映画と本の『たんぽぽ館』

映画と本を味わう『たんぽぽ館』。新旧ジャンルを問わず。さて、今日は何をいただきましょうか? 

幸せの1ページ

2008年09月09日 | 映画(さ行)
この作品は、オーストラリアの作家ウェンディ・オアーの人気児童書の映画化。
コミカルな冒険ファンタジーとなっています。

冒険小説家のアレクサンドラは、なんと対人恐怖症で、引きこもり。
そして過度の潔癖症。
外の郵便受けに郵便を取りに行くこともできないほど。
しかしある日、南の島の少女ニムから、SOSのメールを受け・・・。

アレクサンドラの小説にはアレックス・ローバーというヒーローが登場するのですね。
イメージとしてはインディ・ジョーンズ。
数々の危険を危機一髪で潜り抜ける、タフな冒険好きの男。
そのアレックス・ローバーが、しばしばアレクサンドラの横に現れては、
彼女を外の世界へ行くようにと励ます。
無論彼女の想像の産物ではありますが、映画的にはこのシーンはおいしい。
さて、ニムを助けたい一心で、あらん限りの勇気を振り絞って、
アレクサンドラは家から外へ足を踏み出した。

飛行機を乗り継いで、船に乗って、ヘリに乗り・・・
最後にはほとんどヤケで、船に積んだボートを盗んで荒海に漕ぎ出したりする!

一方、南の島では・・・。
そこは海洋学者ジャックとその娘ニム2人だけで住む孤島。
ジャックはたまたま調査のため海に出て、
11歳の少女ニムが一人で留守番になるんですね。
しかし、嵐が来て、父親は戻ってこない・・・。
ニムは生活力旺盛の元気な子。
アレックス・ローバーの大ファン。
でも、その作者が女性で、しかも、引きこもりだなんて思ってもいません。
父親が戻らないことで、不安なニムはアレックス・ローバーに助けを求めたというわけです。
ニム役のアビゲイル・ブレスリンは、近頃の女性子役NO.1といっていいですね。
「リトル・ミス・サンシャイン」の頃からは、ずいぶん大人っぽくなりました。

また、遭難しかけた父、ジャックは、
ニムのために何が何でも生きて帰らなければならない、と必死に船を修理する。

アレクサンドラ、ニム、そしてジャック、三人の奮闘振りが交互に描かれてゆきます。
楽しいのは、ニムと仲良しの島の動物たち。
ドリトル先生並に気持ちが通い合ってしまうあたりは、
やはり児童小説なので、カンベンね、というところです。
でも、楽しいので許しちゃう。

空想の人物アレックス・ローバーとニムの父親ジャックが
ジェラルド・バトラーの一人二役なんですが、
ここはうまいキャスティングだと思いました。
ニムにとっては父親こそがヒーローというのは納得できます。
また、アレクサンドラにとっては実は理想のタイプだったりしそうなので、
その後のロマンスも期待できるということですよね。

ちょっと物足りなかったのは、
アレクサンドラとニムが力を合わせて何かをやり遂げて、
そしてやっと気持ちが通じる、そんなシーンが欲しかった・・・。
最後が時間切れ?という感じであっさりしすぎたのがちょっと残念です。

2008年/アメリカ/96分
監督・脚本:ジェニファー・フラケット&マーク・レヴィン
出演:ジョディ・フォスター、アビゲイル・ブレスリン、ジェラルド・バトラー

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