あと数時間で国民の審判が下る時間がやってくる。
衆院選挙と最高裁裁判官国民審査がいよいよ明日に迫った。
選挙戦はきょうが最後、朝早くから候補者の熱を帯びた“最後のお願い”の声が響いてくる。公示日に比べるとスピーカーから聞こえてくる音にかなりの熱気を感じる。
今回の選挙の争点は消費税増税、原発、外交、防衛、第3極の議席数・・・などなど懸案事項は多い。各党首、代表は1票でも多くの票を獲得しようと声を嗄らしての街頭演説を行ってきたが、マスコミ(特にテレビ)が伝える演説のハイライトを見ていて、あまり印象に残っていないのはどうしてだろうか。あす夜8時過ぎには開票も始まっていないのに“当選確実”の字幕スーパーが出て、候補者や支持者の一喜一憂が始まるはずだ。
審判といえば、最高裁裁判官10人の国民審査も行われる。先日配布された選挙公報と一緒に、今回審査を受ける最高裁裁判官10人の経歴や最高裁で関与した主要な裁判について印刷されたものが届けられたのだが、これを見ていてもほとんど分らないことばかりだった。
過去に、最高裁裁判官国民審査で罷免された人はいないということで、この制度そのものをもう少し分かり易く改める必要はないのだろうか。裁判員制度がスタート、冤罪問題が社会問題となる中、その模範となる最高裁裁判官を審査するにあたっての情報があまりにも有権者に届けられていない。これでは判断する材料がない。
かといって、×印を付ける理由も見当たらない。衆院総選挙に隠れて、大切なことなのに一向に改善されていないこの制度、早急に分かり易い方法に改める必要がある・・・・。憲法改正問題の議論もそうだが、形ばかりの裁判官国民審査制度改革も重要なことなのだ。