監督=ゴードン・パークス
主演=リチャード・ラウンドトゥリー モーゼス・ガン チャールズ・シオッフィ
2000年にリメイクも製作されたブラック・ムービーのヒット作。主人公は私立探偵ジョン・シャフト。ハーレムの黒人にも白人警察官にも一目おかれる彼の大活躍。観たいなぁ・・・とは思っていたんだけどなかなか手が出せずにいた。70年代のポリスアクションやこうした探偵ものは、うちの親父がやたらと好き。例えば、ボビー・ウーマックの Across 110th Street を聴くと大抵の映画ファンは「ジャッキー・ブラウン」を思い浮かべるだろうけど、僕は親父がビデオで繰り返し観ていたせいでオリジナルの「110番街交差点」なんだよね。だから、この手の映画ってオヤジ世代が観るものって勝手に決めているところがあった。その一方で、黒人カラテ映画の「クレオパトラ」シリーズ(タマラ・ドブスン主演)が大好きだったりする・・・。
いやーっ、なかなか面白いわ。街を闊歩する主人公を見おろすタイトルバックに、アイザック・ヘイズの音楽がかぶさる・・・かっこいい!。レザーのロングコートをなびかせて道路を横切る姿に、自信に満ちたヒーロー像が観ている側にすり込まれる。さらに歌が褒め称えるんだからすごいよな。そうこうしているうちに探偵事務所に殺し屋が・・・しかしそれはハーレムの顔役バンピーの使いだった。彼の娘が何者かに誘拐され、シャフトに奪回を依頼してきたのだった。折しも60年代の公民権運動、68年のキング牧師暗殺事件から過激な反差別運動を展開されている時期。黒軍派と呼ばれるグループの仕業とバンピーは言うがそれは見当違い。黒軍派に属する旧友ベンと会うが、その現場はマシンガンを持つ一味に襲われる。シャフトは白人警察官ビクからバンピーとマフィアとの対立を知る・・・。人質奪回にホテルに仲間と乗り込むクライマックス、そして高笑いと共に夜の闇に消えていく主人公、クールだ・・・。
ともかく全編黒人観客が楽しむために製作されたエンターテイメント。その小気味よい活躍は黒人以外の観客にも十分にアピールするものだ。これが当時のアメリカで受け入れられたという時代背景を知ることで、この映画をみる眼はきっと変わるはず。バンピーが電話に出て最初に「間違いだ」という一言が好きだ。映画観ながら親父の顔が浮かんできた。今度電話した時にはこの映画の話をしよう。うむ。
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