毎日新聞 6月15日(水)23時28分配信
<中国軍艦侵入>政府警戒…「既成事実化の恐れ」
中国軍艦の動き 日本の領海
中国の軍艦が15日未明、鹿児島県・口永良部(くちのえらぶ)島沖の領海を航行したことを受け、政府は中国が「航行の自由」を盾に日本の領海侵入の実績づくりを狙う可能性もあるとみて警戒を強めている。中国は9日に沖縄県・尖閣諸島周辺の接続水域に軍艦を初めて航行させたばかりで、岸田文雄外相は「状況をエスカレートさせている」と批判した。
防衛省によると、15日午前3時半ごろ、中国海軍の情報収集艦1隻が領海を航行しているのを海上自衛隊の哨戒機が確認。午前5時ごろに領海を出た。中国国防省は15日発表の談話で「国際的航行に使われる海峡で、国連海洋法条約の航行の自由の原則に合致する」と問題はないとした。同条約は、領海でも沿岸に国の安全や秩序を害さない無害通航なら軍艦の航行を認める。2004年に中国潜水艦が沖縄沖の領海を潜没したまま航行した際は、政府は領海侵犯と判断した。
防衛省関係者は「これまで控えてきた行動を立て続けにやってきた。今後も繰り返し、既成事実化を進める可能性もある」と指摘。中谷元(げん)防衛相も記者団に「さらに厳重に警戒監視する」と述べた。
9日の尖閣諸島沖で中国艦がロシア艦船を追う動きをしたのに続き、今回も中国艦は日米印3カ国の共同訓練参加のインド海軍艦船を追尾するように領海に入った。第三国艦船の動きを利用したとの指摘もある。ただ、今回は中国が領有権を主張していない海域であることを政府は考慮。外務省の金杉憲治アジア大洋州局長が在日中国大使館の劉少賓公使に電話で懸念を伝えるにとどめた。【村尾哲、前田洋平、北京・石原聖】
『2004年に中国潜水艦が沖縄沖の領海を潜没したまま航行した際は、政府は領海侵犯と判断した。』と書かれているのは、潜水艦が潜水したまま浮上せずに沖縄沖を航行したのは、海洋法における国際連合条約
第20条 潜水船その他の水中航行機器
潜入船その他の水中航行機器は、領海においては、海面上を航行し、かつ、その旗を掲げなければならない。」に違反すると言うことです。
中国政府の主張する自国本意の『航海自由の原則』は、領海侵犯を繰り返す国連海洋法条約を無視した違法行為です。
今後中国の強大な軍事力による威嚇を背景にした領有権拡大政策により、アメリカ第7艦隊の東シナ海や南シナ海での活動を妨害し、東南アジア諸国との発砲や軍事的衝突が、頻発すると思います。海上保安庁巡視船の海上警備だけでは、海上保安官の安全と生命が危険にさらされ任務遂行が、困難な状況でなのではありませんか。
国連海洋法条約目次
www.geocities.co.jp/WallStreet/7009/m...
海洋法に関する国際連合条約
平成8年7月12日条約6号 発効平成8年7月20日外告309号
第3節 領海における無害通航
すべての船舶に適用される規則
第17条 無害通航権
すべての国の船舶は、沿岸国であるか内陸国であるかを問わず、この条約に従うことを条件として、領海において無害通航権を有する。
第18条 通航の意味
1 通航とは、次のことのために領海を航行することをいう。
a.内水に入ることなく又は内水の外にある停泊地若しくは港湾施設に立ち寄ることなく領海を通過すること。
b.内水に向かって若しくは内水から航行すること又は(a)の停泊地若しくは港湾施設に立ち寄ること。
2 通航は、継続的かつ迅速に行わなければならない。ただし、停船及び投びょうは、航行に通常付随するものである場合、不可抗力若しくは遭難により必要とされる場合又は危険若しくは遭難に陥った人、船舶若しくは航空機に援助を与えるために必要とされる場合に限り、通航に含まれる。
第19条 無害通航の意味
1 通航は、沿岸国の平和、秩序又は安全を害しない限り、無害とされる。無害通航は、この条約及び国際法の他の規則に従って行わなければならない。
2 外国船舶の通航は、当該外国船舶が領海において次の活動のいずれかに従事する場合には、沿岸国の平和、秩序又は安全を害するものとされる。
a.武力による威嚇又は武力の行使であって、沿岸国の主権、領土保全若しくは政治的独立に対するもの又はその他の国際連合憲章に規定する国際法の諸原則に違反する方法によるもの
b.兵器(種類のいかんを問わない。)を用いる訓練又は演習
c.沿岸国の防衛又は安全を害することとなるような情報の収集を目的とする行為
d.沿岸国の防衛又は安全に影響を与えることを目的とする宣伝行為
e.航空機の発着又は積込み
