Some Like It Hot

お熱いのがお好きな映画ファンtakのつぶやき。
キネマ旬報社主催映画検定2級合格。

青い恋人たち -80's Movie Hits !-

2013-11-29 | 80's Movie Hits !

- 80's Movie Hits! - 目次はこちら

 

■Hard To Say I'm Sorry (素直になれなくて)/Chicago

from「青い恋人たち/Summer Lovers」(1982年・アメリカ)

 

監督=ランダル・クライザー

主演=ピーター・ギャラガー ダリル・ハンナ ヴァレリー・クィネッセン

 

80年代の楽曲で、この曲程長いこと愛されているバラードって他にあるのだろうか。そう思えるほど世代を超えて多くの人に愛されている名曲Hard To Say I'm Sorry(素直になれなくて)。自動車や化粧品のCFに使用されるたびに新たなファンをつかんでいる。ブラスロックで一世を風靡したものの、その後低迷していたシカゴ。彼らにとってこの曲は起死回生の大ヒットとなった。プロデューサーにデビッド・フォスター、新メンバーにビル・チャンプリンを迎え、従来の路線からAORっぽい路線に転換したことは、70年代以来のファンには驚きだったことだろう。97年には、R&BグループAz Yetがカヴァーしてトップ10ヒットを記録している。僕がシカゴを知ったのもやはりこの曲だったし、このピアノはさんざん練習したものだ。今でも譜面なしで弾ける曲のひとつだし。

 

さて、そんな”名曲中の名曲”を使った映画。それは「青い珊瑚礁」(80)のランダル・クライザーが監督・脚本を担当した「青い恋人たち」。エーゲ海のサントリーニ島を訪れたアメリカ人カップルが、ミステリアスなフランス人女性と出会う。オレあの女(ひと)に惚れた・・・私はどうすんのよ(涙)・・・でもあの女(ひと)素敵・・・じゃ三人で抱き合いましょう・・・とまぁなんとも羨ましい三角関係の恋愛映画であった。

 

僕は「ゴールデン洋画劇場」(いかにも80年代のフジテレビ系でやりそうな映画!)でこの映画を初めて観た。「セックスと嘘とビデオテープ」のピーター・ギャラガーが、三人でベッドを共にして「もうやりすぎて疲れちゃった」という表情をすると、二人の女性は「セックスの神様よ!」と巨大なペニスの偶像を部屋に飾るという場面もある。おまけにお相手はフランス美女のヴァレリー・クィネッセンと、「スプラッシュ」(84)の人魚姫ダリル・ハンナなんだからぁ!!。十代後半だったからなぁ、友達の間では「あの男優、許せん!」というのが素直な感想だった(若気の至り)。

 

映画ではHard To Say I'm Sorryの他に、マイケル・センベロ(Summer Lovers)、ティナ・ターナー(Johnny And MaryCrazy In The Night)、スティーブン・ビショップ(If Love Takes You Away)、デペッシュ・モード(Just Can't Get Enough)、エルトン・ジョン(Take Me Down To The Ocean)が使われている。今見るとなかなか豪華な面々なのだが、当時の僕はそんなこと気づきもしなかったんだなぁ。

 

 

Chicago関連の曲が聴ける主な映画

1982年・「青い恋人たち」 =Hard To Say I'm Sorry

1983年・「セカンド・チャンス」 =Prima Donna

1990年・「デイズ・オブ・サンダー」 =Hearts In Trouble

1991年・「マイ・ガール」 =Saturday In The Park

1999年・「スリー・キングス」 =If You Leave Me Now

2000年・「リトル・ニッキー」 =Does Anyone Really Know What Time It Is?



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砂の惑星 -80's Movie Hits !-

2013-11-25 | 80's Movie Hits !

■Dune (Desert Theme)/Toto
From「砂の惑星/Dune」(1984年・アメリカ)

監督=デビッド・リンチ
主演=カイル・マクラクラン ユルゲン・プロホノフ フランチェスカ・アニス マックス・フォン・シドー

 偶然なのか世の流れだったのか知らないが、結果としてプロデューサーのディーノ・デ・ラウレンティス氏は、80年代初めにロックファンに二つの大きなサントラのプレゼントをくれた。ひとつはクィーンに音楽を担当させた「フラッシュ・ゴードン」。そして今ひとつはTotoに音楽を担当させた「砂の惑星」である。

