(DVD)
これがまた、ものすごーくゆるいラブストーリーというか自分探しのストーリーでした。
そもそも、原題は”LONESOME JIM”。
DVDの写真が楽しげなリヴ・タイラーで、この題名だったら、
甘いロマンチック映画と勘違いしても仕方ないじゃありませんか。
こういうだまし討ちみたいな題名のつけ方はやめてほしいものです・・・。
直訳だと「寂しいジム」・・・。
まあ、これではたしかにあまり見る気にはなりませんけれど、的確ではあります。
作家の夢かなわず、ニューヨークから故郷の家へ帰ってきたジム。
喋りがモソモソで、これはまるで「北の国から」の純くんだ。
まあ、そんな雰囲気でもあるかな?
28歳、ニート。
彼は慢性的絶望症と自称する。
自分にも周りの状況にも絶望して、生きる気力がない・・。
家にはやはり望んだ職業に就けず、離婚して家に帰ってきている兄がいて・・・、
ジムは自分のことを棚に上げ、そんな状況でよく生きていられるね・・・なんていってしまう。
父にも母にもうんざり。
ある日バーで看護師のアニカと知り合うけれど・・・と、ラヴストーリーを絡めつつゆるゆると話は進みます。
だから、退屈かというとそうでもない。
この家族はいったいどうなるのかと、いささかながら心配になっても来るので・・・。
彼の母は確かに息子には大甘だけど、
別に、悪くはない感じだけどなあ・・・、と思ったのです。
ラスト付近で彼は「母をただの幼稚な人かとっていたけど違った」、という。
そう、いくばくかの事件があって、
思うようにことが進まず悩みを抱えているのは自分だけじゃないのだと、やっと気づくわけです。
ちょっとブラックというか、ひにくっぽいユーモアが全体に漂っています。
この中で、彼は兄の変わりにジュニアバスケットチームのコーチを引き受けるのですね。
それがまた、弱小どころではない。
一点も入らないという悲惨な試合を続けている。
私はもしかしてこれは、一念発起して、このチームを鍛え上げる、熱血ストーリーなのか?
と、期待してしまったのですが、ぜんぜん違いました。
まさに、現実的ストーリーです。奇跡的出来事はなし!
でも、最後の試合で一回だけシュートが決まり2点の得点がありました!!
この映画の監督、スティーヴ・ブシュミは俳優。
私が見たものでは、「アルマゲドン」とか「ビッグ・フィッシュ」に出ている。
一度見るとちょっと忘れられない感じの個性派俳優ですね。
なるほど、彼が映画を作るとこういう感じですか。
地味ですけど、悪くはないです。
2005年/アメリカ/91分
監督:スティーヴ・ブシュミ
出演:ケイシー・アフレック、リヴ・タイラー、ケヴィン・コリガン