■「エクス・マキナ/Ex_Machina」(2015年・イギリス)
●2015年アカデミー賞 視覚効果賞
●2015年LA批評家協会賞 助演女優賞
監督=アレックス・ガーランド
主演=ドーナル・グリーソン アリシア・ヴィカンダー オスカー・アイザック ソノヤ・ミズノ
限られた舞台と登場人物、最小限の特撮ながら、設定の面白さと工夫で作られた秀作だ。
IT企業の社長ネイサンが手がけているAIの極秘開発プロジェクト。
社員から抜擢された若き技術者エイハブは、
エヴァと名付けられた女性型ロボットのテストを担当することになる。
その完成度の高さに、エイハブは次第に人間の女性に対するのと同じような感情を抱いて行く。
だがエヴァの彼への言動は自立思考なのか、プログラムされたものなのか。
さらに浮かび上がるネイサンへの疑念の数々…。
人間とAIの恋、創造主たる人間に対するAIの反逆。
「ブレードランナー」や「her/世界でひとつの彼女」など数々のSF映画で語られてきたテーマなれど、
スリラー映画として描かれた本作は、ミステリアスな展開に目が離せないし、
ラストの空虚さにはゾッとする。
旧約聖書から引用された登場人物の名前や、
哲学者ヴィトゲンシュタイン関連のキーワードに込められた意味が深読みできるとまた面白いのだろうな。
観る人それぞれに解釈があるだろうし、
観た後でそれを語り合いたくなる映画だ。