 ボズ・スキャッグスらのアルバムで、セッション・ミュージシャンとして活躍していた腕利きたちが結成したバンドであることは、今さら言うまでもないだろう。Totoの楽曲には様々な魅力がある。①フュージョンのようなハイテクの演奏に支えられた楽曲、②AOR的な楽曲、③ロックミュージックとして・・・ファンによってもどの辺に魅了されているかが分かれるバンドでもある。このサントラはそうしたイメージとは異なり、ほとんどの楽曲がオーケストラで演奏されている。クレジットはToto名義ではあるけれど、キーボードのデビッド・ペイチと彼の父親マーティ・ペイチが中心となって製作されたものらしい。しかし上に挙げた Dune (Desert Theme) は複雑な構成と変拍子のバンドサウンドで、これは従来のTotoファン(特に上に挙げた①好きには)納得の楽曲だろう。特筆すべきはブライアン・イーノの参加だな。9曲目の Prophecy Theme は彼の作品。

 監督は「エレファントマン」で一般的にブレイクしたばかりだったデビッド・リンチ。主演がこれが映画デビュー作(いきなり主演!)だったカイル・マクラクラン。ここから「ブルー・ベルベット」や「ツインピークス」と続く、リンチとマクラクランのコンビが始まったのだ。TV用長尺版がビデオリリースされているけれど、リンチはその扱いに納得していない為、そちらでは名義がアラン・スミシーとなっている。好きな人にはたまらん映画だとは思うのね。でもクリーチャーの造形や登場人物たちは初めて観たときには悪趣味としか思えなかったしなぁ・・・好きな映画とは僕はお世辞にも言えない。僕の周辺の人々は口々に”あの砂虫が×××にしか見えない!”というのだが皆さんはいかが?。リンチ映画自体は嫌いではないけどね(但し「イレイザー・ヘッド」は除く)。脇役にはホセ・フェラー、マックス・フォン・シドー、シルバーナ・マンガーノら大物も出演。そしてロックファンにはスティングの勇姿が忘れられない。しかし興行的に大失敗したのは、多くの映画ファンはご存じのことだろう。



※Toto関連の曲が流れる主な映画(各人がプレイヤーとして参加したものは除く・Toto名義のみ)
1977年・「サタデー・ナイトフィーバー」 = Second Lowdown (クレジットなし)
1984年・「砂の惑星」 = 上記参照
1992年・「アメリカン・ハート」 = Fast Blues (Jeff Porcaro, Mike Porcaro, David Paich, Lonny Castro and Mark Bonilla)

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ラ・ブーム -80's Movie Hits !-

2013-11-22 | 80's Movie Hits !


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■Reaity(愛のファンタジー)/Richard Sanderson
from「ラ・ブーム/La Boum」(1980年・フランス)

監督=クロード・ピノトー
主演=ソフィー・マルソー アレクサンドル・スターリング クロード・ブラッスール ブリジット・フォッセー

 中学3年のとき。僕はテレビの中にいたフランス娘に恋をした。彼女の名はソフィー・マルソー。フランスで大ヒットした青春映画「ラ・ブーム」の主役だという。当時僕はまだ映画本編は観てもいなくって、そのCMの映像と流れていた映画主題歌のReality(恋のファンタジー)の虜になった。映画雑誌「ロードショー」を毎月買い始めた時期で、部屋の壁はみるみるうちにソフィーの笑顔でいっぱいになっていく。映画館で初めて観たのは高校生のときの「ラ・ブーム2」。大分セントラルロキシーはその日カップルだらけで、ニキビ面の少年は居心地悪さを感じながらもソフィーの笑顔に夢中になっておりました。今でもフランスを代表する女優の一人として活躍しているのは、嬉しい限り。

「ラ・ブーム2」の頃のカゴメの広告


 デビュー作「ラ・ブーム」の主題歌Realityを歌うのはリチャード・サンダーソン。この曲と「ラ・ブーム」のサントラ収録曲以外では彼の曲は知らない。でもこの曲はその中学3年以来、ずーっと心の中にある。ヨーロピアンポップスらしいシンセのメロディが印象的なイントロ、やさしいメロディ、ささやくような歌い出し、サビで歌われるのは高まる恋する気持ち。スピッツの草野正宗はこの曲を"自分にとってラブソングのお手本"だと雑誌のインタビューで答えている。カッコいい演奏でもないし、歌声だって特にうまいとは思わない。この曲が僕ら世代に今でも愛され続けている理由は、ウラジミール・コスマのメロディの美しさ。だが何よりもソフィー・マルソーというイメージが重なってこそのこの曲でもある。失礼な言い方かもしれない。でも、映画主題歌って劇中の素敵な場面とか俳優の表情とかそういうものと一体になって僕らの心に残るものである。ムーンリバーは窓辺でギターを弾くオードリー・ヘプバーンのイメージだろうし、ジェームズ・ボンドのテーマ曲だってあのガンバレルの映像と一緒に思い浮かべるはずだ。愛のファンタジーもそのひとつ。

