さて、2021年も今日で最後である。我らが弱小ブログを
読んでくださった方々には感謝いたしまする。
来年はいい年になるといいなあ、と個人的に思っているので
すが、社会的にも例のあれがですな、完全決着してくれると
ありがたいな、と思ってますが、なんだか、違うやつが暴れそ
うで暗雲立ち込めていますが。
僕はしこしことねぎっこ焼きなんぞを焼いてですな、小銭を稼ぎ
つつ、チャンスを窺うってな次第ですかね。
いい報告は……こればかりは分かりません。
今年もいっぱい本を読んで、楽しかったですねえ。毎日、本を
読むことだけはやったでやんすねえ。文学と対峙して、僕として
は実り多い一年だったでやんすねえ。
では、今は亡き、中島らも氏の書評なんぞを始めちゃいましょうかね。
ガダラの豚 中島らも 実業之日本社 1993年
最後のところのサブリミカルの効果が疑わしい。いくらサブリミカル
効果は実際に結果が出ていると言っても、大生部教授たちも実際に殺す
ほどの強制力はないはずだ、と細かいことを言い出せば、呪術に関しても
おかしいと言えば言えるわけだ。
これは中島らも氏が描いた、長大な598Pにわたる絵巻物的なもの
なのだな。一方でよく調べてあるし、深い考察にも及んでいる。
まだらも氏が元気なころに書かれたものらしく、筆致も鮮やかだ。簡潔
にして、簡明な表現、エンターテインメント小説となり得ているよ。
読んでいて、楽しく、一度、中ほどで挫折して、一か月ほど寝かせて
いたが、夏前、三カ月ほど前に読み始めて、漸く読み終えた。
らもワンダーランドとある通り、逆転もあるし、バキリを虫の力で大生部
が蟻で倒すあたり痛快であった。
らも氏が52歳で夭折して、ぼくも50になって、初めて読んだ小説が
らも氏で良かったと言える。
(読了日、2021年 11/16(火)15:15)
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