映画と本の『たんぽぽ館』

映画と本を味わう『たんぽぽ館』。新旧ジャンルを問わず。さて、今日は何をいただきましょうか? 

ブラック・スネーク・モーン

2009年01月16日 | 映画(は行)
ブラック・スネーク・モーン スペシャル・コレクターズ・エディション [DVD]

パラマウント ホーム エンタテインメント ジャパン

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天国は死ぬ間際にあるのではない。今ここにある。・・・きみの天国は?
                
              * * * * * * * *

このDVDパックのデザインは、かなりいかがわしい映画に見えてしまうので、いつもより小さくしてしまいました・・・。
しかし、この作品は特別いかがわしいわけではないのです・・・。

アメリカ南部。
元ブルース・ミュージシャン、初老の黒人ラザラス(サミュエル・L・ジャクソン)は
道端で傷つき倒れている白人の女の子を拾う。
彼女レイ(クリスティナ・リッチー)は、
子どものころ受けた虐待の影響でセックス依存症。
恋人ロニーが入隊してしまったため、1人に耐えられず、
さまよい、男をあさり、ドラックでフラフラになっていた。
ラザラスは彼女の治療を試みるのですが、それが荒療治。
彼女を太い鎖でくくりつけて、家から出られないようにしてしまった。
それで、とんでもなく猟奇的なシーンが出来上がってしまうのですが、
そこだけ見てイヤだと思わず、きちんと最後まで見届けますよう・・・。

妻に逃げられてしょぼくれた黒人男性。
傷ついてはいるけれどアバズレの若い女。
この二人の奇妙なコントラストがなかなかうまく描けています。
うまくいかない人生、傷ついた心、どうにもならない絶望感・・・。
お互いに共通する部分だったんですね。
これは結局、レイを治療しようという試みだったのですが、
ラザラス自身も癒されていく、そういう物語です。
ラザラスの奏でるギターとブルースの歌声が心にしみます。

私は、このシーンを他の誰かに見られて、ラサザスが監禁か何かの罪で捕まるのでは・・・と、
そういうサスペンスドラマを想像してしまったのですが、
それはなしなので、安心してご覧ください。
きちんと、友人の牧師に状況を見せて説明していますから・・・。
それで、その牧師がレイに言うんですね。
「天国は、死ぬ間際の数週間に現れるものではないんだよ。
私には、今、ここにある。
君の天国は?」
毎日を天国と感じて生きていけたら本当に幸せ・・・。
何か、そういう光り輝くものをいつも心に持っていたい・・・そういうことですね。
サミュエル・L・ジャクソンとクリスティナ・リッチー、
ビッグな二人の、異色作です。

2006年/アメリカ/115分
監督:クレイグ・ブリュワー
出演:サミュエル・L・ジャクソン、クリスティナ・リッチー、ジャスティン・ティンバーレイク