30Jun
2016
小池百合子が、後出しじゃんけんとは真逆に、突然、先走り立候補宣言をしたのには心底驚いた。
この背景に裏があれば別だが、私は単純な小池百合子の暴走だと思っている。
私は今度の東京都知事選挙にはまったく関心はない。
誰が立候補し、誰が勝っても、負けても、都政はおろか、国政に何の影響もないと思うからだ。
しかし、既存の政党、政治家の権力欲や浅ましさを見極めるには、格好の見世物だと思っている。
多少なりとも小池百合子と言う政治家を知ってる私は、今度の「崖から飛び降りる」という決断を、いかにも彼女らしいと思って受け止めた。
もはや政治家としての将来性はない事を自覚した彼女は、それでもただで終われなかったのだ。
自民党からの公認要請がないと見限って、自民党としての政治家を捨てて自ら手をあげたに違いない。
もちろんただの自爆ではない。
混迷する都知事レースを見て、先に手をあげることによって勝算あり、と賭けに出たのだ。
これにあわてたのは自民党東京都連だ。
沽券にかけて桜井パパを公認する動きを加速させようとしている。
果たして安倍自民党はどう反応するのだろうか。
嫌がる桜井パパを、菅官房長官は本気で口説くのか。
私なら、繰り返し書いてきたように、今度の都知事選に独自の候補者を立てない。
相乗りして負けるリスクを避け、ただでさえ大変な国政に集中する。
もし安倍・菅コンビが、桜井パパでも、それより勝てそうな誰でもいいが、独自の候補者を民進党より先に立てるなら、負けるかもしれないというおそれを抱いて戦わなくてはいけない。
大きな間違いである。
しかし、小池百合子の先走り立候補宣言で安倍自民党以上にあわてたのは民進党に違いない。
なにしろ自民党との相乗りだけはしないと繰り返し公言し、独自候補にやっきだからだ。
しかし、この時期に、民進党公認で立候補する者など、まともな人物なら出てくるはずがない。
ましてや勝てる候補など、まず見つからない。
唯一の候補者が蓮舫だったのだが、自公が牛耳っている東京都議会相手に何も出来ない事を知って、あっさり見送った。
果たして民進党は蓮舫が消えた後、誰を担ぎ出すのか。
小池百合子といえども、知名度と実績はある。
それに勝てる候補者はそう簡単に見つからない。
宇都宮弁護士のように、左翼、反権力の候補者なら、絶対に勝てないだろう。
取りざたされる候補者の中では片山善博しかいないと私は早々と断言して来た。
彼が受けるかどうかわからないが、いずれにしても民進党は国政の劣勢を跳ね返すには勝てる候補者を探すしかなく、それは取りも直さず、自公が相乗りできる候補者にならざるを得ない。
私が今度の東京都知事選に関心が無い理由がそこにある。
しかし、そんな不毛な東京都知事選挙でも、マスコミにとっては格好のネタだ。
小池百合子が先走って立候補宣言してくれたおかげで、これから毎日のように東京都知事選の報道を始めるだろう。
ただでさえEU離脱問題で忙しいのに、東京都知事選が加わり、天下分け目の7月10日の参院選がますますかすんで行く。
その裏で、存在感を増すのが東京都議会議員たちだ。
与野党を問わず、都民の為にロクな仕事もしないで、分不相応な議員報酬を手にし、巨大な利権を動かして都政を牛耳る。
東京都議会議員こそ、国会議員の悪しきコピーだ。
国民やメディアの監視の目が届かないだけ悪質だ。
東京都知事選挙とそれを左右する東京都議会議員こそ、既存の政党、政治家の合わせ鏡である(了)