f.軍事機器の発着又は積込み
g.沿岸国の通関上、財政上、出入国管理上又は衛生上の法令に違反する物品、通常又は人の積込み又は積卸し
h.この条約に違反する故意のかつ重大な汚染行為
i.漁獲活動
j.調査活動又は測量活動の実施
k.沿岸国の通信系又は他の施設への妨害を目的とする行為
l.通航に直接の関係を有しないその他の活動
第20条 潜水船その他の水中航行機器
潜入船その他の水中航行機器は、領海においては、海面上を航行し、かつ、その旗を掲げなければならない。
第21条 無害通航に係る沿岸国の法令
1 沿岸国は、この条約及び国際法の他の規則に従い、次の事項の全部又は一部について領海における無害通航に係る法令を制定することができる。
a.航行の安全及び海上交通の規制
b.航行援助施設及び他の施設の保護
c.電線及びパイプラインの保護
d.海洋生物資源の保存
e.沿岸国の漁業に関する法令の違反の防止
f.沿岸国の環境の保全並びにその汚染の防止、軽減及び規制
g.海洋の科学的調査及び水路測量
h.沿岸国の通関上、財政上、出入国管理上又は衛生上の法令の違反の防止
2 1に規定する法令は、外国船舶の設計、構造、乗組員の配乗又は設備については、適用しない。ただし、当該法令が一般的に受け入れられている国際的な規則又は基準を実施する場合は、この限りでない。
3 沿岸国は、1に規定するすべての法令を適当に公表する。
4 領海において無害通航権を行使する外国船舶は、1に規定するすべての法令及び海上における衝突の予防に関する一般的に受け入れられているすべての国際的な規則を遵守する。
第22条 領海における航路帯及び分離通航帯
1 沿岸国は、航行の安全を考慮して必要な場合には、自国の領海において無害通航権を行使する外国船舶に対し、船舶の通航を規制するために自国が指定する航路帯及び設定する分離通航帯を使用するよう要求することができる。
2 沿岸国は、特に、タンカー、原子力船及び核物質又はその他の本質的に危険若しくは有害な物質若しくは原料を運搬する船舶に対し、1の航路帯のみを通航するよう要求することができる。
3 沿岸国は、この条の規定により航路帯の指定及び分離通航帯の設定を行うに当たり、次の事項を考慮する。
a.権限のある国際機関の勧告
b.国際航行のために慣習的に使用されている水路
c.特定の船舶及び水路の特殊な性質
d.交通のふくそう状況
4 沿岸国は、この条に定める航路帯及び分離通航帯を海図上に明確に表示し、かつ、その海図を適当に公表する。
第23条 外国の原子力船及び核物質又はその他の本質的に危険若しくは有害な物質を運搬する船舶
外国の原子力船及び核物質又はその他の本質的に危険若しくは有害な物質を運搬する船舶は、領海において無害通航権を行使する場合には、そのような船舶について国際協定が定める文書を携行し、かつ、当該国際協定が定める特別の予防措置をとる。
第24条 沿岸国の義務
1 沿岸国は、この条約に定めるところによる場合を除くほか、領海における外国船舶の無害通航を妨害してはならない。沿岸国は、特に、この条約又はこの条約に従って制定される法令の適用に当たり、次のことを行ってはならない。
a.外国船舶に対し無害通航権を否定し又は害する実際上の効果を有する要件を課すること。
b.特定の国の船舶に対し又は特定の国へ、特定の国から若しくは特定の国のために貨物を運搬する船舶に対して法律上又は事実上の差別を行うこと。
2 沿岸国は、自国の領海内における航行上の危険で自国が知っているものを適当に公表する。
第25条 沿岸国の保護権
1 沿岸国は、無害でない通航を防止するため、自国の領海内において必要な措置をとることができる。
2 沿岸国は、また、船舶が内水に向かって航行している場合又は内水の外にある港湾施設に立ち寄る場合には、その船舶が内水に入るため又は内水の外にある港湾施設に立ち寄るために従うべき条件に違反することを防止するため、必要な措置をとる権利を有する。
3 沿岸国は、自国の安全の保護(兵器を用いる訓練を含む。)のため不可欠である場合には、その領海内の特定の水域において、外国船舶の間に法律上又は事実上の差別を設けることなく、外国船舶の無害通航を一時的に停止することができる。このような停止は、適当な方法で公表された後においてのみ、効力を有する。
第26条 外国船舶に対して課し得る課徴金
1 外国船舶に対しては、領海の通航のみを理由とするいかなる課徴金も課することができない。