 ブームとはホームパーティのようなもの。主人公たちは大勢で家に集まり、バカ話をしたり、恋を語ったり、音楽をかけて楽しむ。ソフィー扮するビックとチークが踊りたいアレクサンドル・スターリング君(今どうしてるのだろう?)が、彼女の後ろからウォークマン(このあたりが時代だな)を持って近づき、ヘッドフォンをかける印象的なシーン。そのときにヘッドフォンから流れてくるのも愛のファンタジー。サントラには他にもブームの場面で繰り返し流れた曲が収録されている。ディスコチューンの Move Onは特に繰り返し流れるので印象的だ。僕はスローナンバーのGo On Foreverがお気に入りだったなぁ。きっと今の年齢でこの映画を見直すと、ブリジット・フォッセーとクロード・ブラッスール扮する両親の方に感情移入してしまいそう。



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ブレックファスト・クラブ - 80's Movie Hits ! -

2013-11-21 | 80's Movie Hits !

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■Don't You (Forget About Me)/Simple Minds
from「ブレックファスト・クラブ/The Breakfast Club」(1985年・アメリカ)

監督=ジョン・ヒューズ
主演=エミリオ・エステベス モリー・リングウォルウド アンソニー・マイケル・ホール

 80年代の青春映画といえば、ジョン・ヒューズ監督による愛すべき作品群を思い浮かべる人も多いはず。ヒューズ映画のヒロイン、モリー・リングウォルドのどこかスネたような表情が実は好きだった・・・そんな男子諸君もいることであろう。さて、本作は休日登校を命じられた5人の高校生が主人公。カメラは最初と最後を除いて校外に出ることはなく、ひたすら図書室の5人を追い続ける。初めはののしり合うような5人だが、お互いのことを語り合ううちに次第に相手と我が身を見つめ直し、少しだけ成長できた・・・そんなお話。

 実は最近、初めてこの映画を観たのだが、高校生の当時観ていたらもっとグッときていた部分があるのだろうな。やはり映画には観るべき時期に観るべき映画があるのだ。その年頃に観ていたらきっと今と違う納得をすると思うんだよね。僕は大学生のとき公開から1,2年遅れで「フットルース」を観た。そのときに”高校生の時点でこれを観ていたらもっと夢中になれたかも”と思った。「ブレックファスト・クラブ」を今観るとなんか今イチ共感しずらい。休日登校させられることのない優等生だったからかって?いえいえ、優等生には程遠い存在でしたよ。それともそれは製作当時から30年近く経って僕が大人の側に立ってしまったからなのだろうか。それとも主人公たちが「あんな風になりたくない!」と口々に言う"親"ってヤツに僕がなったからだろうか。

 きっとそうだろう。最初と最後に登場する親たちに何ひとつスポットが当たらないのに不満が残った。自分の子供が車のすぐ横で誰かとキスしているんだよ。車に乗った後で、エミリオくんにこんな一言でもあったなら。
「お前、あん女んコは誰かえ?。レスリングん方は今ひとつじゃが、うまくやっちょんじゃねぇか(何故か大分弁がしっくりくる・笑)」
僕は納得していた気がする。

 それでも、親の期待に潰されそうとか、成績のことで思い詰めたりとか、主人公たちが語る思春期独特の悩みは万国共通。単なる雑談が次第に自分の状況や悩みについての告白大会と変わっていく。その様子はお気楽な80年代青春映画のはずなのに、まるで舞台劇を観ているようにスリリング。それは校内からカメラがほとんど出ず、輪になって話す場面でみられるようにカメラ自体も彼らの目線に降りているからだ。カメラの目線と僕らはひとつになり、彼らと同じ目線に立つ。

