映画と本の『たんぽぽ館』

映画と本を味わう『たんぽぽ館』。新旧ジャンルを問わず。さて、今日は何をいただきましょうか? 

スマイル~聖夜の奇跡~

2008年01月01日 | 映画(さ行)

地元が舞台なので興味を引かれ、みました。
しかしこれは、すごい拾い物というか、年末の映画の見納めとしては大成功。

タップダンサーの夢を膝の故障であきらめた修平は、故郷の北海道に帰って小学校の教師になります。
それと、この際恋人の静華と結婚しようとするのですが、彼女の父から出された条件が一つ。
それは、彼がオーナーを務めるジュニアアイスホッケーチームを道の大会で優勝させること。
修平は行きがかり上、監督をつとめることになったものの、アイスホッケーはまったくの素人で、自分自身スケートもろくに滑ることができない。
しかもこのチーム、スマイラーズは、今までに一度も勝ったことがない弱小チーム。
さて、前途多難なこの先行きは???ということです。

ジュニアとはいえ、アイスホッケーシーンはスピーディーで迫力バッチリです。
このチームのメンバーは個性派揃い。
いろいろな家庭環境の子供たちが、一人ひとり成長していくさまも描かれます。

中でも、チームのエース昌也と、フィギュア少女礼奈の淡い初恋には泣かされます。この少女が病気で、彼女を励ますために、チームの士気はますます盛り上がっていく。
実は病気の女の子が出てくる話は嫌いです。
定番で白血病だったりするわけですが、どうしようもないワンパターン。
なのに、懲りずに泣かされてしまう、それがイヤで、この手のストーリーにはなるべく近寄らないようにしている。
でも、今回は、そんな話だとは知らなかったので、見ちゃったわけですが、でも、やっぱり見てよかった。
この二人が、すごくステキな美少女、美少年・・・。
なんというか、ちょうど子供から大人になりかけの、一番微妙な年頃、
それがこの映画とドンぴしゃりなんですね。
なんだか凛としてすっきり透明な感じ。
はかなげだけれど、しなやか。
私はこの年代をとても美しいと思う。
「小さな故意のメロディ」をふと連想したのですが、やはりこれは監督自身、それを意識したとのことです。
昌也役の綿貫智基くん。いいですよ~。
美少年好きには必見。
この映画のテーマミュージックとして、The Little  Drummer Boy が使われています。
いろいろなシーンで出てくるのですが、
ラストの試合会場を埋め尽くす人たちの大合唱にはもう、たまりません。
感動の嵐。
おかしくて、楽しくて、悲しくて、そしてちょっぴり勇気も分けてもらえる、第一級のエンタテイメント!
修平の勤める学校、このシーンで、私は絶対これは札幌の学校だ!と思いました。
もう、札幌の小学校そのままなんですもん。
エンディングロールで「平和通小学校」とありました。
極寒の野外で合コンをするシーンなどありまして、ビールは凍りついてるし、凍ったバナナで釘を打ったりして。
いくらなんでも、そりゃ、やりすぎ・・・というか、冬に外で合コンはしないよ、やっぱり・・・。
道外の皆様、本気にしないでね・・・。
でも、北見で耐寒ジンギスカンという行事があるそうです。
ほんとにぐずぐずしているとビールが凍るという。
でも、熱々のジンギスカンなべを囲むのは、ちょっといいかも・・・。
特別出演として、玉木宏、飯島直子、原沙知絵、佐藤浩市なども登場。
ひゃー、こんなちょい役、もったいない!!という感じ。

夢はあきらめた時が終わりの時。
最後まで、がんばれ!!と、そういうことですね。

2007年/日本/124分
監督:陣内孝則
出演:森山未來、加藤ローサ、田中好子、谷啓
「スマイル~聖夜の奇跡~」公式サイト