◼️「ボーダーライン/Sicario」(2015年・アメリカ)
監督=ドゥニ・ヴィルヌーヴ
主演=エミリー・ブラント ジョシュ・ブローリン ベニチオ・デル・トロ ジョン・バーンサル
観ていてしんどかった。確かにハラハラする展開だし、事の重大さは理解できる。だけどひたすら死体と銃声だらけの上映時間は耐えるしかなかった。これをエンターテイメントなアクション映画だと楽しむのは、僕にはどうも向いてないようだ。ラストにヒロインが言われるように、僕も小さな町に行くべきなんだろう。狼にはなれそうもない。
メキシコとアメリカの国境を挟んだ黒社会の怖さとその根の深いヤバさ。僕ら映画ファンは、スティーブン・ソダーバーグ監督の「トラフィック」やリドリー・スコット監督の「悪の法則」で知っている。本作ではその最前線で向き合う人々の姿が描かれる。
あの長いタイトルのトム君映画みたいにエミリー・ブラントのカッコよさを観られるアクション映画だと信じて見始めたけれど、正義感から作戦に志願した彼女が目にする現実と衝撃的な裏事情。ヒロインと同じ情報量で僕らはそれらを見ることになる。与える情報を限定することで観客を引き込んで、主人公を客観視する目線を与えてくれないのは他のヴィルヌーヴ監督作でも同じ。その語り口は本作でも冴えている。
全てを知ったラストで、僕はベネチオ・デル・トロをダークヒーローのように捉えることができなかった。やっぱり小さな町で暮らすことにするよ。そしてメキシコ国境と麻薬王の話なら、シュワちゃんの「ラストスタンド」に拍手を贈るくらいがちょうどいいのかも。うん。
メキシコとアメリカの国境を挟んだ黒社会の怖さとその根の深いヤバさ。僕ら映画ファンは、スティーブン・ソダーバーグ監督の「トラフィック」やリドリー・スコット監督の「悪の法則」で知っている。本作ではその最前線で向き合う人々の姿が描かれる。
あの長いタイトルのトム君映画みたいにエミリー・ブラントのカッコよさを観られるアクション映画だと信じて見始めたけれど、正義感から作戦に志願した彼女が目にする現実と衝撃的な裏事情。ヒロインと同じ情報量で僕らはそれらを見ることになる。与える情報を限定することで観客を引き込んで、主人公を客観視する目線を与えてくれないのは他のヴィルヌーヴ監督作でも同じ。その語り口は本作でも冴えている。
全てを知ったラストで、僕はベネチオ・デル・トロをダークヒーローのように捉えることができなかった。やっぱり小さな町で暮らすことにするよ。そしてメキシコ国境と麻薬王の話なら、シュワちゃんの「ラストスタンド」に拍手を贈るくらいがちょうどいいのかも。うん。