 さて、音楽担当はジョルジオ・モロダー一派のドラマー、キース・フォーシー。ここではインストロメンタルのスコアも書いており、ヴァリエーションも豊富でいい雰囲気を出している。ちなみに Flashdance ~ What A Feeling の歌詞をアイリーン・キャラと共作したのも彼である。シンプル・マインズにとって初のNo.1ヒットとなった主題歌 Don't You (Forget About Me) は、キース・フォーシーがこの映画のために書き下ろした曲である。実は当初ビリー・アイドル、ブライアン・フェリーにもオファーがあったそうなのだが、いずれも断られている。そしてプリテンダーズに話がいった後、クリッシー・ハインドが夫が在籍していたシンプル・マインズに話をまわしたそうである。シンプル・マインズも歌うのを嫌がったという話もあるが、これが大ヒットにつながったというから世の中はわからない。そんなたらい回しされた曲なれど、この曲のカッコよさは今聴いても色あせていない。僕はシンプル・マインズをこの曲で知った。この後のアルバム "Once Upon A Time" はしばらく聴きこんだなぁ。

 キース・フォーシーは Don't You (Forget About Me)  をとにかく気に入っているらしく、後にビリー・アイドルのベストアルバムで再録している。サントラには他に ワン・チャン(Fire In The Twilight) や ジャネット・ジャクソンのプロデューサーとしても知られるジェシー・ジョンソン(Heart Too Hot To Hold)らも参加。サントラも映画自体も当時の派手なヒット作とは違い、どうしても地味な印象を受けるが、高校生にとって等身大の悩みを同じ目線で描いてくれたこの映画は、当時ティーンには強く心に刻まれる一作となったのである。5人が円形に並んで語り合うクライマックスは、カーラ・デ・ヴィトーの We Are Not Alone と共に印象的であった。やっぱり当時観ておくんだったなぁ。





※Simple Mindsの曲が流れる主な映画
1985年・「ブレックファスト・クラブ」 = Don't You (Forget About Me)
1995年・「ギャングスターズ 野獣死すとき」 = 7 Deadly Sins
1998年・「マーシャル・ロー」 = Great Leap Forward



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ランボー - 80's Movie Hits! -

2013-09-26 | 80's Movie Hits !


■It's A Long Road/Dan Hill
from「ランボー/First Blood」(1982年・アメリカ)

監督=テッド・コッチェフ
主演=シルベスター・スタローン リチャード・クレンナ

 「ランボー」シリーズのメインテーマとなるこの曲 It's A Long Road の旋律、一度は聴いたことがあるだろう。作曲は御大ジェリー・ゴールドスミス。哀感漂うメロディは、祖国に戻っても孤独なベトナム帰還兵たちの哀しみを見事に表現していた。プロデュースとアレンジは、Totoのデビッド・ペイチが担当。歌っているのはカナダのシンガー・ソングライター、ダン・ヒル。グラミー賞候補に挙がったこともあるとか。14才から作曲活動を始め、17才でカリフォルニアへ。75年にデビュー、78年の Sometimes When We Touch(ふれあい) がビルボードで3位を記録した。87年に6位まで上昇したバラード Can't We Try(とまどい) も名曲だ。こちらも是非ご一聴を。

 ベトナム帰還兵ジョン・ランボーは、流れ者としてある町へやって来る。だが帰還兵の彼を誰も受け入れようとせず、警察も彼を厄介者扱い。浮浪罪で逮捕し、人間扱いを全くしない。ついに怒りが爆発。山林に逃げ込んだ彼は追っ手を次々とかわしていく。説得にやって来た元上官トラウトマン大佐に、彼は涙ながらに訴える。スタローンが泣き崩れる映画は多くない。この傷だらけのヒーローは、我々にベトナム帰還兵の社会復帰問題を痛烈に訴えた。ただのアクション映画ではないのだ。続編「ランボー/怒りの脱出」でもMIA(戦闘中行方不明者)の問題を取りあげ、国の冷たい仕打ちに怒りをぶつけた。”俺たちが国を愛したように、国も俺たちを愛して欲しい”。ラストの台詞は強く残った。

 僕らの世代は、この頃のスタローン作品はたいてい観ている。少し後の世代だと、シュワちゃんがアクションスターの代名詞のようになるのだろう。でも僕らにとってスタローンは単に筋肉に物を言わせ、SFXで見せ場をつくるスターではなくて、今よりも数段”映画人”だったと思うのだ。そりゃあ監督作には失敗作もある。僕らが心底”スタローンすげぇ!”と思っていた頃の映画は、やはりどこか違う。「ランボー」の1作目はそんな映画の1本だと思うのだ。やはりスタローンは、日本のCMで”ハムの人”になる前がよかったよね・・・と言ってたが、「エクスペンダブルス」からの大活躍は80年代を知る僕らにはお涙もん。


※Dan Hillの曲が聴ける主な映画
1978年・「年上の女」 = ♪Sometimes When We Touch
1982年・「ランボー」 = ♪It's A Long Road




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007/リビング・デイライツ - 80's Movie Hits ! -

2013-09-10 | 80's Movie Hits !

