古民家ギャラリーうした・ガレッジ古本カフェ便り

古民家ギャラリーうしたと隣のガレッジ古本カフェで催している作品展、日々の発見!、書評、詩などを紹介していきます。

やってみなはれ みとくんなはれ 山口瞳、開高健

2024-04-07 10:33:22 | 本の紹介
新潮文庫 昭和44年

山口氏と開高氏が直木賞と芥川賞を獲られた後、

一番脂の乗った頃に書かれたサントリー社史。

山口氏の方は一度、挫折したが、休ませて、

最後まで読み通した。開高氏の語り口は絶品

芸巧、堪能させられる文章で、いつも開高氏

を読む度にマネしようと試みるのだが、なかなか

それは難しく、難儀することになる。創始者鳥井

信冶郎氏の話から、二代目佐治敬三氏まで、戦前

は山口氏、戦後は開高氏が担当する。同社宣伝部

出身の二人が放つ、独自の視点から描いた社史なの

だが、そこはやはり読み応え十分。破壊、破裂、

撃破の漂う二人の社長を追うわけだから、おもし

ろくないわけはない。まあ、令和のぼくなんかには

参考にならないほどの破天荒な人たちで会社であった

ようだ。うーん、こんな会社、楽しそうだけど、

一日とぼくはもたないだろうなあ、という予感は

しないでもない。

(読了日 2024年2・10(土)23:30)
                (鶴岡 卓哉)


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