ハードバピッシュ&アレグロな日々

CD(主にジャズ・クラシック)の感想を書き留めます

ベニー・ゴルソン&ザ・フィラデルフィアンズ

2024-04-07 17:53:39 | ジャズ(ハードバップ)

ハードバップ期に活躍したジャズメンの中にデトロイト出身者が多いことは、以前「ジャズメン・デトロイト」で述べましたが、今日取り上げるのは東部フィラデルフィア出身のジャズメン達です。ニューヨークほどではないにせよフィラデルフィアも人口200万を超える大都市とあって、ジャズシーンも賑わっていたようです。本作に集まったメンバーはベニー・ゴルソン(テナー)、リー・モーガン(トランペット)、レイ・ブライアント(ピアノ)、パーシー・ヒース(ベース)、フィリー・ジョー・ジョーンズ(ドラム)と十分豪華ですが、他にもボビー・ティモンズ、マッコイ・タイナー、パーシーの弟ジミー&アルバート・ヒース、さらにはジミー・スミスも同地の出身だそうです。録音日は1958年11月17日。発売元はユナイテッド・アーティスツ・レーベルです。

全6曲。作曲者としても名高いゴルソンがリーダーとあって、彼の自作曲が3曲演あります。代表曲である”Stablemates”も入っていますが、個人的イチ押しは2曲目”Blues On My Mind”。冒頭のレイ・ブライアントのブルージーなソロが最高です。豪放なゴルソンのテナー、いつもながらバリバリ鳴らすモーガンのトランペットも素晴らしく、ずばり名曲・名演と言って良いでしょう。ただ、もう1曲の自作曲”Thursday’s Theme"はちとマイナー調のメロディがくどいか?自作曲以外も充実の出来。オープニングの”You’re Not The Kind"はジジ・グライス作だそうですが、活気あふれるバップチューン。4分あまりの短い曲ですが、ゴルソン、モーガン、ブライアントが目の覚めるようなソロをリレーしていきます。ジョン・ルイスの”Afternoon In Paris”も素晴らしい。パリの春を思わせる洒脱なメロディをミディアムテンポでグルーヴ感たっぷりに演奏しています。特にモーガンとブライアントのソロが光ります。ラストのレイ・ブライアント作”Calgary”も3分余りの短い曲ですが、ファンキーで小気味よいナンバーです。以上、これだけで十分名盤と言って良い内容ですが、CDにはボーナストラックとしてベニー・ゴルソンが同年にヨーロッパツアーした際の曲が4曲収録されています。ただ、これは以前に本ブログで紹介した「ロジェ・ゲラン=ベニー・ゴルソン」と1曲を除いて同じ内容なので、解説は割愛します。

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