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■The Living Daylights/a-ha
from「007/リビング・デイライツ/The Living Daylights」(1987年・イギリス=アメリカ)

監督=ジョン・グレン
主演=ティモシー・ダルトン マリアム・ダボ ジョー・ドン・ベイカー

 80年代半ばまで頑張ったロジャー・ムーアだったが、そろそろボンド役者に無理が出てきた。そして4代目JBとしてティモシー・ダルトンが登場するのだ。この後の「消されたライセンス」の2本しかシリーズ出演作はないが、僕はある意味5代目ピアース・ブロスナンよりも好きだ。ダルトンのボンド像はあくまでもかっこよくクール。"Bond, James Bond"とダルトンが初めて名乗る冒頭のアクション場面も、ロジャー・ムーア時代にはなかった緊張感とキレがある。「ボンドにハードボイルドな香りが戻った!」と当時評された。しかし他のボンド役者にあるユーモアは、ダルトンのボンドには見られない。あくまでもきっちり仕事をこなし美女と戯れる。かっこよすぎるのだ。でも僕はそこが好き。ボンドカーもアストンマーチンに戻って従来のボンドファンを感動させたが、イアン・フレミングの原作に基づく作品(つーかタイトルだけですけど)は、本作でついに品切れ。次作からはオリジナルストーリーとなっていく。

 主題歌を担当したのはノルウェー出身の3人組a-ha。その名を聞くだけで80年代青春組は懐かしさでいっぱいになるだろう。人々が"a-ha"と口にするのが恥ずかしくなるくらいに売れてやる!という意気込みで、バンド名にしたという話だ。今思うと何て野心的、何て気恥ずかしい。ご存じの通り、デビュー曲 Take On Me がいきなり全米No.1となり、これが半端じゃないインパクトを僕らに与えた。あのデッサン画アニメと実写が融合するPVは今でも忘れられない。ところがこのヒットのせいで”一発屋”のイメージが世間的には強くなってしまった。The Sun Always Shines On TV や Hunting High And Low などいい曲が多いのにね。主題歌 The Living Daylights はジョン・バリーとの共作で、007お約束的なフレーズとa-haらしい哀愁メロが同居する佳作だ。そしてジョン・バリーが手がけた最後の007作品となった。サントラには、プリテンダーズも Where Was Everybody Gone と If There Was A Man の2曲を提供している。





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ナイルの宝石 - 80's Movie Hits ! -

2013-08-05 | 80's Movie Hits !

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■When The Going Gets Tough, The Get Going/Billy Ocean
from「ナイルの宝石/The Jewel Of The Nile」(1985年・アメリカ)

監督=ルイス・ティーグ
主演=マイケル・ダグラス キャスリン・ターナー ダニー・デビート

 2004年に、80年代の伝説的な音楽イベントである「ライブ・エイド」のDVDがリリースされた。当時、僕も衛生中継を睡魔と戦いながら見たもんだ。豪華なメンバーを従えてライブをした面々もあった中、2曲をバンドなしで歌った男がいた。それがビリー・オーシャン。このステージはやたらと印象に残っている。このとき歌った Caribbean Queen で84年に全米No.1を獲得している。

Billy Ocean - Caribbean Queen (Live)


ビリー・オーシャンは、カリブ海の島トリニダード出身。英国に移住し76年にデビュー。デビュー曲の Love Really Hurts Without You は全英No.2を獲得した。また他のアーティストへの楽曲提供もしており、ノーランズの Who's Gonna Rock You(ときめきTWENTY) は彼の作品だ。

Nolans - Who's Gonna Rock You


Caribbean Queen 以後はヒットを連発し、当時はチャートの常連だった。バラードの There'll Be Sad Song (To Make You Cry) が好きだったなぁ。

