■「暮れ逢い/Une Promesse」(2013年・フランス=ベルギー)
監督=パトリス・ルコント
主演=レベッカ・ホール アラン・リックマン リチャード・マッデン マギー・スティード
うーん、切なさが足りない!
「髪結いの亭主」の喪失感、
「仕立屋の恋」の切ない片想い、
「歓楽通り」の一方的な愛情。
胸にずきーんとくるあの感覚はどこへ?と言うのが正直な感想。
恋愛映画がハラハラするかどうかは、
観客が登場人物の息づかいが感じ取れるかのような気持ちになれるかだと思う。
触れたいのに触れられない相手との距離感が重要だったり(例えば「花様年華」)、
その人が見ているものと一体となれる感覚(例えば「視線のエロス」)が共感になる。
思うに、この映画は状況説明みたいな場面が多くって、主人公の目線が映像に少ないのでは。
触れられる距離なのに触れられない切なさこそ、恋愛映画の距離感。
階段を上がる奥さんの背中や、劇場で背後から見つめる場面こそあれど、
全然カメラがフェチじゃなくて彼が見つめてるって感じがしない。
やっぱり、おっさんの片恋こそがルコント先生の真骨頂なのかなぁ。
12/20(土)公開 『暮れ逢い』 予告篇