就活のバカヤロー (光文社新書) 大沢仁,石渡嶺司 光文社 このアイテムの詳細を見る |
「焼肉の生焼け理論」とは・・・
皆で焼肉を食べる時、さっさと食べないと他の人に食べられてしまう可能性がある。
そこで、本当は十分焼いて食べたいのに、
誰かが生焼け状態で手を出すと、皆もあおられて生焼けに手を出す。
・・・これではおいしくないと誰もが思っているのに、
我慢して、結局誰も満足できない。
著者は、昨今の就職活動がこれと同じ状況に陥っているというのです。
今時の就職活動は大学3年の秋ごろから始まる・・・
というので、私は驚いてしまいました。
そんな当たり前のこと、何をいまさら驚いているのかと、若い方にはあきれられてしまいそうですね。
・・・どうも昨今、そういうことにあまり関係しない生活をしているもんですから・・・。
しかし、そんな私でも、
この本に描かれている昨今の就職事情には、
大変興味を持って読ませていただきました。
・・・しかし3年の秋からもう就活ですか。
やっと大学に入って遊んで羽を伸ばしたと思えばもう、就活。
これではいつ勉強するんだか。
・・・ということで、このことは大学側にも不評だそうですが、
しかし、学生の就職状況は大学の評価にもつながるということで、無視もできない。
就職情報誌も、大きな問題をはらんでいて、
学生はみなこれに踊らされているというのです。
面接のための傾向と対策。
そんな記事のために、学生の答えはどれも同じ。
そしてまた、非常にイタい自己PR・・・。
ということで、この本のカバーの漫画がしゃれていますよ。
面接担当 「君の強みを教えてください」
学生 「 ハ・・・ハイ・・・・・。
コ・・・コ・・・コミュニケーション能力 ば、ばつぐんです・・・・・・・・」
(汗いっぱい、おどおどした顔、目の下にクマ)
笑っちゃいますね。
とにかく著者は就活においては、
企業・大学・学生が茶番劇を演じているとし、
「気持ち悪い」といっています。
それなのに、誰もこれを正そうともせず、ますます状況が悪くなるばかり。
こんな「バカヤロー」な状況に、まず異を唱えようというのです。
しかし、この就職活動の波に乗れなければ、後は派遣などの非正規雇用。
いまやそれは大変危うい状況となっていますし、
この昨今の不景気で企業の新規採用状況も良くないとなれば、
異を唱えている場合でもないのかなあ
・・・と、暗澹たる気持ちになってしまいます。
まずは、政府の雇用対策を期待したいですが・・・
どうも、あの方では・・・。
誰もが生きがいを持って働くことのできる世の中。
そうであって欲しいのですけれど・・・。
満足度★★★☆☆