<仙台二華高>東大合格8人 中高一貫で成果
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今春の大学入試で飛躍を遂げた仙台二華高。来年の受験に向け、高校3年生が真剣な表情で授業に臨む=仙台市若林区
(河北新報)
『今春の大学入試で、2010年に男女共学化され中高一貫校となった宮城県立の仙台二華高(仙台市若林区)が東京大に8人の合格者を出し、現役実績で東北最多になった。県内で長年トップの座にあった仙台二高(青葉区)や伝統校の仙台一高(若林区)を抜き、序列の地殻変動が起きた形だ。
<6年間計画的に>
二華高は宮城二女高を前身とし、生徒は703人。今春の卒業生227人のうち、中高一貫1期生の67人が巣立ちを迎えた。併設型中高一貫校になってからの東大合格者は初めての快挙で、今春は京都大にも現役で4人が受かった。
県内有力校の東大合格者数は、仙台二高の7人(現役4人)、仙台一高の1人(既卒)など。予備校関係者によると、二華高の現役合格8人は東北他県の進学校を抑え、最多だった。
6年間、生徒を指導した男性教諭は「授業の質と量はどこにも負けないと思っていたがこれほど良い結果とは」と驚きを隠さない。
生徒は中学3年から高校レベルの授業を段階的に先取りして学ぶ。高校進学後は2年間で受験範囲の基礎学習を終え、高校3年は生徒の進路希望に応じた授業の充実を図る。高3の男子生徒(17)は「6年間、大学を意識した勉強が計画できる」とメリットを話す。
<14年SGH認定>
14年には、宮城の県立高として初めて文部科学省のスーパーグローバルハイスクール(SGH)に認定された。東北大大学院での研究活動参加や国内外のフィールドワークなど、詰め込み型の受験対策を超えた「学ぶ力」を育んできた。
山内明樹校長は「従来の枠にとらわれない環境づくりを目指した教育システムは間違っていなかった」と成果を強調する。
同校を巡っては、二華中からの内部進学生と他中からの進学生との学力格差が課題とされ、15年度高校入試では出願者が定員を割り込んだ。
一方で中学入試の倍率は近年、5倍程度を維持。開校初年度の約15倍に及ばないものの、保護者らの期待は大きいままだ。今春の進学実績を受けて、志願熱がさらに高まるとの見方が広がっている。
大手予備校の河合塾東北本部(青葉区)の谷口哲也部長は「大学を意識した6年間のカリキュラムを組めるのは大きな利点。子どもの受験を考える家庭が増えるだろう」と予想する。』
中高一貫校は、6年目が勝負と言われています。
6年間のカリキュラムの中高一貫校でないと公立高校も私立の中高一貫校に太刀打ち出来ないと思います。
都市圏と地方圏内の社会的格差が、是正されず拡大している今日、公立の中高一貫校への志願者が今後増えるでしょう。