爆笑問題の戦争論―爆笑問題の日本史原論 (幻冬舎文庫 は 7-14) 爆笑問題 幻冬舎 このアイテムの詳細を見る |
普段なかなか手に取りにくいこのような知識の本を、楽しく読ませてくれる爆笑問題。
この本は、明治になってからの日本の戦争の歴史を語っています。
考えてみたら、私は歴史音痴で、
このあたりの知識はむか~し日本史の教科書でならったきりかも知れません。
日中戦争あたりのことなら映画で覚えた知識も多いですけれど・・・。
まずは1894年日清戦争なのですが、明治でいうと27年。
当時朝鮮は日本と同じく鎖国をしていたのですね。
しかし日本は自分もやっと開国したところだというのに、
朝鮮にも開国するよう迫る。
朝鮮内部でもいろいろな思惑と勢力があって混乱状態。
このような朝鮮を食い物にしようとししたのが、日本と清なんですね。
朝鮮の支配権をめぐる争いが日清戦争。
なんというか、つい2、30年前まで、ちょんまげを結っていた日本人が、
この時点でもう海外へ勢力を伸ばそうとしているというのは、すごい気がします。
海外というか、アジアですね。
まあ、当時欧米の帝国主義により、アジアのほとんどが植民地として支配されていた。
日本も、黙っていたら食いつぶされる、
そんな危機感があったのでしょうけれど。
その後、日露戦争、第一次世界大戦時の日本、
山東出兵、盧溝橋事件、満州事変、
そして太平洋戦争
・・・このような流れをみても、とにかく日本はなりふり構わず、
ひたすらアジアを我が物にしようと必死なのです。
この、ほとんど狂気とも思える自信、傲慢さは一体どこからきていたのでしょう・・・。
自国の主張のためには、国際連盟もきっぱり脱退してみせる。
この強気加減は、今の日本では考えられないですね。
・・・ちょっと、見習うべきところもあるような・・・。
しかし、方向は間違ってます!
なんだか、この本を読むと、私は日本人であることが恥ずかしいです。
中国や北朝鮮、韓国の人々の反日感情は、無理もないと思います。
日本人は、知らないふりしないで、やはり一度はこのような史実をきちんと理解した方がいいですね。
でも、実のところそれは、今生きるほとんどの人々のあずかり知らないことでもあるのです。
・・・そんな昔のこと言われても・・・ってね。
まあ、それでも過去をきちんと知って、相手の反日感情も理解した上で、
新しい歴史を刻んでいくしかないのでしょうね。
若い人たちに期待したいと思います。
それにしても、この爆笑問題の会話形式、強烈なボケとツッコミによる解説は楽しい。
これをこのまま中学校・高校の教科書に使ったほうがいい。
歴史にすごく興味が持てます。
満足度★★★★