 映画「ナイルの宝石」は、大ヒット作「ロマンシング・ストーン」の続編。キャスリン・ターナー扮する女流作家ジョーンはアフリカ某国大統領オマーに伝記の執筆を依頼される。ところが大統領が陰謀を知ったことから牢獄へ。一方マイケル・ダグラス扮するジャックは、オマーが盗んだ宝石を奪い返すよう依頼されることに・・・。あとは前作同様冒険、また冒険。この映画で主題歌として使われたのが、ビリー・オーシャンのWhen The Going Gets Tough, The Tough Get Going 。どこか愛嬌のあるこの曲は、それまでのオシャレなダンスチューンやバラードが多かった彼のイメージを大きく変えた。ちなみにマイケル・ダグラス、キャスリン・ターナー、ダニー・デビートの三人が、この曲のバックで歌っている。彼らは音楽家の組合には属していない。それが理由でイギリスではこの曲のビデオは放送禁止になった。ところがそのハンディを乗り越えて、この曲はビリー・オーシャンにとって初の全英No.1ヒットとなった。まさにタフな曲だったのだ。

Billy Ocean "When The Going Gets Tough" 1984*


※Billy Ocean関連の曲が流れる主な映画
1985年・「ナイルの宝石」 = When The Going Gets Tough, The Tough Get Going
1987年・「プロミスト・ランド 青春の絆」 = Love Really Hurts Without You
1988年・「運転免許証」 = Get Outta My Dreams (Get Into My Car)
1996年・「素顔のままで」 = Get Outta My Dreams (Get Into My Car)
2001年・「シャンプー台のむこうに」 = Get Outta My Dreams (Get Into My Car)


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アルティメット・ビリー・オーシャンアルティメット・ビリー・オーシャン
R.ケリー ビリー・オーシャン

曲名リスト
1. ゲット・タフ
2. カリビアン・クイーン
3. サッド・ソングス
4. ラヴァー・ボーイ
5. ゲット・アウタ・マイ・ドリームス,ゲット・イントゥ・マイ・カー(明日へのハイウェイ)
6. サドンリー
7. ラヴ・イズ・フォーエヴァー
8. ミステリー・レディ
9. ラヴ・ゾーン
10. ザ・ロング・アンド・ワインディング・ロード
11. カラー・オブ・ラヴ
12. エヴリシングス・ソー・ディファレント・ウィズアウト・ユー
13. キャン・ウィ・ゴー・ラウンド・アゲイン
14. ラヴ・リアリー・ハーツ・ウィズアウト・ユー
15. L.O.D.
16. レッド・ライト・スペルズ・デンジャー
17. サドンリー
18. ナイツ

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ザナドゥ - 80's Movie Hits! -

2013-07-27 | 80's Movie Hits !

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■Xanadu/Electric Light Orchestra & Olivia Newton-John
from「ザナドゥ/Xanadu」(1980年・アメリカ)

監督=ロバート・グリーンウッド
主演=オリビア・ニュートン・ジョン マイケル・ベック ジーン・ケリー

 2000年のシドニー五輪開会式出演、2003年の来日公演が話題となったオリビア・ニュートン・ジョン。若い世代には誰?って存在かもしれないが、70~80年代に大活躍した洋楽アイドルとして絶大な人気があったのだゾ。初期はカントリー系のヒットが多かった。 Take Me Home Country Road はオリビアの歌で初めて聴いたという方も多いと思うのだ。70年代の代表曲は、何と言っても75年の全米No.1 Have You Ever Been Mellow(そよ風の誘惑)。CFにもしばしば使われ、世代を越えて愛されている名曲だ。I Honestly Love You(愛の告白) も胸に迫るバラード。後に尾崎亜美が”失恋の痛手を癒す歌”としてオリビアのことを歌うことになるが、それはまさにこの頃のイメージだろう。その清純派がレオタード姿で歌った81年の Physical (全米10週連続1位)は、セクシーな歌詞(放送禁止にも!)も手伝って話題をさらったものだ。

 さて「ザナドゥ」は、78年の「グリース」の大ヒットに続け!と製作されたロック・ミュージカル映画。ちなみに製作は「マトリックス」のジョエル・シルバーであった。”音楽の殿堂”を作り成功させようとする青年(マイケル・ベック)をめぐる物語で、オリビアは壁画から現れた妖精という役どころだ。特筆すべきは往年のミュージカル・スタア、ジーン・ケリーが出演していること。残念ながら遺作となってしまったが、老いてなお華麗なタップと歌を披露してくれる。そしてオリビアはこの映画に出演していたダンサー、マット・ラッタンジーとこの後結婚することになる。

