いわゆるハーレムアニメと呼ばれる男子願望系は数多く存在する。その多くの作品では、主人公の男子は女性に囲まれている状況に鼻の下を伸ばしている輩。こんなんだから今どきのアニメはけしからんという同世代もいるけれど、高校時代に「うる星やつら」で本格的にアニメ開眼した自分としては、諸星あたるに比べたら大したことないじゃん!と完全に免疫ができているようだ(笑)ついでに言うと、本編でほぼ流れないキャラソンを許容できるのも「うる星」の影響だと思うのだ。
話を戻そう。
ノイタミナ枠で放送された「冴えカノ」も御多分に洩れずいわゆるハーレム系。だが主人公の安芸倫也くんは、これまでのどっちつかずな主人公像とはひと味違う。恋愛ゲーム製作に類い稀なる情熱をもつ彼にとって、それぞれ才能あふるる周りの女子たちを恋愛の対象と思っていない。時々、オンナを感じてドキリとはするけれど、そこでガツガツ攻めたりはしない。一方で彼女たちは倫也にただならぬ思いを抱いているというのに。彼の鈍感ぶりと彼女たちのすれ違いがロマコメとして格段に面白い。そして、ストーリーが進むにつれて一般男子がもつであろう恋心やときめき、乙女心を少しずつ理解していく過程にキュンとくるのだ。まあ、最終回を迎えても、倫也くんが女心を学んだとは言い難いけど。
彼をとりまくヒロインたち、それぞれ個性があって、キャラの色分けができてるのが楽しい。ED曲のとおり、まさに「カラフル」。安野希世乃演ずる加藤恵が個人的にはお気に入り。坂道での出会いシーン、ショッピングモールの買い物のエピソードがいいね。あー、でも詩羽先輩とお泊まりの回はたまらんね。英梨々とロミオとジュリエットの回もよかったなー。美智留のバンドが空色デイズ演奏する回も名場面。
あー、もう、みんな好き。ダメじゃん、オレ(汗)