2 領海を通航する外国船舶に対しては、当該外国船舶に提供された特定の役務の対価としてのみ、課徴金を課することができる。これらの課徴金は、差別なく課する。
B 商船及び商業的目的のために運航する政府船舶に適用される規則
第27条 外国船舶内における刑事裁判権
1 沿岸国の刑事裁判権は、次の場合を除くほか、領海を通航している外国船舶内において、その通航中に当該外国船舶内で行われた犯罪に関連していずれかの者を逮捕し又は捜査を行うために行使してはならない。
a.犯罪の結果が当該沿岸国に及ぶ場合
b.犯罪が当該沿岸国の安寧又は領海の秩序を乱す性質のものである場合
c.当該外国船舶の船長又は旗国の外交官若しくは領事官が当該沿岸国の当局に対して援助を要請する場合
d.麻薬又は向精神業の不正取引を防止するために必要である場合
2 1の規定は、沿岸国が、内水を出て領海を通航している外国船舶内において逮捕又は捜査を行うため、自国の法令で認められている措置をとる権利に影響を及ぼすものではない。
3 1及び2に定める場合においては、沿岸国は、船長の要請があるときは、措置をとる前に当該外国船舶の旗国の外交官又は領事官に通報し、かつ、当該外交官又は領事官と当該外国船舶の乗組員との間の連絡を容易にする。緊急の場合には、その通報は、当該措置をとっている間に行うことができる。
4 沿岸国の当局は、逮捕すべきか否か、また、いかなる方法によって逮捕すべきかを考慮するに当たり、航行の利益に対して妥当な考慮を払う。
5 沿岸国は、第12部に定めるところによる場合及び第5部に定めるところにより制定する法令の違反に関する場合を除くほか、外国の港を出て、内水に入ることなく単に領海を通航する外国船舶につき、当該外国船舶が領海に入る前に船内において行われた犯罪に関連していずれかの者を逮捕し又は捜査を行うため、いかなる措置もとることができない。
第28条 外国船舶に関する民事裁判権
1 沿岸国は、領海を通航している外国船舶内にある者に関して民事裁判権を行使するために当該外国船舶を停止させてはならず、又はその航路を変更させてはならない。
2 沿岸国は、外国船舶が沿岸国の水域を航行している間に又はその水域を航行するために当該外国船舶について生じた債務又は責任に関する場合を除くほか、当該外国船舶に対し民事上の強制執行又は保全処分を行うことができない。
3 2の規定は、沿岸国か、領海に停泊しているか又は内水を出て領海を通航している外国船舶に対し、自国の法令に従って民事上の強制執行又は保全処分を行う権利を害するものではない。
C 軍艦及び非商業的目的のために運航するその他の政府船舶に適用される規則
第29条 軍艦の定義
この条約の適用上、「軍艦」とは、一の国の軍隊に属する船舶であって、当該国の国籍を有するそのような船舶であることを示す外部標識を掲げ、当該国の政府によって正式に任命されてその氏名が軍務に従事する者の適当な名簿又はこれに相当するものに記載されている士官の指揮の下にあり、かつ、正規の軍隊の規律に服する乗組員が配置されているものをいう。
第30条 軍艦による沿岸国の法令の違反
軍艦が領海の通航に係る沿岸国の法令を遵守せず、かつ、その軍艦に対して行われた当該法令の遵守の要請を無視した場合には、当該沿岸国は、その軍艦に対し当該領海から直ちに退去することを要求することができる。
第22条 軍艦又は非商業的目的のために運航するその他の政府船舶がもたらした損害についての旗国の責任
旗国は、軍艦又は非商業的目的のために運航するその他の政府船舶が領海の通航に係る沿岸国の法令、この条約又は国際法の他の規則を遵守しなかった結果として沿岸国に与えたいかなる損失又は損害についても国際的責任を負う。
第32条 軍艦及び非商業的目的のために運航するその他の政府船舶に与えられる免除
この節のA及び前2条の規定による例外を除くほか、この条約のいかなる規定も、軍艦及び非商業的目的のために運航するその他の政府船舶に与えられる免除に影響を及ぼすものではない。
h.沿岸国の通関上、財政上、出人国営理上又は衛生上の法令の違反の防止
2 1に規定する法令は、外国船舶の設計、構造、乗組員の配乗又は設備については、適用しない。ただし、当該法令が一般的に受け入れられている国際的な規則又は基準を実施する場合は、この限りでない。
3 沿岸国は、1に規定するすべての法令を適当に公表する。
4 領海において無害通航権を行使する外国船舶は、1に規定するすべての法令及び海上における衝突の予防に関する一般的に受け入れられているすべての国際的な規則を遵守する。
第22条 領海における航路帯及び分離通航帯
