■美人は本当にトクをしているか
「美人はトクよね」
「あいつは顔で得をしている」
う そんなセリフを口にしたり、耳にした経験がある方は多いだろう。そのようなことを実感する場面が、日常生活に存在しているのは事実である。
しかし、こういうセリフはあまり公の場では口にできないのもまた現実だ。
仮に政治家が、この手の発言をしたら、おそらく「アウト」となるだろう。
この種の「言ってはいけない」とされることについて、大胆に言及したのが、作家・橘玲氏の新著『言ってはいけない 残酷すぎる真実』だ。
以下、同書をもとに「美貌格差」に関する「残酷すぎる真実」をご紹介しよう。
「美人と不美人の生涯格差」について研究したのは、経済学者のダニエル・ハマーメッシュ。彼は多くの男女の見た目を5段階評価したうえで、それぞれの収入を調べる、という研究を行った。
すると、平均点(3点)の女性を基準にした場合、4点~5点の女性は平均女性よりも8%収入が多く、逆に1~2点の女性は4%少ない、という結果が出たという。
これを大卒のサラリーマンの生涯賃金(平均約3億円)にあてはめて計算した場合、美人は約2400万円のトクをし、不美人は1200万円の損をして、その「生涯賃金格差」は3600万円にもなるのだ(※1)
■成功者は顔でわかる
「女性は大変だなあ。男でよかった」
などと安心するのは間違いだ。
男性の容貌に関する研究もある。
米タフツ大学のニコラス・ルールとナリーニ・アンバディは「CEO(最高経営責任者)の顔だけで会社の収益を予測できるか」というとんでもない疑問を思いつく。そして、被験者に2006年のフォーチュン500(米国の大手企業500社)の上位と下位の各25社(計50社)の男性CEOの顔写真を見せて、以下の3点を評価してもらった。
(1)力:CEOの能力、統率力、顔の成熟度から判定
(2)温かみ:CEOの好感度、信頼度から判定
(3)リーダーシップ:この人物は巧みに会社を運営できるか?
その結果、彼らは「力」と「リーダーシップ」の印象だけで会社の収益をきわめて正確に予測した(「温かみ」は業績とは無関係だった)。この結果はCEOの顔立ちの端正さ、表情、年齢を揃えても変わらなかった。
しかも、被験者たちの脳をMRIで調べたところ、高収益の会社のCEOの顔写真を見ているときのほうが、扁桃体が活発に動いており、感情が動かされていることがわかった。(※2)。
容貌と経済的成功には何らかの相関があるということである。
幸か不幸か、日本では、こうした社会的タブーとされるテーマに関する研究、実験は少ないが、欧米ではある程度行われている。『言ってはいけない』では、そうした様々な研究成果を紹介しつつ、普段は口にできないような「真実」に迫っている。
※1 詳細は、ダニエル・S・ハマーメッシュ『美貌格差』(東洋経済新報社)参照。
※2 詳細は、マシュー・ハーテンステイン『卒アル写真で将来はわかる』(文藝春秋)参照。
デイリー新潮編集部』
会社側も容姿端麗な女性を採用すると企業としてのイメージアップと営業活動での宣伝効果が、上がると言う現実と思います。
最近では、プラス才色兼備が、求められているのでは、無いでしょうか。
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