大人になって気づいたことの一つ。
それは映画「ゴッドファーザー」の見方が変わったことだ。
初めて観た中高生の頃はバイオレンスや裏切りのドラマを面白いと感じていた。
だけど年齢を重ねて思うのは、
人には逆らえない血の力があるのだということ。
「ゴッドファーザー」はまさにそのドラマだ。
そんな逆らえない血の力は、
この年齢になると自分自身にも感じてしまう。
20代の頃まで、
親父のような酒呑みになるもんか、
親父の弾くギターなんかおれはやらないぞ、
社交的だかなんか知らないがとにかくあんな風になるもんか。
そう思いながら生きてきた。
だけどどうだろう。
人を笑わせようと軽口を叩き、
たまに家族に顔をしかめられる程度に酒も呑み、
近頃はギターだって弾いている。
やっぱり逃れられない血を感じずにはいられない。
斉藤和義の「遺伝」を聴くとそんな思いがますます強くなる。
歌詞に出てくる生き様の数々は、
親父が経験してきた出来事のように聞こえるし、
自分がこれまでやってきたことのようにも聞こえる。
「月光」を聴いたとき、歌詞にわが身を振り返ったけど、
「遺伝」にグッときてしまったのはおそらく血のせい。
ギターで「遺伝」のコードを弾いてみる。
配偶者アミダラMは、
「そんな曲ばっかり弾くんならアコギを買えばよかったんじゃない?」と言う。
確かにそうかも。
でもそんな僕を不器用な奴だと思うなら、
クラシックギターで三拍子しか誇らしげに弾けなかった親父の不器用さに、
実は通じているのかもしれない。
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