 サントラはジャフ・リン率いるELOと、ジョン・ファーラーがプロデュース。レコードはELOサイドとONJサイドに分かれていた。サントラはポップスのお手本のような充実ぶり。タイトルソング Xanadu は全米8位・全英1位を記録したスケールの大きなポップナンバーで、オリビアのファルセットが印象的。ジェフ・リンはオリビアのファルセットが使いたくて、わざと高音を多用したメロディを書いたという。同じくシングルカットされた Magic は全米1位を獲得。どこかミステリアスなメロディが実にかっこいい。僕はELOサイドの All Over The World がお気に入り。言っておきたい。これは、映画を観ない方が純粋に音楽を楽しめるかも(笑)。ラジー賞大量ノミネート+監督賞受賞という記録が物語る通り映画としては失敗作。”音楽の殿堂”と聞こえはよいのだが、要はトホホなローラーディスコ。ジャズオーケストラとロックバンドの共演も無理があるし、ジーン・ケリーがKISSみたいな化粧の若人たちとローラースケートする場面なんざぁ、何が見せたいんだか・・・(泣)。

Olivia Newton John & ELO - Xanadu


※Olivia Newton-John関連の曲が流れる主な映画
1975年・「ジョーズ」 = I Honestly Love You
1978年・「グリース」 = You're The One That I Want Hopelessly Devoted To You 他
1980年・「ザナドゥ」 = Xanadu Magic 他
1983年・「セカンド・チャンス」 = Twist Of Fate Take A Chance 他
1995年・「耳をすませば」 = Take Me Home Country Road
1997年・「フェイス/オフ」 = Over The Rainbow
2001年・「ウェディング・プランナー」 = I Honestly Love You




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パラダイス - 80's Movie Hits ! -

2013-07-18 | 80's Movie Hits !

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■Paradise/Phoebe Cates
from「パラダイス/Paradise」(1982年・カナダ)

監督=スチュワート・ギラード
主演=フィービー・ケイツ ウィリー・エイムス リチャード・カーノック

 80年代銀幕アイドルの中でも、特に日本での人気が高かったのは何と言ってもフィービー・ケイツだろう。母親が中国系なので、ルックスが日本人にとっては親しみやすい。ピンク色のビキニがまぶしかったビールのCFを覚えているでしょうか?。ディスコでスカウトされた後、「セブンティーン」や「エル」誌で表紙を飾るモデルとなった。雑誌を見たプロデューサーが彼女を気に入り、カリブ海でモデルの仕事中の彼女にスクリーン・テストしたい旨の電報が届く。そして、いきなり本作での主役デビューとなった。

 砂漠のオアシスにティーンエンジャーの男女(と猿が1匹)が取り残され、いつしか二人は愛と性に目覚める・・・とまぁ「青い珊瑚礁」の陸地版というお話(先に製作した方が勝ちだからこんな言い方されるんだろうけど)。当時高校生だった僕らには「パラダイス」は衝撃でした。洞窟で水浴びする場面、水面にトップレスの自分を映す場面、お話はどうでもよくって目に焼き付いたシーンの何と多いことか。「ゴールデン洋画劇場」で予告編が流れた翌日はクラスでも話題になっていたし、親の目を気にしながら観たよな記憶が・・・。あぁ若気の至り。でも不思議といやらしさはなく、健康的なイメージの方が先だったけど。フィービー本人が歌う主題歌 Paradise は、イタリア・チャートで10週連続首位を独占した記録がある(ちなみに「ラ・ブーム」の主題歌 Reality は8週連続首位だったとか)。この曲の作者は、ドーンの大ヒット曲 Tie A Yellow Ribbon Round The Ole Oak Tree(幸せの黄色いリボン) を手がけたL・ラッセル・ブラウン。歌詞の中に
 ♪you kissed me once, I kissed you twice~
と出てくるのだが、これって女のコの方が積極的なお話だからこんな歌詞なんだ、とか言いながら仲間内で納得していた(恥)。

 本作を含む初期3作品はヌードシーンがあったが、以後そうした場面は全くなくなり、スピルバーグに起用された「グレムリン」でファン層を広げた。それからは「天使とデート」「再会の街 ブライト・ライツ ビッグ・シティ」などがあるが、あまり目立った役柄でもなかった。ケビン・クラインと結婚し、現在は舞台での活動が多くなっている。チェーホフやシェークスピア作品を演じているそうだから、「初体験リッジモント・ハイ」でニンジンしゃぶってる彼女しか知らない輩は驚きだろうな。2001年には、その「リッジモント・ハイ」でフィービーに性の手ほどきを受けていたジェニファー・ジェイソン・リー監督作「アニバーサリーの夜に」で久々の映画出演をした。ともあれ80年代青春組の僕らにとっては、あの「パラダイス」の”水浴び”と「リッジモント・ハイ」の”赤いビキニ”で永遠の存在となったのだった(笑)。



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パロディ放送局U.H.F - 80's Movie Hits ! -

2013-07-14 | 80's Movie Hits !

