建築界のノーベル賞」といわれるという「プリツカー賞」を受賞した建築家、妹島(せじま)和世氏だ。
同社が車両デザインに建築家を起用するにはこれが初めてではない。4月から運行を開始する、車内で食事が楽しめる観光電車「西武 旅するレストラン 52席の至福」は、建築家の隈研吾氏が内外装のデザインを担当した。
■ 100周年の集大成に
ここに来て西武が積極的な展開を見せている理由の一つは、同社にとってこの数年が、歴史的な節目の続く「アニバーサリーイヤー」だったからだ。西武鉄道は2012年に創立100周年を迎え、14年には新宿線の国分寺~東村山間が120周年、15年には池袋線が100周年という節目の年が続いた。さらに言えば、16年は西武が新体制に生まれ変わってからちょうど10年でもある。
レストラン電車と新型特急は、100周年アニバーサリーの集大成であるとともに、今後の新たな100年に向けた西武のフラッグシップ・トレインという位置づけだ。そこに起用されたのが、2人の有名建築家だ。
新型特急は8両編成7本を導入し、池袋線・西武秩父線で運行する予定で、検討は今年度に開始。同社やグループの若手社員を中心にプロジェクトチームを立ち上げ、妹島氏と意見交換を行ってコンセプトを策定したという。外観デザインのコンセプトは「都市や自然の中でやわらかく風景に溶け込む特急」だ。
妹島氏は、同じく建築家の西沢立衛氏と設立したユニット「SANAA」で手がけた金沢21世紀美術館など数多くの作品で知られるが、鉄道車両のデザインを手がけるのは今回が初めて。公開されたイラストでは、金属素材を磨き出したような、周囲の風景が映り込む銀色の車体が印象的だ。
イラストはあくまで検討中のイメージ図だが、車体の素材にはアルミを使用し「このデザインを目指して進めている」(西武鉄道広報部)という。妹島氏は「秩父の山の中や都心の街の中と、いろいろな風景の中を走る特急が、やわらかくその風景と共にあるようになれたら良いなと思いました」とコメントしている。
内装についてもまだ詳細は決まっていないが、コンセプトは「ただの移動手段ではなく、目的地となる特急」。乗って移動するだけではなく、特急で過ごすことが目的となるような空間や雰囲気を生む内装デザインを目指すという。
■ 「体験としての鉄道」へ
単なる移動手段からその場で過ごす体験を目的とした列車へ、鉄道のデザインは移り変わりつつある。隈研吾氏がデザインした、4月から運行を開始する観光電車「52席の至福」にも、単に外観や内装ではなく「体験」をデザインするという考え方が表れている。「52席の至福」は、池袋・西武新宿~西武秩父、西武新宿~本川越間を、車内で食事を楽しみながら片道約2時間半~3時間をかけて走る。コースは運行日によって異なるが、1回に乗れるのは列車名の通り52人まで。食事は有名店のシェフが監修し、4月~6月の運行では、埼玉県産の牛肉をテーマにコース料理を提供するという。予約は2月から始まったが、昼の「ブランチコース」(税込み1万円)は6月中まで、すでに満席という人気ぶりだ。 車両は現在西武秩父線などで使われている4000系電車の改造だが、車内は隈氏のデザインにより、木材や和紙などの伝統工芸品を活かした1両ごとに異なるインテリアとなる。
隈氏は「鉄道車両は工業化社会のインフラデザインとして移動という機能が優先だったが、いま鉄道に乗る人はその場で得られる特別な体験に重きを置くようになっている。『体験としての鉄道』がこれからはテーマになる」と語る。』
空気力学の中の航空力学を取り入れたデザインです。
スピードと横風、縦風にも強い安定性を保つには、目指すところは自動車、電車も皆流線型の弾丸のような形になり、皆同じになると思います。鉄道ファン
の喜びも又一つ増えたと思います。