映画と本の『たんぽぽ館』

映画と本を味わう『たんぽぽ館』。新旧ジャンルを問わず。さて、今日は何をいただきましょうか? 

大阪ハムレット

2009年02月16日 | 映画(あ行)
家族と一緒なら、ありのままの自分でいられる

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森下裕美コミックの映画化です。
登場するのは、大阪の下町に住む5人家族。
昼は病院のヘルパー、夜はスナックで働く、とっても明るく働き者のお母ちゃん、房子(松坂慶子)。
3人の息子がいて・・・、しかしある日突然、お父ちゃんが急死。
そこへなぜかそのお父ちゃんの弟、つまりおっちゃん(岸部一徳)が転がり込んできて住み着いてしまう。

3人の息子たちがまたそれぞれユニークです。
ちょっと老けて見える、中3長男、政司は女子大生と交際。しかし、自分も大学生と偽っている。
兄弟誰とも似ていないことを悩む中1次男、行雄。ツッパリですが、突然「ハムレット」を読み始める。
小学生三男、宏基は、「女の子になりたい!」とクラスで宣言。

この3人兄弟それぞれの悩みをたどりながら、
でも、自分らしく生きていくのが大事ということに気づいていきます。
別に、人からどういわれてもかまわない。
自分のやりたいことをやろうよ。
だけど、それって本当は簡単なことではないんだけどね・・・。
そして、それができるのは、家族が見守っていてくれるから。

この3人をどっしりとつなぎとめているのが、お母ちゃん。
このお母ちゃんがいるからこその、この子どもたちですね。
おっちゃんもいい味出しているんですよ・・・。
なんとも、頼りなげなのだけど、いつの間にか、なくてはならない家族の一員になっている。
皆を見守る、家族の一員に。

次男の大阪弁の「ハムレット」はナイスでした。
なんというか、絶対にハムレットなんか読みそうもない雰囲気なんですよね。
それがわざわざ辞書で言葉を調べながら必死で読んで、
ほとんど覚えてしまった・・・。
「生きるべきか、死ぬべきかって、生きとったらそれでええやん。」
彼のハムレットへの答えです。
それと、この子は他の子とつるまないのがいいんです。
将来大物間違いなし!!

この作品のことを教えてくれた亮さん、ありがとうございました!
笑って泣いて・・・、満足いっぱいでした。
コミックも読みたくなってしまいました。
ゴマちゃんも結構好きだったんです・・・。

2008年/日本/107分
監督:光石富士朗
出演:松坂慶子、岸部一徳、森田直幸、久野雅弘


映画『大阪ハムレット』予告編