1 沿岸国は、航行の安全を考慮して必要な場合には、自国の領海において無害通航権を行使する外国船舶に対し、船舶の通航を規制するために自国が指定する航路帯及び設定する分離通航帯を使用するよう要求することができる。
2 沿岸国は、特に、タンカー、原子力船及び核物質又はその他の本質的に危険若しくは有害な物質若しくは原料を運搬する船舶に対し、1の航路帯のみを通航するよう要求することができる。
3 沿岸国は、この条の規定により航路帯の指定及び分離通航帯の設定を行うに当たり、次の事項を考慮する。
a.権限のある国際機関の勧告
b.国際航行のために慣習的に使用されている水路
c.特定の船舶及び水路の特殊な性質
d.交通のふくそう状況
4 沿岸国は、この条に定める航路帯及び分離通航帯を海図上に明確に表示し、かつ、その海図を適当に公表する。
第23条 外国の原子力船及び核物質又はその他の本質的に危険若しくは有害な物質を運搬する船舶
外国の原子力船及び核物質又はその他の本質的に危険若しくは有害な物質を運搬する船舶は、領海において無害通航権を行使する場合には、そのような船舶について国際協定が定める文書を携行し、かつ、当該国際協定が定める特別の予防措置をとる。
第24条 沿岸国の義務
1 沿岸国は、この条約に定めるところによる場合を除くほか、領海における外国船舶の無害通航を妨害してはならない。沿岸国は、特に、この条約又はこの条約に従って制定される法令の適用に当たり、次のことを行ってはならない。
a.外国船舶に対し無害通航権を否定し又は害する実際上の効果を有する要件を課すること。
b.特定の国の船舶に対し又は特定の国へ、特定の国から若しくは特定の国のために貨物を運搬する船舶に対して法律上又は事実上の差別を行うこと。
2 沿岸国は、自国の領海内における航行上の危険で自国が知っているものを適当に公表する。
第25条 沿岸国の保護権
1 沿岸国は、無害でない通航を防止するため、自国の領海内において必要な措置をとることができる。
2 沿岸国は、また、船舶が内水に向かって航行している場合又は内水の外にある港湾施設に立ち寄る場合には、その船舶が内水に入るため又は内水の外にある港湾施設に立ち寄るために従うべき条件に違反することを防止するため、必要な措置をとる権利を有する。
3 沿岸国は、自国の安全の保護(兵器を用いる訓練を含む。)のため不可欠である場合には、その領海内の特定の水域において、外国船舶の間に法律上又は事実上の差別を設けることなく、外国船舶の無害通航を一時的に停止することができる。このような停止は、適当な方法で公表された後においてのみ、効力を有する。
第26条 外国船舶に対して課し得る課徴金
1 外国船舶に対しては、領海の通航のみを理由とするいかなる課徴金も課することができない。
2 領海を通航する外国船舶に対しては、当該外国船舶に提供された特定の役務の対価としてのみ、課徴金を課することができる。これらの課徴金は、差別なく課する。
B 商船及び商業的目的のために運航する政府船舶に適用される規則
(27、28条省略)
C 軍艦及び非商業的目的のために運航するその他の政府船舶に適用される規則
第29条 軍艦の定義
この条約の適用上、「軍艦」とは、一の国の軍隊に属する船舶であって、当該国の国籍を有するそのような船舶であることを示す外部標識を掲げ、当該国の政府によって正式に任命されてその氏名が軍務に従事する者の適当な名簿又はこれに相当するものに記載されている士官の指揮の下にあり、かつ、正規の軍隊の規律に服する乗組員が配置されているものをいう。
第30条 軍艦による沿岸国の法令の違反
軍艦が領海の通航に係る沿岸国の法令を遵守せず、かつ、その軍艦に対して行われた当該法令の遵守の要請を無視した場合には、当該沿岸国は、その軍艦に対し当該領海から直ちに退去することを要求することができる。
第22条 軍艦又は非商業的目的のために運航するその他の政府船舶がもたらした損害についての旗国の責任
旗国は、軍艦又は非商業的目的のために運航するその他の政府船舶が領海の通航に係る沿岸国の法令、この条約又は国際法の他の規則を遵守しなかった結果として沿岸国に与えたいかなる損失又は損害についても国際的責任を負う。
第32条 軍艦及び非商業的目的のために運航するその他の政府船舶に与えられる免除
この節のA及び前2条の規定による例外を除くほか、この条約のいかなる規定も、軍艦及び非商業的目的のために運航するその他の政府船舶に与えられる免除に影響を及ぼすものではない。