- 80's Movie Hits! - 目次はこちら

■Money For Nothing/Beverly Hillbillies/"Weird Al" Yankovic
From「パロディ放送局U.H.F./U.H.F.」(1989年・アメリカ)

監督=ジェイ・レヴィ
主演=アル・ヤンコビック ヴィクトリア・ジャクソン スー・アン・ランドン

 2002年に出版された80年代ポップスガイド本「ザ・ゴールデン80s」は、なかなかよくできた本だ。執筆陣の”あの頃”への思いがあちこちからにじみ出ている。僕がその中でも特に嬉しかったのは、アル・ヤンコビックをホール&オーツやマイケル・ジャクソンと同等に扱っていたこと。知らない人の為に敢えて例えるならば、アル・ヤンコビックはアメリカの嘉門達夫?ダンス☆マン?そんなところか。何と言っても代表曲はマイケルの Beat It の替え歌 Eat It(今夜もEAT IT)。ビデオでもしっかりパロっていて、MTV時代だからこそウケた人かもしれないな。他にもマドンナ(Like A Surgeon)、ニルヴァーナ(Smells Like Nirvana)、ジェームズ・ブラウン(Living With A Hernia)等々の見事なパロディのヒットがある。2002年にリリースされたベスト盤に収録されている、「スターウォーズ エピソード1」のパロディ(The Saga Begins)が僕はたまらなく好きだけど。そうしたパロディ屋だけでなく、アコーディオンを手にしてポルカを演奏するのも彼の芸。これもヒット曲を次々とメドレーにして実に楽しい。

 さて、そのヤンコビックが主演・脚本・音楽を担当した映画が「パロディ放送局U.H.F.」。オタクな無職の主人公がひょんな事から潰れかけたテレビ局チャンネル62を任される。予算も乏しい、借金の返済期限も迫るという状況の中。子供番組で相棒のスタンレーが偶然放ったギャグが大ウケし、一躍世間の注目を浴びることに。そこから先はアルのパロディ精神が大爆発。だが借金に追われることには変わりなく、返済のためのチャリティー番組を放送する。敵役の邪魔も入るし、相棒も捕まったりするけれど、カンパが集まりハッピーエンド!ってなお話。

 ヤンコビックが手がけた替え歌も本編で登場するが、それがダイアー・ストレイツの Money For Nothing の替え歌。ドラマの再放送くらいしかできない・・・と頭を抱えながら眠り込んだ主人公が、夢の中で歌うという場面。そのドラマ「ビバリー・ヒルビリーズ」を歌った内容。「ビバリー~」は60年代に放送されたアメリカのTVドラマで、1993年にリメイク映画化「ビバリー・ヒルビリーズ/じゃじゃ馬億万長者」が製作されている(ちなみにリー・トンプソンも出演)。このパロディ曲の映像は、オリジナルのPVと同様にCGが使われ、四角い頭のアルが踊る!歌う!のだ。ギターはちゃんとマーク・ノップラー本人が弾いているという気合いの入った替え歌なのだ。主題歌にあたるロックンロールナンバー ♪U.H.F. もかっこいい。これは替え歌でなくオリジナル。そして本編で出てくる数々のパロディ番組が何と言っても見どころ。特に”今度のオレは黙っちゃいない!”というナレーションにのせてガンジーに扮したアルがマシンガンをブッ放つ「ガンドヒー2」!。最高です。ビデオ屋さんでこの映画見つけたら即チェックしてくれ!。



Gandhi 2


※"Weird Al" Yankovic 関連の歌が流れる主な映画
1987年・「スペースボール」 = (Six Words Long) This Song's Just
1989年・「パロディ放送局U.H.F.」 = U.H.F. Spatula City Fun Zone 他
1994年・「フリントストーン」 = Bedrock Anthem
1996年・「スパイ・ハード」 = Spy Hard Theme



◆アル・ヤンコビックをマイケル・ジャクソンと同列で扱ってくれている(笑)素晴らしい80's洋楽ガイド本
コメント
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