小池百合子東京都知事がきのう4月21日の定例記者会見で、記者に聞かれて、18日の夜に行われた安倍首相らとの会食の一端を語った。
きょうの一部の新聞がそれを小さく報道している。
すなわち、安倍首相から「(都議選では)お手柔らかにお願いします」と言われたと。
二階自民党幹事長からは「都議選が終わってから協力態勢をどうするか、そんな話もいただいた」と。
それだけでは国民は何のことかわからない。
しかし、私はたまたその事を語っている小池都知事の姿を、テレビのニュースで見た。
「都議選後は国政で自民党と一緒になるのか」という質問に対し、小池知事は、明らかに困惑して言い淀み、少しして笑顔でノーコメント言ってはぐらかした。
いつもは当意即妙でなんでもうまく答える小池氏がはじめて見せた戸惑いでだった。
それを見て私は直感した。
まさしく私が書いた通りだ。
やはりあの日の主役は小泉元首相だったのだ。
都民ファーストはあくまでも小池都知事が都政の主導権を握るための便法でしかなく、小池氏は東京五輪後は自民党の首相を目指す事になる。
つまり、安倍首相は長くて東京五輪までであり、その後は小池自民党政権が誕生し、いつかは小泉進次郎の自民党の時代になる。
そういう密約が、小泉元首相の朋友である山崎拓や武部勤の立ち合いの下に、安倍首相との間で交わされたのだ。
安倍首相の説得役に回ったのが二階幹事長だったのだ。
菅官房長官が立ち会っていなかったところがミソである。
つまり菅官房長官は、小泉元首相にとっては、あくまでも仇敵竹下派の7奉行の一人である梶山静六の子分でしかなく、密議をするには信用できない三流政治家なのだ。
安倍を説得させるには二階しかいないということだ。
小池都知事が記者会見で、二階さんとはこれまで一緒に政治をしてきた人だと持ち上げた事が、それを見事に物語っている。
東京五輪まで首相をさせてもらうのなら安倍首相としては文句はないはずだ。
そう思うかもしれないがそうではない。
もはやポスト安倍の話が出た時点で、安倍首相はレイムダックになる。
そして、みずから後継者を選べなかった時点で、総理引退後の安倍首相の影響力は雲散霧消し、安倍暴政の負の部分ばかりが残る。
安倍首相が不機嫌な顔をしていた理由はまさしくここにある。
おりから小池氏の都民ファーストは地域政党「東京・生活者ネットワーク」と政策協定を結び、選挙協力することを発表した。
生活者ネットは左翼団体のうちの一つであり市民の党だ。
それをも取り込んで自民党色を消し、リベラルを装う。
ひとり共産党だけが小池新党と是々非々の立場を貫いている。
それもそのはずで両者は相いれない。
というよりも小泉・小池もまた安倍同様、強烈な反共だ。
かくして東京都議会選後の政局は共産党が排除される形でリベラルを装った小池自民党政権に向かって政局は走り出す。
誰が見ても暴政の安倍政権より、リベラルを装う自民党政権のほうが始末が悪い。
日本の政治は戦後70年を過ぎて、護憲政党がなくなり、親米保守の時代が固定化されるということだ。
何としてでも新党憲法9条が必要になってくるのである(了)